MOMAS(埼玉県立近代美術館)に行ってきた

 MOMASに行ってきた。ここに来るのは実に4年ぶりのことだ。

ディエゴ・リベラの時代を観に行く - トムジィの日常雑記

 ここは同じ県内ということで家から比較的行きやすい美術館でもあり、前回観たディエゴ・リベラの時代、その前の日本のキュビスムピカソインパクト、原田直次郎の回顧展など魅力的な企画展も行われている。ただし北浦和公園の中にあり、ここは子育て世代にとっては手軽に子どもを遊ばせることが出来る場所ということもあり、休日は子ども連れが沢山来ている。それ自体はなにも問題はないのだけど、併設駐車場がない。なので近隣の有料駐車場を利用するのだけど、小さな駐車場が多くしかも狭い道路(一方通行が多い)を通って探すことになる。

 さらにいえば駐車場から美術館までのアクセスも少しあるし、北浦和公園が自転車を入れないためだろうか、メインの入り口以外乗り入れ禁止の柵がある。これ車椅子で通るのに難儀するので、メインの入り口まで回る。ようは車椅子でのアクセスがあんまりよくない。駐車場、アクセスみたいなことでなんとなく敬遠してしまうことが多い。

 ふらっと美術館に行くかとなった時に、例えば富士美とMOMASが頭に浮かぶとなんとなく富士美をチョイスしてしまうみたいな感じである。

 とはいえしばらく行ってないということもあり、今回収蔵品の蔵出しみたいな企画展が開かれているというので行ってみようと思っていた。前週にも行ったのだけど、いきなりの雷、強風ありの雨で断念なんてこともあったのだけど。

f:id:tomzt:20210418151430j:plain
f:id:tomzt:20210418151422j:plain

2021.3.23 - 5.16 コレクション 4つの水紋 - 埼玉県立近代美術館

 新収蔵作家 ポール・シニャック

f:id:tomzt:20210419132636j:plain

『アニエールの河岸』(ポール・シニャック

 新たに収蔵した作品で1985年の作品という。まだ筆触分割を科学的に行うという点描派には進んでいない。モネの絵に感銘を受けて画家を志したシニャック印象派の技法に基づいて描いた作品といえる。モネやピサロの影響が濃い。

 この作品ととともMOMASの目玉ともいうべき『ジヴェルニーの積みわら』やピサロの『エラニーの牛追い』も並列展示されている。おそらくシニャックの作品もMOMASの目玉作品の一つとなっていくのだろうと思う。

f:id:tomzt:20210419124756j:plain

『ジヴェルニーの積みわら』(クロード・モネ

 また光の点描という切り口から埼玉出身の画家としてMOMASが多数作品を収蔵している田中保の作品が5点、難波田龍起の作品なども展示されていて、いずれも好きな画家だけに楽しい空間になっている。

f:id:tomzt:20210418153315j:plain
f:id:tomzt:20210418153344j:plain
田中保の作品群

 

f:id:tomzt:20210418153754j:plain
f:id:tomzt:20210418153718j:plain
波田龍起

 光、豊かな色彩感覚で抽象度の高い作品を描いたこの画家の作品を同じタイプでファンタジー溢れる作品を描いた瑛九と比較してみれるのも今回の企画展のいいところだ。

f:id:tomzt:20210418154945j:plain

『雲』(瑛九

 さらにヨットを所有し地中海沿岸に住み海をこよなく愛したシニャックとの関連から「水辺の情景」という海や水を題材にした作品を展示している。そこでは日本画横山大観菱田春草らも展示されている。ただし保護ケースの中で展示されているのだが、ガラスの映り込みが大きく、大観は対面にある難波田龍起の絵が映り込んでしまうし、まず観る者の姿が映ってしまうなど、いささか鑑賞を妨げる部分もあった。

f:id:tomzt:20210418160841j:plain

 その他では埼玉に生きた南画の女流画家奥原晴湖にスポットライトをあてていた。この画家は幕末から明治期初頭に水墨山水画で一世を風靡した南画の大家で、後半生は埼玉の熊谷市で過ごしたという。その時期には南画の水墨画から画風を変え細密な描写による作品を多数描いているという。

f:id:tomzt:20210419124753j:plain

『仙境群鶴』(奥原晴湖)

 この人は若い頃には渡辺崋山にも私淑していたという。明治期は南画自体が衰退したこと、なんでもそれにはフェノロサ岡倉天心らによる排斥みたいな動きもあったという話もあるので、南画の画家はその後の歴史の中では消えてしまったような感じだが、奥原晴湖の画力は素晴らしいものがあり、新たにスポットライトがあたってもいいのではないかとも感じた。

奥原晴湖 - Wikipedia

 4つの水紋にはさらに切り口として「絵画/言葉/文字」やMOMASの売りの一つでも「椅子の美術館」、屋外展示を含めた「公園のなかから 重村三雄」などが展開されている。それぞれ興味深い作品が多数あった。

f:id:tomzt:20210418155724j:plain

『門と広告』(佐伯祐三

f:id:tomzt:20210418163857j:plain

『階段』(重村三雄)

 さらに1階の常設展では2020年度のMOMASコレクション第4期の展示が続いていて、これは18日までということでちょっとラッキーだった。

f:id:tomzt:20210418163627j:plain

静物』(ピカソ

f:id:tomzt:20210418163644j:plain

静物』(跡見泰)

f:id:tomzt:20210418160151j:plain

コンポジション』(古賀春江

 2021年度のMOMASコレクションは4月24日からとのことだ。

2021.4.24-7.11 MOMASコレクション第1期 - 埼玉県立近代美術館

 美術館のある北浦和公園も園内は噴水あり、所々にオブジェありで寛げる場所だ。何気に公園の外れには黒川紀章のカプセルが置いてあった。

f:id:tomzt:20210418171510j:plain
f:id:tomzt:20210418171711j:plain
『住宅カプセル』(黒川紀章

 

