神保町ブックセンターに来ている

2016年11月に店主の死去に伴って破綻し、閉店となった岩波ブックセンター信山社の後にできた書店、いや本が壁面に展示してあるカフェである。 運営主体はUDSという小田急関連のデベロッパーだという。 神保町という本の街で、専門出版社岩波書店の小売部門的…

『日本の近代美術』からのメモ

日本の近代美術 (岩波文庫)作者:土方 定一発売日: 2010/01/16メディア: 文庫 本書がもともとは岩波新書で出たものを文庫で再刊したものだとは最近知った。出来れば図版をカラーにした形で改訂版があればいいと思うのだが、なかなか岩波はそういうのをやらな…

神保町ブックフェスティバル

国会の後、これも始まったばかりの神保町ブックフェスティバルに行くことにした。本の仕事をしているのに、このお祭りには実は一度も行っていない。 このフェスティバルは確か、元々は神保町の古本屋の古本市から始まったのだと記憶している。今でも神保町の…

『近代絵画史』

カラー版 - 近代絵画史(上) 増補版 - ロマン主義、印象派、ゴッホ (中公新書)作者:高階 秀爾発売日: 2017/09/20メディア: 新書 カラー版 - 近代絵画史(下)増補版 - 世紀末絵画、ピカソ、シュルレアリスム (中公新書)作者:高階 秀爾発売日: 2017/09/20メディ…

『騎士団長殺し』

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編作者:村上 春樹発売日: 2017/02/24メディア: 単行本 騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編作者:村上 春樹発売日: 2017/02/24メディア: 単行本 恥ずかしながら『騎士団長殺し』をようやく読み終えた。同時期に読み始め…

好きな書店の雰囲気

フレッド・アステアとオードリー・ヘップバーンの傑作ミュージカル「パリの恋人」の冒頭、真面目な哲学少女オードリ・ヘップバーンが勤めているニューヨークの書店である。こういう高い書架の書店、雰囲気があっていい。本に携わる仕事をずっとしてきたのだ…

書高雑低!

すでに暮れのうちに発表になっていたが、改めて衝撃的な数字である。出版業界はずっと雑誌の利益で食いつないできたのである。それは出版社、取次、書店三社とも同様だった。それが実に41年ぶりに雑誌売上を書籍売上が上回ったのである。これは多分出版業界…

ネットワークの基礎の基礎

なにが悲しゅうて還暦過ぎて、今更ながらネットワークのお勉強をしなくてはならないのか。 悔しいので経費でこんな本を購入した。ネットワーク超入門講座 第3版作者:三上 信男発売日: 2013/07/25メディア: 単行本スラスラわかるネットワーク&TCP/IPのきほん…

ディランにノーベル賞

ロックを芸術に高めた ボブ・ディラン氏ノーベル賞: 日本経済新聞 ポピュラーソングの作者がノーベル文学賞に輝いた例は過去にない。ボブ・ディランさんの受賞は、イェイツやエリオット、パスといった詩人たちの作品と同様に、フォークやロックの歌詞も文学…

久々図書館へ

午前中、歯医者の予約を入れてあったので出向く。月一回のクリーニングである。その後、一か月半ぶりに床屋へ。ここでは前回から60歳以上のシルバー料金とかで5パーセントくらい安い料金でやってもらえる。複雑な心境だ。その後、これも久しぶりでパチンコを…

村上春樹「初期三部作」電子書籍配信開始

朝日の全面広告だったのだが、それほどのインパクトある商品かというと疑問ではある。たかが村上春樹の電子書籍である。これで食指動くファンも多いのだろうか。 村上春樹はずっとファンの一人として新刊が出れば必ず買う、読む。かれこれ35年くらいずっとそ…

印象派についてのメモ『続名画をみる眼』より

続 名画を見る眼 (岩波新書 青版 E-65)作者:高階 秀爾発売日: 1971/05/20メディア: 新書 色彩分割について 太陽のきらめきをそのまま画面に捉えるには、太陽の光の色で描かなければならない。一見白色と見える太陽の光が、分析してみれば実は虹の七色を含む…

印象派についてのメモ『セーヌで生まれた印象派の名画』より

セーヌで生まれた印象派の名画 (小学館101ビジュアル新書)作者:島田 紀夫発売日: 2011/10/03メディア: 単行本 自然と同じようなさまざまな色を作るために、パレットの上で絵具を混ぜると明度(絵具の明るさ)が落ちてしまう。そこで、絵具を混ぜないで、画面…

『定本黒田三郎詩集』

『定本黒田三郎詩集』 西武2Fでやっていた古本市でゲット。2000円とお買い得。 ずっと欲しかったというか、読みたかった「窓を開いて」という詩にたぶん30数年ぶりに再会した。60年安保の共稼ぎ夫婦の日常をうたったものだ。 窓を開いて−黒田三郎 先に帰って…

『さよならを待つふたりのために』

さよならを待つふたりのために (STAMP BOOKS)作者:ジョン・グリーン発売日: 2013/07/26メディア: ペーパーバック 読了。思った以上に面白かった。まずはtwitterのメモ的感想から。 『さよならを待つふたりのために』を読んでる。還暦間近の自分にヤングアダ…

