『百年の孤独』のよもやま

Twitterのタイムラインを眺めていたら新潮社のツィート(ポスト)が。 ガルシア=マルケス『#百年の孤独』まもなく文庫化世界は本当に滅びるのか?答えは6月26日に解説は作家の #筒井康隆 さん(@tsutsuiyasutaka)がご寄稿。ガルシア=マルケスには格別な思…

最近の著者・ライターとか出版事情

もう仕事を辞めてまるまる3年が経った。さらにいえば、キャリアの晩年はというともっぱら出版物流の方面だったので、いわゆる出版業界の事情、とくに著述業とそのビジネスみたいなところには、そもそも暗かったりする。 ネットで少々名前の知れた著述家とい…

『真景累ヶ淵』を読んで少しだけ近代日本文学を考える

真景累ヶ淵 作者:三遊亭 円朝 Amazon ちょっとした訳あって、言文一致体の嚆矢についてあたりをつけるために、円朝の『真景累ヶ淵』を読んだ。怪談話くらいの予備知識しかなかったのだが、400ページを超える長大な話。しかも登場人物がやたら多い。戯作ぽい…

周回遅れの図書館書籍購入ルールと書店支援

よほど記事ネタがないのか、いやイチエフの汚染水海洋放出など、問題記事はいくらでもあるのだが、なんとなく埋草的な記事として、自民党の議員連盟が出した図書館の書籍購入ルールと書店支援についての記事が朝日新聞に載っていた。 (閲覧:2023年8月29日…

放って置いても人は死ぬし、女と寝る

前日書いた『ケイコ 目を澄ませて』について。どちらかというと辛口というか悪口というか、ややネガティブな感想を並べたてた。そして一番言いたかったことを書き忘れた。ある意味、この映画の一番気に入った部分でもあるのに。こういうのって、まあよくある…

『街とその不確かな壁』読了

街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 16日だったかようやく読み終えた。発売は4月13日、当初今回はパスかなと思ったりもしたのだが、周囲も読み始めたりしていたので5日後くらいに電子書籍で購入。ほぼ一ヶ月くらいで読了。もっとも最初はあまり…

村上春樹の新作

街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹の新作をダラダラと読んでいるのだが、来週後半にはレポート提出もあり何冊かテキストを読まなくてはならないので、その合間にということでなかなか進まない。 数少ない友人、知人とその話になると…

文庫も1000円超 値上げ続く紙の本

今日の朝日新聞文化欄の記事。 digital.asahi.com (閲覧:2023年3月26日) 「本が高い」という読書家の嘆きの声をTwitterでも目にすることがある。 10数年前あたりから、ちらほらと文庫で1000円超が出てきたが、今は当たり前の状況だと思う。刷り部数が相当…

群馬県立近代美術館-「理想の書物」 (10月8日)

土曜日、群馬県立近代美術館に行って来た。例によって妻のお出かけ欲求に沿って。 東京富士美術館の休館、サトエ記念21世紀美術館の閉館と、近くで気軽に行けるところが少なくなってきている。ここは車で1時間弱で行ける貴重な美術館、長期休館が明けの8月に…

『日本の中のマネ-出会い、120年のイメージ-』

日本の中のマネ: 出会い、120年のイメージ 作者:小野 寛子 平凡社 Amazon 練馬区立美術館「日本の中のマネ」展の図録がなかなかに面白く読み応えがある。平凡社から市販された一般書籍のようで、区立美術館レベルの企画展図録としては異例かもしれない。国立…

日本画の歴史 近代篇

カラー版-日本画の歴史 近代篇-狩野派の崩壊から院展・官展の隆盛まで (中公新書) 作者:草薙 奈津子 中央公論新社 Amazon 明治以降の日本画の流れを知るために購入。ざっと通読した後は、興味を惹く箇所や画家についての部分を再読している。近代日本画史に…

「新人世の『資本論』」と祝賀資本主義

集英社のTwitterから 集英社新書編集部 on Twitter: "【ついに34万部突破! 斎藤幸平★『人新世の「資本論」』】 「SDGsに騙されるな。地球も、人も壊される。 ――資本主義にさよならを」 朝日・読売の両紙に『人新世~』の全面広告を打たせていただきました…

さらば みなもと太郎

朝、新聞を開いて訃報に接した。 もう『風雲児たち』の新作を読むことができなくなってしまった。連載開始から40年、自分が読み始めてからでも27~28年くらいの月日が経っている。 『風雲児たち』を知ったのは夏目房之介のレビューからだった。発売されてす…

室生犀星『或る少女の死まで』

7年前に買って放置してあったサリンジャーの『フラニーとゾーイー』(村上春樹訳)を手に取ってみた。でもフラニーの短い章を読んだだけで放り出してしまった。50年代の大学生のカップルのデートシーン、神経症で病み始めた女子大生の長台詞などなど。もうサ…