『筒美京平の世界 in コンサート』に行ってきた

f:id:tomzt:20210417154133j:plain

 東京国際フォーラムでの『筒美京平の世界 in コンサート』に行ってきた。

 ライブの発表が新聞広告に出ていたのは知ってたのだが、まあよくある同窓会的なやつかとスルーしてたのだが、友人が行きたいからチケットを取れという。さらにいえば誕生日のプレゼントで奢れという過度な要求。正直なところ15000円は高いと思ったし、これってスケールの大きな「夢コンサート」みたいに思っていたのだが、40年来の数少ない友人なので無碍にも出来ず、まあ抽選当たったらねということにしていた。

 しかしこういうのに限ってきっちり当たる。すぐに決済も行われ4月上旬にはチケットも最寄りのコンビニでゲット。ということで行くことにした。自分もけっこうミーハー気質だが、さすがに歌謡曲ライブにはあまりテンション上がらないのだが、友人はけっこう盛り上がっているようで、まあなにより。

 東京国際フォーラムは初めて来る。というか有楽町近辺がこんな風に変わってしまったのが驚き。って、ここは旧都庁跡地だし、建物自体は1997年開館しているんだけど、もうその頃にはディープ埼玉に引っ越していたので、有楽町近辺はとんと縁がないまま20数年が経っている。まあお上りさんなのでとりあえず国際フォーラムで雨宿りしながら対面あたりのイメージショットなんかを。

f:id:tomzt:20210417162444j:plain

 ライブはというと5時開演で2部構成、途中に30分の休憩があったけど全部で43曲、終わったのは9時近くと長丁場。かなり充実したライブ=コンサートだったと思う。スケールの大きな夢コンサートと、ちょっと引いた感じだったのだけど、まあ知っている曲ばっかりだったので、最初の数曲目あたりでもう破顔というか、もうウルウルしてしまった。多分4曲目の平山みき「真夏の出来事」、10曲目の太田裕美木綿のハンカチーフ」あたりで涙腺崩壊みたいな感じだった。

 観客はまあほとんどが自分と同年代かもう少し上くらいだっただろうか。自分の知っている筒美京平はほぼほぼ1970年代なんだけれど、彼は80年代から2000年代くらいまで様々なアイドル系の歌を作っている。なのでそのへんを謳歌したファン層もいるので、50代くらいの層もけっこういそうだとは思った。 

f:id:tomzt:20210417165706j:plain
f:id:tomzt:20210417165809j:plain

 このコンサートの良かったところはまず司会者がいないこと。往年のアイドル、実力派歌手が持ち歌を披露するが基本は1曲ないし2曲。2曲披露する歌手が曲の合間にちょっとしたMCをするけど、それもほんの短時間。よくありがちな長々としたMCは一切なしであくまで筒美京平の楽曲が主役という演出。次の曲、演者が画面中央のスクリーンに出て曲が始まるというのがとても好感が持てた。

 こういうコンサートだとネームバリューとかで時間の長尺があったり、やっぱり大御所がトリをみたいなことがあるのだと思うが、そういうのもなし。筒美京平の楽曲の前では歌手はみな平等みたいな感じである。なので平山みき大橋純子ジュディ・オングも1曲ずつ。2曲歌うのは郷ひろみ野口五郎太田裕美庄野真代などなど。

 歌の上手い森口博子NOKKOは熱唱するし、浅田美代子斉藤由貴はかってと同じくたどたどし気に歌っている。浅田美代子は歌い終わると胸に手をあてホッとした仕草をしているし、聴いている我々も同じようにホッとしている。そのへんはかってそうだったのとまったく同じだった。

 後半に松崎しげるが「さらば恋人」を歌ったときには、彼は「またあう日まで」じゃないのかと思ったら、アンコールでもう一度出てきた歌った。そしてほとんどの出演者も出てきたグランドフィナーレとなった。まあこのへんの展開はなんとなく想像がついた。

 このコンサートが良かったのは楽曲中心ということもあるが、まずなによりもバックバンドが実力派揃い、とにかく一流のミュージシャンが揃っていたこと。さらにいえばストリングスメンバーが多数参加していたこと。やっぱり筒美京平の曲にはストリングスは必須という感じがしたし、けっこうそれだけで思いのほか感情移入してしまった。

 バックバンドのメンバーはウェブサイトにもあるがこんな感じ。

船山基紀音楽監督・指揮)/中西康晴(key)/安倍潤(key)/土方隆行(g)/

増崎考司(g)/吉川忠英(g)/高水健司(b)/山本秀夫(ds)/

斎藤ノヴperc)/ルイス・バジェ(tp)/竹内悠馬(tp)/鍵和田道男(tb)/

アンディ・ウルフ(s)/石亀協子(strings)/

AMAZONES(大滝裕子斉藤久美吉川智子)(Chorus)