『楽園のカンヴァス』

楽園のカンヴァス (新潮文庫)作者:原田 マハ発売日: 2014/06/27メディア: 文庫 ずっと読みたいと思っていた作品。著者の原田マハは元キュレーターの経歴ある作家。とにかく経歴だけを見るとなかなか華やかなキャリア。 原田 マハ(はらだ まは、女性、1962年…

『遠いあし音・人はさびしき』

遠いあし音・人はさびしき―人物回想 (筑摩叢書)作者:小林 勇メディア: 単行本 小林勇の著作。アマゾンの古書で割安で購入。人物回想の名手であった小林の代表作ともいえる書である。まだ読み始めたばかりだが、その回想譚はまさに珠玉といっていいかもしれな…

『一本の道』から

一本の道 新装版作者:小林 勇発売日: 2012/12/20メディア: 単行本 先月読んだ小林勇の本を時折読み返している。岩波茂雄が作った岩波書店を日本有数の出版社にしたのはなんといってもこの大編集者だ。この自伝でも語られるところだが、岩波文庫の立ち上げを…

『一本の道』読了

一本の道 新装版作者:小林 勇発売日: 2012/12/20メディア: 単行本twitterから 小林勇『一本の道』読了。岩波書店の編集、経営を担った稀有の出版人の自伝。面白かった。小学校卒で店員として入った著者が編集者として成功を遂げ、それがそのまま岩波書店の発…

海街ダイアリー

海街diary(うみまちダイアリー)6 四月になれば彼女は (フラワーコミックス)作者:吉田 秋生発売日: 2014/07/10メディア: コミック 新刊が出ていた。都内に出たついでに池袋の旭屋で購入。読むのが惜しくなるような感じ。とりあえず今、コミックでは一番だと思…

中勘助文学記念館

移動中にたまたま看板を見つけて立ち寄る。 http://www.city.shizuoka.jp/deps/bunka/bunkazai_hogo_nakakan_index.htm 『銀の匙』しか読んでないし、さほど好きな作家という訳でもないけど、まあ所謂一つの教養みたいなものだな。無料の記念館なのでこうい…

『物語岩波書店百年史』

物語 岩波書店百年史 1 「教養」の誕生作者:紅野 謙介発売日: 2013/09/28メディア: 単行本物語 岩波書店百年史 2 「教育」の時代作者:佐藤 卓己発売日: 2013/10/31メディア: 単行本トムジィ on Twitter: "『物語 岩波書店百年史 2 「教育」の時代 』を読んで…

『福島第一原発収束作業日記』

福島第一原発収束作業日記: 3.11からの700日間作者:ハッピー発売日: 2013/10/23メディア: 単行本(ソフトカバー) 年末に読んだまま感想を書こう書こうと思っていながら、つい忙しさにかまけて失念していた。Twitterで話題となっていた福島第一原発作業員ハ…

ジヴェルニーの食卓

ジヴェルニーの食卓作者:原田 マハ集英社Amazon 原田マハは名前を聞いたことはあったが。一つも読んだことがなかった。アンリ・ルソーをモチーフにした『楽園のカンヴァス』が話題になっていたことをちょっとだけ聞いていたくらいだったか。 調べてわかるこ…

『場末の文体論』

場末の文体論作者:小田嶋 隆発売日: 2013/04/18メディア: 単行本 コラムニストという職業は日本ではかなりぞんざいな扱いを受けている。時事問題をユニークな視点から切り取って面白おかしく巧妙な文章にしたてあげる。ある種巧みの技とでもいうような文筆の…

海街diary

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃作者:吉田 秋生発売日: 2007/04/26メディア: コミック海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)作者:吉田 秋生発売日: 2008/10/10メディア: コミック海街diary: 陽のあたる坂道 (3) (フラワーコミックス)作者…

重版出来

重版出来! (1) (ビッグコミックス)作者:松田 奈緒子発売日: 2013/03/29メディア: コミック けっこう話題になっているということで興味半分購入した。池袋で友人と待ち合わせまでに時間があったので東武の旭屋で探したら、コミック売り場の割と目立つところに…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年作者:村上 春樹発売日: 2013/04/12メディア: ハードカバー ようやく昨日、読了した。金曜から読み始めて4日くらい。本読む時間が限られ、老眼で読書スピード落ちてきていることからすれば、まあまあ早かったかな。…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』狂想曲

朝からニュースショーで大盛り上がり。やれ深夜書店がカウントダウンして販売しただのなんの。 村上春樹だし、ある意味ベストセラー間違いなしなんだろうが、たかだか新刊書籍の発売でこのイベントはどうよ、みたいな思いもないでもない。もうほとんどハリー…

ピアニストという蛮族がいる

ピアニストという蛮族がいる (文春文庫)作者:中村 紘子発売日: 2012/09/20メディア: Kindle版ピアニストという蛮族がいる (文春文庫) | 中村 紘子 | 音楽 | Kindleストア | Amazon 初版が出たのは1992年。すでに20年以上も前のことである。『チャイコフスキ…