伊豆旅行に行ってきた② 伊東から城ケ崎周辺 (4月19日)

旅行二日目。

 

門脇吊橋

 まずは近場で吊橋巡り。妻は身体不自由なのに、けっこう吊橋を渡るのが好き。関東近県の主だった吊橋はけっこう行っている。本人曰く手すりを伝っていけるので楽なのだそうだ。自分は高いところは正直ダメな方なのだが、妻はそういうことがない。妻が元気な頃、遊園地のジェットコースター類も妻はけっこう好きでよく誘われた。自分は5回に1度くらいいやいや付き合わされて、そのたびに「俺が悪かった~」と絶叫していた。

 門脇吊橋は城ケ崎海岸の中にある、長さ48メートル、高さ23メートルの海にかかる吊橋。ここに来るのは3年ぶりのこと。ここは駐車場から吊橋までは短い距離で車椅子を押して行くことができる。多分、車椅子で吊橋の中の移動もできないことはないのだけど、一応吊橋のたもとに車椅子を置いて後は歩いていくことになる。吊橋からの景色はなかなかの絶景。さすがに下を見るとクラクラくるので、出来るだけ見ないようにする。

 

 吊橋から遠くの海に突き出た岩というか断崖の景色もなかなか見応えがある。断崖に穴が開いているわけではないけれど、なんとなくノルマンディー地方のエトルタの奇岩みたいな趣がないでもない。モネやクールベだったら1枚やそこら絵を描いているかもしれない。

 

 城ケ崎にはもう一つ橋立吊橋というのがある。こっちはかなりマイナーなところで、駐車場から川沿いの遊歩道をかなり歩く。その遊歩道が突き当たったら、山の中をしばし歩かないと吊橋には着かない。一度、ネットで調べて行ってみたが、これはもう二度といくまいと思うくらいに難易度が高かった。

崔如琢美術館

崔如琢美術館について|崔如琢美術館

 ここは以前から気になっていた美術館。前日調べると、現代中国の山水画家崔如琢の個人美術館なのだとか。ちょっと興味深いものがあるので、城ケ崎から少し戻って行ってみることにした。この美術館については別に書くことにする。

 そしてこの美術館は、2階にレストラン天城というイタリアンのお店が入っている。美術館に入らずレストランだけの利用も可能だという。山水画を観ておなかいっぱいではあったが、色気と食い気は別である。物珍しさもあって入ってみた。妻も自分も選んだメニューは違うがパスタ。単品で900円~1100円くらいで、サラダ、ドリンク、デザートをつけるとだいたい1600~1800円くらい。伊豆という観光地価格からすれば、まあまあ良心的かもしれない。

 そのうちこの美術館にも外国人観光客が押し寄せるなんてことがあれば、価格も改訂されるかもしれないか。

 

 

 このレストランは2階にあり、そこからの眺めもまた素晴らしかった。

 

 

象牙と石の彫刻美術館

 

伊豆高原 象牙と石の彫刻美術館 ジュエルピア – 象牙彫刻120点を中心に世界最大の宝石屏風や翡翠彫刻等、東洋美術工芸品を収蔵しております。まさに至宝たちの共演、日本の故宮と言われ必見に値します。 

 ここも前日ネットで調べたところ。崔如琢美術館の斜め前くらいのところにある。

 象牙や玉翡翠の彫刻というと、以前箱根の成川美術館で数点展示してあり、その見事さにうっとりしたのだが、どうもそれ専門の美術館として特に象牙彫刻作品の規模では、故宮博物院をしのぐともいわれているのだとか。

 そしてワシントン条約により象の狩猟、象牙の輸入が禁じられているだけに、多数の作品を観ることは、なかなか叶わないし、さらにいえば新たな作品が産み出されることも難しいという。

 そして展示してある作品がもう超絶技巧というかもう見事というしかない。

象牙彫刻>

 

 

 

 

 

 

 

 

<玉翡翠彫刻>

 

 

 

<採石象嵌屛風>

 

 もうほれぼれするような見事な作品ばかりである。

 ただし、同じような精密工芸を観続けていると、しだいに感覚がマヒしてくるというか、なんとなく食傷気味になる。見事は見事なのだが、これって結局工芸品なのである。心を揺さぶるような美的感動とはちょっと違うベクトル。いや工芸品が悪いとか、レベルが低いというのではないのだけど、やっぱりどこかで匠の技的なもの、職人芸の粋みたいな風に思えてくる。

 たぶん見事なペルシャ絨毯をたくさん見たら、同じような気分になるかもしれない。蒔絵や螺鈿も実はそうだったりするかもしれない。技術の粋を集めた作品ばかりだし、あと100年もしたら希少性も含めて国宝級の工芸品ばかりなのだろうとは思うのだけど。

 さらにいうと一本の象牙から彫り上げていき、さらに細かい部分を別に掘って組み合わせる。けっこう多くの象牙が使われているのだろう。この象牙の工芸品のために、アフリカ象絶滅危惧種になったのかと思うと、さらに微妙な気分も感じ得ない。

 狩猟も輸出入も禁止された希少性からすると、密猟により象牙は多分ブラックマーケットで高値で取引されていたりもするのだろう。出来れば美しい工芸品を観ながらそんなことを想像したくないのだが、どうしてもどこかで考えてしまう。なんとも微妙だ。

 展示された作品には多分罪はないし、それぞれがもう信じられないくらいに素晴らしい工芸作品ではある。

 一度は観たい、行きたい美術館ではあると思う。でも何度も行きたくなるかというと微妙ではる。でも例えばトーハクあたりで故宮博物院象牙彫刻や玉翡翠彫刻の作品展でも開かれれば、多分長蛇の列ができるかもしれない。それを思うとこの美術館の価値はけっこう高いものがあるかもしれない。

小室山公園つつじ園

小室山公園つつじ観賞会|伊豆・伊東観光ガイド - 伊東の観光・旅行情報サイト

(閲覧:2024年4月22日)

 最後に訪れたのが小室山つつじ園。以前、リフトに乗って頂上にあるというリッジウォークに行ってみようかと思ったのだが、まず駐車場からリフト乗り場まで行くのがけっこうたいへん(リフト乗り場のすぐそばにも駐車場があることには後で気がついた)。リフトに乗ってもけっこう頂上付近での歩行が大変とか、係の人に言われて断念した記憶がある。

 今回はこれもネットで調べたところ小室山公園のつつじが4月下旬から5月上旬にかけて見頃という。HPで現在はというと「咲き始め」と案内でていた。まあ伊東から伊豆高原周辺を観光していて、とりあえず小1時間くらいしたら宿にも戻るつもりだったので、行ってみることにした。ちなみに今週になってからは「見頃前」という案内に変わっている。

 駐車場は無料で、遅い時間だったからかなり空いていたけれど、これから「見頃」を迎える頃にはおそらく有料になるだろうし、けっこう混雑するのでは。

 そして咲き始めというつつじはというと、これがまあまあいい感じで咲いている。これで「咲き始め」なら、「見頃」の頃はどんなだろうか。

 

 

 

 つつじ園はけっこう起伏があったけれど、なんとか車椅子押して回ることができた。まあこのくらい咲いていれば十分かもしれないなと思ったりもした。何年か前に那須の八幡つつじ群落を見たことがあるけれど、あやふやな記憶だけど同じような感じじゃないかと思ったりもした。ひょっとしたらあの時も咲き始めだったのだろうか。