 セットリストはすでにTwitterにも上がっていたので参考にさせてもらった。

うさぎさんのお母さん@ 筒美京平トリビュート~ザ・ヒットソング・メーカー筒美京平の世界inコンサート (@rabbitmammy) | Twitter

第一部

1.ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ) 伊東ゆかり

2.だれも知らない 伊東ゆかり

3.雨がやんだら(朝丘雪路) 夏木マリ

4.真夏の出来事 平山みき

5.芽ばえ 麻丘めぐみ

6.私の彼は左きき 麻丘めぐみ

7.赤い風船 浅田美代子

8.にがい涙(スリー・ディグリース) AMAZONES

9.セクシー・バス・ストップ(浅野ゆう子) 野宮真貴

10.木綿のハンカチーフ 太田裕美

11.九月の雨 太田裕美

12.東京ららばい(中原理恵) 森口博子

13.リップスティック(桜田淳子) 森口博子

14.青い地平線 ブレッド&バター

15.哀愁トゥナイト(桑名正博) 大友康平

16.セクシャル・バイオレット・NO.1(桑名正博) 大友康平

17.ドラマティック・レイン 稲垣潤一

18.センチメンタル・ジャーニー 松本伊代

19.夏色のナンシー 早見優

20.あなたを・もっと・知りたくて(薬師丸ひろ子) 武藤彩未

21.卒業 斉藤由貴

第二部

22.Romanticが止まらない C-C-B

23.Lucky Chanceをもう一度 C-C-B

24.WAKU WAKUさせて(中山美穂) AMAZONES

25.One Way Generation(本田美奈子) LIttle Black Dress

26.抱きしめてTONIGHT(田原俊彦) 藤井隆

27.人魚 NOKKO

28.AMBITIOUS JAPAN!(TOKIO) ROLLY

29.17歳(南沙織) 松本伊代早見優森口博子武藤彩未

30.男の子女の子 郷ひろみ

31.よろしく哀愁 郷ひろみ

32.甘い生活 野口五郎

33.グッドラック 野口五郎

34.時代遅れの恋人達 中村雅俊

35.海を抱きしめて 中村雅俊

36.たそがれマイ・ラブ 大橋純子  

37.飛んでイスタンブール 庄野真代

38.モンテカルロで乾杯 庄野真代

39.さらば恋人(堺正章) 松崎しげる

40.魅せられて ジュディ・オング

アンコール

41.雨だれ 太田裕美

42.裸のビーナス 郷ひろみ

43.また逢う日まで尾崎紀世彦) 松崎茂他

   しかしほとんどの曲を自分は知っているし、ほぼ同時代的に聴いてきた。とくに注意して聴いていなくてもヒット曲として入ってくる。本当に多彩なヒットメーカーだったと改めて思ったりもする。ウィキペディアで彼の足跡を確認すると本当にヒット曲を量産していたことがわかる。

筒美京平 - Wikipedia

 そのうえであえていうと自分にとっての筒美京平は1970年代の人という感じだ。彼の曲、ヒット曲は特に1971年が怒涛の快進撃だった。それは自分にとってほとんど最初のアイドル的存在だった南沙織の登場と軌を一にしている。試みにあげてみるとこんな感じだ。

また逢う日まで  1971年3月

さらば恋人    1971年5月

真夏の出来事   1971年5月

17歳       1971年6月

潮風のメロディ  1971年9月

 1971年、自分は確か中学3年生だった。買ってもらったガットギターにスティール弦を張り音楽雑誌に掲載された楽曲のコード譜をジャカジャカさせていた。洋楽はビートルズ、邦楽はフォークを主に聴いていた。そんなところに筒美京平の歌が北山修作詞の「さらば恋人」、そして南沙織の「17歳」と共に流れてきたんだと思う。

 さらにいえばその頃はラジオで音楽を聴く時代だった。まだカセットテープもあまり普及していない頃で、家には大きなオープンリールのデッキがあった頃だ。そういう時代、筒美京平のヒット曲はいつもラジオから流れてきた。

 ライブの中で郷ひろみ野口五郎筒美京平の曲を歌い始めて50年というようなことを話していた。自分もほぼ同世代、そう筒美京平のヒット曲を聴き始めてから50年の月日が経つのだということを再確認してしまった。

 筒美京平の活躍期間は70年代にとどまらず2000年くらいまで続いている。特に80年代から90年代にかけてはジャニーズ系のアイドル-近藤真彦田原俊彦、少年隊や小泉今日子等にも沢山のヒット曲を提供している。今日のコンサートでも田原俊彦の曲を藤井隆が歌っていたが、出来れば近藤真彦、そして何よりも小泉今日子には出演してほしかったかもしれない。彼女は80年代アイドルのイコンの一人だったからとか思ったりもする。

 まあ3時間の長丁場のコンサートだったが思いのほか楽しめた。チケット買ったときに思ったスケールの大きな「夢コンサート」は撤回させていただきます。行って良かったと思っている。

f:id:tomzt:20210418004921j:plain

新型コロナウイルス時系列メモ2021-⑤

  国内新規感染者数 国内
死者数
東京都
感染者数
大阪府
感染者数
  出来事
12月27日 2,938 40 708 233 羽田雄一郎議員コロナで急死
12月28日 2,395 51 481 150 ・GoToトラベル事業全国一斉停止
12月29日 3,599 59 856 302  
12月30日 3,841 59 944 307 日経平均株価大納会27444円
12月31日 4,515 37 1,337 313 ・東京都感染者1337名、初の1000人超え
1月2日 3,060 31 814 258 ・緊急事態宣言4都県が要請
1月3日 3,158 60 816 253 ・4都県飲食店への営業20時まで要請
1月4日 3,321 48 884 286 菅総理会見、緊急事態宣言7日にも検討
1月5日 4,914 76 1,278 394 ・政府、政令改正で時短応じぬ飲食店名公表検討
1月6日 6,000 65 1,591 560 ・政府、時短協力店に1日最大6万円支給
・米議会、トランプ支持者乱入、4名死亡
1月7日 7,516 37 2,447 607 ・4都県に緊急事態宣言発出、2月7日まで
1月8日 7,840 77 2,392 654 ・政府、コロナ入院拒否に罰則案検討
1月9日 7,781
59 2,268 647 ・関西3府県、緊急事態宣言要請
1月10日 6,082 45 1,494 532 ・大相撲大阪場所、力士65人コロナウイルス関連で休場
1月11日 4,876 48 1,219 480 ・コロナ下、各地で成人式
1月12日 4,535 64 970 374 ・政府、特措法改正原案に予防的措置を盛り込む
1月13日 5,869 97 1,433 536