堀辰雄『麦藁帽子』

麦藁帽子 作者:堀 辰雄 発売日: 2012/10/04 メディア: Kindle版 前日に続いて短編『麦藁帽子』を読んでみた。これも最初に読んだのは高校生の頃だ。高校生になったばかりの少年が少女を意識し始める。そして自己中心的な初恋の心情を綴った話だ。 私は十五だ…

堀辰雄『燃ゆる頬』を読んでみる

燃ゆる頬 作者:堀 辰雄 発売日: 2012/09/13 メディア: Kindle版 久しぶりに堀辰雄を読んでみた。多分50年ぶりくらいになるのだろうか。 10代のある時期、堀辰雄にえらく嵌ったことがあった。多分、高校生の頃だと思う。結核病み、高原のサナトリウム、リルケ…

ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ 発売日: 2020/03/05 メディア:ソフトカバー版 友人から借りていたものをようやく昨日読み終わった。ずっとダラダラと読んでいたのだが、後半200ページくらいは一気に読みでほぼ徹夜して読んだ。もともと去…

『暗幕のゲルニカ』を読む

暗幕のゲルニカ (新潮文庫) 作者:マハ, 原田 発売日: 2018/06/28 メディア: 文庫 随分と前に買ってそのままにしておいた原田マハの『暗幕のゲルニカ』を読んだ。一枚の名画を巡る数奇な物語、狂言回しとなる大画家の周辺の人々、MoMAの日本人女性キュレータ…

JR上野駅公園口

JR上野駅公園口 (河出文庫) 作者:柳美里 発売日: 2017/02/07 メディア: 文庫 2014年の作品、2020年11月、全米図書賞を受賞(翻訳文学部門)して話題になった。そのときにそのうち読まなくちゃと思っていたのだがそのままになっていた。たまたま友人が貸して…

『ヨコハマメリー』を読む

ヨコハマメリー: 白塗りの老娼はどこへいったのか (河出文庫) 作者:中村高寛 発売日: 2020/08/26 メディア: 文庫 『ヨコハマメリー 白塗りの老娼はどこへいったのか』を読んだ。栞がわりに使っていたレシートは去年の12月9日。ダラダラと少し読んではそのま…

チャック・イェーガー死去

朝日の社会面訃報欄にあった。 チャック・イェーガーというとやはりニュージャーナリズムの傑作、トム・ウルフの『ザ・ライト・スタッフ』ということになる。初の超音速飛行を行い世界中のパイロットの頂点に君臨したパイロットの中のパイロット”ライトスタ…

『蝸牛庵訪問記』読了

蝸牛庵訪問記 現代日本のエッセイ (講談社文芸文庫) 作者:小林勇 発売日: 2014/07/04 メディア: Kindle版 仕事を辞めてから、少しずつパラパラと読んでいたものをようやく読み終えた。著者小林勇は岩波書店の名物編集者にして、戦後は創業者岩波茂雄亡き後の…

淀川長治先生の本とかクラシックCDとか

午後一番で隣町の銀行まで保険料の支払いに行く。多分、来月からは銀行引き落としになる。収入がない分これからこういう支払いがずしりと来るのだろう。まあ年齢が年齢だし、遅かれ早かれくることだから致し方ない。 その後、市立図書館に行き書架から持って…

一人称単数

一人称単数 | 春樹, 村上 |本 | 通販 | Amazon 一月くらい前に買って途中まで読んで放置していたのをようやく読み終えた。昔は新刊が出ると嬉々として読んだのだが、だんだんとそういうのが億劫になっている。なんていうか本をあまり読まなくなってしまった…

川本三郎と衣装デザイナーについて

川本三郎が亡き愛妻について綴ったエッセイを時々読み返している。 いまも、君を想う 作者: 川本三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/05 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: 35回 この商品を含むブログ (12件) を見る このエッセイは癌で亡くなっ…

『月の満ち欠け』再読

岩波文庫的 月の満ち欠け 作者: 佐藤正午 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/10/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 文庫版が出たので購入、再読した。単行本で出たものを文庫で買い直して読むなんて村上春樹以来のことだ。 岩波で出たので…

『独ソ戦』を読み始める

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書) 作者: 大木毅 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/07/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 出たばかりの岩波新書『独ソ戦』を購入した。ネットでの評判も良く、書店店頭でもけっこう売れ足が速く、平積みし…

『候補者たちの闘争』を読む

ドキュメント 候補者たちの闘争――選挙とカネと政党 作者: 井戸まさえ 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/12/14 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 井戸まさえの『候補者たちの闘争』を読んでいる。これは昨年の安倍がぶち…

『無子高齢化』を読む

『無子高齢化』を読んだ。 無子高齢化 出生数ゼロの恐怖 作者: 前田正子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/11/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 読後の感想は一言でいえば、とんでもない事態が現出している。そしてそ…

『まっ直ぐに本を売る』を読む

まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法 作者: 石橋毅史 出版社/メーカー: 苦楽堂 発売日: 2016/06/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 取次を通さない書店との直取引をで成功している出版社トランスビューを紹介した本で…