・緊急事態7府県追加(大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木)
・外国人入国全面停止

1月14日 6,592 66 1,502 592

・コロナ地方でも拡大、熊本・宮崎・沖縄「緊急事態」並み

1月15日 7,133 78 2,001 568 ・コロナ感染拡大により各都県の医療体制逼迫
1月16日 7,012 56 1,809 629 ・コロナ下初の大学共通入学テスト実施
1月17日 5,760 49 1,592 464

・西村新型コロナ担当相、広島市を緊急事態に準じた地域に該当せずと言明

1月18日 4,925 58 1,204 431

通常国会召集、菅総理施政方針演説で緊急事態宣言再発出について「大変申し訳なく思う」と陳謝
・政府、コロナ改正法案をまとめる。罰則導入が柱
・河野規制改革相、ワクチン担当相を兼務

1月19日 5,320 103 1,240 525 ・コロナ死者103人、重傷者1001人、いずれも過去最高
・沖縄、独自の緊急事態宣言
1月20日 5,532 92 1,274 506 ・政府、新型コロナウイルスのワクチン接種16歳以上で検討
1月21日 5,654 93 1,471 501 ・米国バイデン大統領就任
1月22日 5,046 108 1,175 450 ・政府、特措法に「入院拒否に懲役」閣議決定
1月23日 4,717 83 1,070 525 新型コロナウイルスによる国内死者数5000人超える
1月24日 3,990 56 986 421 朝日新聞世論調査、内閣支持33%、不支持45%
1月25日 2,764 73 618 273 衆院予算委、菅首相GoTo予算撤回せず。
1月26日 3,852 104 1,026 343 ・3次補正予算衆院通過。「コロナ後」偏重
1月27日 3,970 90 973 357 新型コロナウイルスの世界全体の感染者数1億人を超える
1月28日 4,132 113 1,064 397 感染症法改正案、入院拒否刑事罰削除で自民、立憲合意
1月29日 3,535 96 868 346 ・コロナ関連改正法案、衆院本会議で審議いり
1月30日 3,345 91 769 338 ・英国型変異ウイルス国内感染者5人確認
1月31日 2,673 65 633 214 ・2020年の入国外国人は430万7千人。前年比86%減
2月1日 1,792 80 393 178

・緊急事態宣言下銀座のクラブで飲食した自民3衆院議員離党、同じく公明党議員は議員辞職

2月2日 2,324 119 556 211 ・緊急事態宣言10都府県で延長、3月7日まで
2月3日 2,631 120 676 244 ・コロナ改正法成立、13日施行、時短・入院拒否に過料
接触アプリCOCOA不具合発覚
2月4日 2,578 104 734 207 菅首相、休業支援金大企業に拡大を表明
・森五輪組織委会長女性差別発言を撤回して謝罪
2月5日 2,373 106 577 209 厚労省医療機関の患者受入れ体制など対処方針を追加
2月6日 2,279 94 639 188 全国知事会コロナ改正法の罰則運用指針提示を国に提言
2月7日 1,631 52 429 117 ・国内感染者数2千人割れ
2月8日 1,216 83 276 119

・緊急事態宣言10都府県延長、3月7日まで
厚労省、新型コロナのワクチン電話相談窓口3/15に設置と発表

2月9日 1,570 94 412 155

・政府、新型コロナ改正特措法運用のための政令閣議決定

2月10日 1,887 121 491 127 ・政府、10都府県の緊急事態宣言先行解除週内見送り
2月11日 1,704 78 434 141 ・東京都新規感染者、週平均で500人を下回る
東京オリンピック組織委森会長、女性差別発言で辞意表明
2月12日 1,290 63 307 89 ・政府、コロナ基本的対処方針を改訂、蔓延防止措置を追加
・オリンピック組織委会長の後任要請された川渕三郎氏辞退
2月13日 1,362 65 369 142 厚労省、感染通知アプリCOCOAの障害、2ヵ月後に把握
2月14日         ファイザー社のコロナワクチン国内初承認
2月15日 965 73 266 69 日経平均株価3万円超
2月16日 1,306 101 350 98 ・ワクチン接種開始
2月17日 1,445 79 378 133 ・ワクチン医療関係者4万人接種開始
2月18日 1,538 76 445 89 ・オリンピック組織委会長に橋本聖子
2月19日 1,303 66 353 91

・河野行政改革相、ワクチン確保見通せず、高齢者4月接種試行的に行うとの方針を示す

2月20日 1,234 78 327 94 PCR検査資材、需要急増で品薄に
2月21日 1,032 50 272 60

・河野行政改革相、基礎疾患のある方へのワクチン優先接種は自己申告制で検討

2月22日 740 56 178 62 ・東京都新規感染200人下回る(昨年11/24以来)
2月23日 1,083 54 275 100 ・関西3府県知事、緊急事態宣言解除を要請
2月24日 921 69 213 62 ・高齢者のワクチン接種、4/12日より開始
2月25日 1,076 74 340 82

・首都圏以外の6都府県、緊急事態週明けにも先行解除の方向

2月26日 1,056 80 270 77 ・6都府県、3/1日緊急事態先行解除
菅首相、正式記者会見拒否
2月27日 1,214 41 337 69

COCOA開発を委託されたIT企業が、契約金の9割を超える費用で別会社3社に再委託していたことが判明

2月28日 999 30 329 54

・関西3府県、緊急事態宣言先行解除
・米、J&Jが開発した「接種1回』で効果が得られるワクチンを許可

3月1日 699 51 121 56 ・千葉県の感染者数、東京都を上回る
3月2日 888 65 232 81 ・2021年度予算案、衆院通過。コロナ対応など106兆円
3月3日 1,244 63 316 98 菅首相、緊急事態宣言「2週間延長」を表明
3月4日 1,170 67 279 81 ・政府、緊急事態宣言2週間延長の根拠示さず
3月5日 1,149 55 301 74 ・政府、4都府県の緊急事態宣言を2週間再延長、21日まで
3月6日 1,054 40 293 82  
3月7日 1,065 25 237 76  
3月8日 600 45 116 38 厚労省、コロナ病床拡充を計画
3月9日 1,128 58 290 103  
3月10日 1,316 54 340 84 ・変異株ウイルス1ヶ月前より4倍以上増加
3月11日 1,319 45 335 88 厚労省、変異ウイルス監視体制強化
3月12日 1,271 58 304 111

ファイザー社ワクチン接種でアナフィラキシーの疑い36人報告

3月13日 1,321 51 330 120 ・世界の感染者数、ピークの1月期より半減
3月15日 695 38 175 67  
3月16日 1,133 57 300 86  
3月17日 1,537 43 409 147 菅首相、緊急事態宣言21日解除の方針を明らかに
3月18日 1,498 32 323 141 菅首相、緊急事態宣言21日全面解除を表明
・政府、変異ウイルス対策など「5本柱」の総合対策決定
3月19日 1,464 33 303 158  
3月20日 1,517 19 342 153 ・五輪、パラリンピク、海外客の受入れ断念
3月21日 1,119 19 256 100 ・4都府県緊急事態宣言全面解除
3月22日 823 33 187 79 ・感染再拡大の兆し警戒。宮城、山形で増加
3月23日 1,503 53 337 183 ・4都府県、飲食店への時短要請4/21まで継続の方針
3月24日 1,918 21 420 262 ・五輪聖火リレー開始。宮城県で171人と急増
3月25日 1,917 28 394 266 宮城県161人
3月26日 2,025 33 376 300 ・国内死者数9000人超える。国内1日感染者数2000人超え
3月27日 2,071 31 430 386 ・国内感染者数2日続け2000人超え、都内430人
3月28日 1,785 30 313 323 ・都内感染者数「第2波」を超す
3月29日 1,342 29 234 213 ・新規感染者、全国で増加傾向
3月30日 2,087 33 364 432 厚労省職員23人、24日深夜まで会食の事実が判明
3月31日 2,843 49 414 599  
4月1日 2,606 18 475 616

・政府は大阪・兵庫・宮城に対してまん延防止等重点措置の適用を決定

4月2日 2,763 22 440 613 宮城県、飲食店への時短要請を県内全域に拡大
4月3日 2,772 8 446 666 大阪府感染者666人、過去最多
4月4日 2,471 12 355 593 ・昨年11月以降の「第3波」での死者数7400人超
4月5日 1,572 19 249 341

・まん延防止等重点措置、大阪、兵庫、宮城で開始

 5月5日まで

4月6日 2,657 28 399 719 北朝鮮、コロナ理由に東京五輪不参加表明
4月7日 3,450 30 555 878 ・東京「まん延防止」検討。大阪、医療非情事態宣言
4月8日 3,447 25 545 905 ・東京、京都、沖縄「まん延防止」12日より適用
4月9日 3,454 27 537 883 ・国内感染者累計50万人突破
4月10日 3,697 27 570 918 ・大阪感染者918人と過去最多。兵庫351人。
4月11日 2,801 17      
4月12日 2,109 24 306 603 ・東京、京都、沖縄、まん延防止等重点措置開始
・ワクチン高齢者接種開始
4月13日 3,456 45 510 1,099 ・埼玉、愛知まん延防止要請検討
4月14日 4,309 33 591 1,130 大阪府、重症病床使用率実質的に100%
・神奈川まん延防止要請へ
4月15日 4,576 35 729 1,208

・政府は埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県まん延防止追加の方針を固める

高校生のための歌舞伎教室

 歌舞伎を実際に観たのはかれこれ半世紀も前のことである。それ以来とんと縁のないままに来てしまった。でもその時のことをなぜか鮮明に覚えていたりもする。

  今でも行われているのかどうかわからないが、1970年代には「高校生のための歌舞伎教室」が開かれ、歌舞伎の解説と一幕ものの舞台が国立劇場で行われていた。毎年、7月の夏休みの次期だったと思うが、学校から希望者を募り格安な料金(受講料)で歌舞伎を観ることができた。教育的な見地から国と歌舞伎界が一緒になって行われた催しなんだと思う。ウィキペディアにもこんな記述がある。

戦後の全盛期を迎えた1960年代から1970年代には次々と新しい動きが起こる。特に明治以降、軽視されがちだった歌舞伎本来の様式が重要だという認識が広がった。昭和40年(1965年)に芸能としての歌舞伎が重要無形文化財に指定され(保持者として伝統歌舞伎保存会の構成員を総合認定)、国立劇場が開場し、復活狂言の通し上演などの興行が成功する。国立劇場はさかんに高校生のための歌舞伎教室を開催して、数十年後の歌舞伎ファンの創出につとめた。

歌舞伎 - Wikipedia

 多分、料金は当時でも1000円くらいだったのだろうか。父親が古典芸能に多少知識があったので、よく歌舞伎や落語の話をしてくれたので、なんとなく身近に感じていたこともあったのだろう。国立劇場歌舞伎座での実際の公演となると、料金は当時の高校生には手の出ない高額なものだったし、せっかくのチャンスということで高校1年、高校2年の連続に観に行った。

 自分の通っていた高校は出来の悪い不良が多い学校だったし(自分も多分その一人である)、歌舞伎などに行く者は誰もいなかったので、2回とも申し込みは自分一人、三宅坂国立劇場には一人で行った。1972年と1973年のことだったと思うので、自分は高校の1年、2年の時だった。高3の時に行かなかったのは、教室自体が開かれなかったのか、受験もあって行くのをやめたのか今となっては定かではない。

 2回ともややどんよりと曇った天気だったので、おそらく7月とはいえ夏休みに入る前の梅雨が明ける前だったのかもしれない。その教室は国立劇場の大ホールで行われ、多分都内を中心に首都圏近郊から高校生が集まってきていて、席はけっこう埋まっていたように覚えている。

 第一部は歌舞伎の基礎知識をわかりやすく解説することになっていて、いずれの年も解説したのは十代目岩井半四郎だった。この人についても父から話を聞いていてある程度の知識を得ていたが、映画やテレビなどにも出演するマルチに活躍する歌舞伎役者の走りだった。さらにいえばこの人の娘は仁科明子で清純派女優として人気があり、後に松方弘樹と結婚したが離婚。結婚中に若くしてガンを罹患したことなども、ある程度の年齢の者だと記憶しているかもしれない。

 岩井半四郎の軽妙で洒脱な解説は高校生の自分にもスーッと入ってくる判りやすいものだった。

岩井半四郎 (10代目) - Wikipedia

岩井半四郎 10 | 歌舞伎俳優名鑑 想い出の名優篇

 すでに50年近い前の記憶だが演目は『義経千本桜』と『毛抜き』だったはずだ。試みに歌舞伎公演データベースというサイトで検索してみるとすぐにヒットして、ちょっと嬉しくなった。

第六回高校生のための歌舞伎教室(大劇場) 1972年7月

昼夜同 1 お話=歌舞伎のみかた 解説:岩井半四郎(十代目)
昼夜同 2 義経千本桜

      伏見稲荷鳥居前〜河連法眼館

配役

佐藤四郎兵衛忠信実は源九郎狐・佐藤四郎兵衛忠信・源九郎狐 = 尾上辰之助(初代)

 源九郎判官義経 = 市川銀之助(初代)

 静御前 = 大谷友右衛門(8代目)

 武蔵坊弁慶 = 尾上松鶴(2代目)

河連法眼 = 助高屋小伝次(2代目)

亀井六郎重清 = 坂東慶三(2代目)

駿河次郎清繁 = 市村鶴蔵(初代)

逸見藤太 = 利根川金十郎(初代)

片岡八郎経春 = 尾上佳緑(初代)

伊勢三郎義盛 = 松本染升(初代)

妻飛鳥 = 市川福之助(3代目)

腰元撫子 = 坂東羽三郎(初代)

腰元梢 = 坂東橘(初代)

腰元小菊 = 市川滝之丞(3代目)

腰元紅葉 = 尾上扇緑(初代)

腰元小梅 = 坂東玉之助(4代目)

荒法師 = 尾上松四郎

荒法師 = 坂東羽之助

荒法師 = 五郎

腰元楓 = 坂東鶴枝(初代)

軍兵 = 浅野長

軍兵 = 内山三郎

軍兵 = 枝松佳郎

軍兵 = 加太良太郎

軍兵 = 草薙光

軍兵 = 古賀静義

軍兵 = 佐藤亜

軍兵 = 佐藤実

軍兵 = 鈴木昭

軍兵 = 向井史郎

義経の武者 = 薪次郎

義経の武者 = 八重緑

申次の近習 = 鏡秀介

申次の近習 = 尾上緑三郎(初代) 

国立劇場(大劇場) (1972年07月) - 歌舞伎公演データベース  

 

第七回高校生のための歌舞伎教室(大劇場) 1973年7月

昼夜同 1 お話=歌舞伎のみかた 解説:岩井半四郎(十代目)

配役

配役

立まわり = 市川滝助

立まわり = 片岡市松

立まわり = 尾上松太郎(2代目)

立まわり = 尾上緑三郎(初代)

立まわり = 尾上小辰

立まわり = 尾上辰夫

立まわり = 尾上緑也

立まわり = 中村芝歌蔵

立まわり = 歌次郎

立まわり = 中村歌弥

後見 = 市川松次

後見 = 岩井若次郎

昼夜同 2 毛抜き

配役

粂寺弾正 = 市川海老蔵(10代目)

小野左衛門春道 = 市川門之助(7代目)

腰元巻絹 = 中村松江(5代目)

秦民部 = 助高屋小伝次(2代目)

八剣玄蕃 = 片岡市蔵(5代目)

春道子息春風 = 尾上松鶴(2代目)

小原万兵衛 = 市川銀之助(初代)

民部弟秀太郎 = 坂東慶三(2代目)

玄蕃倅数馬 = 坂東志うか(4代目)

春道息女錦の前 = 市川右之助(3代目)

桜町中将清房 = 市川福太郎

腰元睦月 = 市川福之助(3代目)

腰元皐月 = 加賀屋歌江(2代目)

腰元千鳥 = 市川升寿(初代)

腰元木幡 = 市川鯉紅(初代)

忍びの者 = 尾上松太郎(2代目)

素襖の侍 = 尾上小辰

素襖の侍 = 尾上緑也

弾正の供侍 = 尾上辰夫

弾正の奴 = 歌次郎

弾正の奴 = 市川瀧二朗(初代)

 = 尾上緑三郎(初代)

 = 岩井若次郎

腰元 = 中村福弥

腰元 = 中村歌弥

小姓 = 的場敏樹

小姓 = 幅清二郎

後見 = 市川升之丞(2代目)

後見 = 市川升助(初代)

後見 = 市川升一郎 

国立劇場(大劇場) (1973年07月) - 歌舞伎公演データベース

  この記録を見ると昼夜2回となっているので昼、夜2回教室というか教室は開かれていたのかもしれないが自分はいずれも昼間の部だった。特に73年の教室は第2部公演に当時すでに売れっ子だった若手の海老蔵、後の十二代市川團十郎が出演したことははっきりと記憶している。その団十郎も2013年に66歳の若さで没している。

 今回、拙い思い出ながら調べるとけっこう記録も残っていることで、自分の記憶の欠落を埋めることができた。自分は結局歌舞伎ファンにはならなかったが、子どもの頃に一流の役者の解説を聞き、一流の役者の芸に触れたことだけは鮮明に記憶している。あの2年に体験がなければ、歌舞伎というものの価値、古典芸能としての煌めきを知ることはけっしてなかったと思う。

 今、あのような高校生のための歌舞伎教室が開かれているのかどうかは自分は知らない。願わくばそういう催しが続いていることを、もし開かれていないのであれば復活することを願う。多分、自分と同じようにあの教室を国立劇場で体験した高校生の中から熱心な歌舞伎ファンが多数生まれているのではないかと、そんなことを思っている。

 若い時に一流の芸、芸術に触れるということはとても大切なことだし、自分のような無学、無教養の者の心にも何かしら残り続けている。

f:id:tomzt:20210416231927j:plain

 

ブラームス三昧

 日曜のEテレクラシック音楽館」で2022年からN響の次期首席指揮者となるファビオ・ルイージの特集が組まれていて90年代のベートーヴェンの7番や最近のブラームスの4番などをやっていた。全体として軽やかな感じがしたのだが、ルイージはイタリア人で各地のオペラ歌劇場の常任指揮者を歴任しているという。ただしドイツロマン派のいわゆるベートーヴェンブラームスも得意としているという。

4月11日(日)21:00 ~ ファビオ・ルイージ NHK Eテレ「クラシック音楽館」 | クラシック音楽事務所ジャパン・アーツクラシック音楽事務所ジャパン・アーツ

N響 次期首席指揮者発表!ファビオ・ルイージからのメッセージ - クラシック音楽館 - NHK

 ブラームスの4番がけっこう気に入ったので在庫を確認したら、以前買った『GREAT RECORDINGS OF THE CENTURY』という31枚組のボックスセットの中にあるので聴き返してみることにした。

f:id:tomzt:20210416182304j:plain

 指揮はカルロ・マリア・ジュリーニシカゴ交響楽団で1969年の録音。ジュリーニルイージと同じようにイタリア人だが、イタリアオペラよりもドイツ系のレパートリーを得意にしたという。なんとなくルイージと同じ匂いがするようで、演奏もこちらも軽やかだ。

 ネットとかで調べるとブラームスの交響楽はフルトヴェングラーが一番みたいな記述をいくつか散見する。そこでAmazonで見てみるとこれがもういいのかというような価格で出ている。

Brahms: The Symphonies Concertos Ein Deutsches Requiem

Brahms: The Symphonies Concertos Ein Deutsches Requiem

 

  6枚組で991円である。音源としてはかなり古く当然モノラルだが十分に聴ける。早速iTunesに取り込み、さらに手持ちのIpod classic3個に入れ、さらにネットワークオーディオに繋いであるHDDにも落としてほぼ1日聴いている。なんならウォーキングのお供にもきいている。ブラームスというと1番が有名だし、4番も割と良く聴かれているみたいだが、改めて聴いてみると3番とかもけっこう馴染む。

 まあすべてにおいて半可通だし、クラシックはほとんど俄かに近い。2年前にベートーヴェンの交響楽全集のやっぱり安いやつを2セット買って、数ヶ月車の中とかでただひたすら聴いていた時期があった。バレンボイムとクリュイタンスだったけれど、なんか今回はしばらくこうやって日がな一日ブラームスというのが続きそうな予感がする。

f:id:tomzt:20210416115320j:plain

 

四万温泉周遊

 木曜はカミさんのデイケアが休みの日。仕事をしている時には昼休みに二人で近所のファミレスやイタメシ屋でランチをすることが多かった。仕事をやめてからはなんとなくお出かけみたいなことが多くなっている。その分、土日のお出かけは少し減ってきているかもしれない。

 まあウィークデイの方がどこへ行っても人は少ないし、もともと美術館など人出が少ないところに行くことが多いのだけど、今回どこに行きたいかというと四万温泉という答えが返ってくる。なぜに日帰りで温泉かと聞くと、四万湖がキレイだとか四万温泉に『千と千尋の神隠し』のモデルになった温泉旅館があるとかいう。あとで良く聞くとテレビで仕入れたネタらしい。それもあのサンドイッチマンがやっている『バスサンド』だとか。

 パソコンのナビで調べるとだいたい2時間くらいで行ける距離だという。ディープ埼玉と群馬は近いのである。この前も高崎の美術館に行った時も1時間足らずで着いたくらいだ。まあ2時間くらいならウィークデイで道路も混んでいないしということで出かけることにする。

 まずは関越道を渋川伊香保ICで降り一般道で国道353線で四万温泉まで一本道である。途中の中之条ではこんな看板を見て妙に懐かしい思いになったりもする。

f:id:tomzt:20210416165243p:plain

 そう、昔は本屋さんがレコードも一緒に置いているなんていうのは普通にあった。当然取次もレコードを扱っていた。最初に勤めた書店が取引していたのはトーハンだったけど、レコードとかも納品していたような記憶がある。しかし東芝レコードという名称がレトロというか。もうずいぶん前から東芝といえばEMIなんだけど、この看板はいつ頃設置したのものなんだろう。

 353線を登っていくとまずは中之条ダムに着く。ここがダム湖になっていて四万湖ということらしい。かなり湖面はキレイでカミさんが仕入れた話だと四万ブルーというのだとか。ダムには歩道があって湖岸まで行くことが出来る。

f:id:tomzt:20210415133000j:plain

f:id:tomzt:20210415132758j:plain

 さらに353号を登っていくと一応このへんの観光名所だという甌穴というのがある。川の流れで石が循環して川底の岩を削って穴状になるのだとか。何万年という気の遠くなるような歳月によって生まれるものなのだとか。

甌穴 | 四万温泉協会

f:id:tomzt:20210415142712j:plain
f:id:tomzt:20210415142606j:plain
f:id:tomzt:20210415142750j:plain
f:id:tomzt:20210415142326j:plain

 ここは急な階段を降りていくので、車椅子は入り口に置いてカミさんは手摺につかまってゆっくり降りる。一番したまで降りても岩場はまったく歩けないので手ごろな岩に腰かけて遠目から見るだけ。自分だけあちこち見て回った。多分、健常な一般の人だとせいぜい15分から30分くらいあれば下まで降りて見物して戻ってこれるのだけど、まあうちの場合だとゆうに1時間近くかかる。人が少なかったのも幸いだが、しかし来ている人たちがみんなうちのようなリタイア中高年っぽい人たちばっかりである。

 それから四万温泉郷に入る。狭い温泉街を車で行くが結局大きな田村という旅館の前でユーターンして公営の駐車場に車を止め車椅子で戻るような感じ。『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルになったという積善館は入り口の橋のところまで行くことができる。もっとも『千と千尋の』モデルとしては渋温泉の金具屋など幾つかそういう宿があるので、こういうのは言ったもん勝ちみたいなところもあるかもしれない。

四万温泉 積善館(せきぜんかん)【公式】|群馬県の温泉旅館

f:id:tomzt:20210415151421j:plain
f:id:tomzt:20210415151408j:plain
f:id:tomzt:20210415151638j:plain

 ウィークデイということもあって温泉街も閑散としている。スマートボール場なんかもあるのだが、みんな店が閉まっている。土日とかには営業しているのだろうか、コロナで店自体が閉まっているとかもしれない。

 その後は353号線の終着の奥四万湖へ。国道353号線群馬県の桐生から新潟の柏崎に至る一般国道ということだが、奥四万湖から新潟側までは不通となっている。狭い山道さえもどうもないようで、まあここは一大トンネルでも掘らないと開通はあり得ない。

 湖の周囲は車の一方通行で所々はけっこう広くなっている。一周して四万川ダムを通るルートになっている。時間もやや遅めだったのであまり人もいない。静かで美しい湖。湖岸から撮った写真はなんとか浮世絵の風景画っぽい構図。

f:id:tomzt:20210415160701j:plain

 

『ミナリ』を観た

f:id:tomzt:20210416115316j:plain

 Twitterでも話題になっているし、アカデミー賞でも『ノマドランド』と作品賞争い二択というくらいに評価されている映画ということで近所のシネコンに行ってみることにした。『ノマドランド』は一日2回の上映だったのだが、『ミナリ』の方はレイトショー1回だけということ。まあディープ埼玉の辺境にあるシネコンの文化状況なんてこんなものである。まだ上映されているだけマシという見方もできる。

 でもってまずチケット購入するときに席を指定するのだが、窓口の女の子曰く「今ならどの席でもOKですよ」と。真ん中あたりを指定して入ってみるとこれである。

f:id:tomzt:20210414210235j:plain

 ほぼ貸し切り状態。これって去年『パラサイト』を観た時と同じ状況。その時は上映間際に駆け込みで数人入って来たんだけど、今回は最初から最後までこの状態。完全な貸し切り状態。これって自分が観なかったら多分上映取りやめてるんだろうなと勝手に想像してみた。それを思うと自分のために電気代使って、従業員は後で清掃とかするのだろうしとか、まあいいか。

映画『ミナリ』公式サイト

 映画は韓国人もしくは韓国系アメリカ人による韓国移民のお話。80年代、アメリカ中西部アーカンソーに移住した韓国系移民家族5人の苦闘する日々を描いたもの。まずアーカンソーがどのへんかというと本当にアメリカのど真ん中、北にミズリー、南にルイジアナ、東にテネシーミシシッピー、西にオクラホマとテキサスである。ディープなド田舎といったところだ。

f:id:tomzt:20210416153755p:plain

 映画の中でも収穫した農作物の出荷先としてダラスとかオクラホマシティといった地名が出てくるのもこういう地図をみると納得できる。
 ストーリーや内容とかそのへんはウィキペディアや以下のサイトが詳しい。

ミナリ - Wikipedia

映画「ミナリ」地味なのに全米で大ウケの真因 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 感想としてはとにかく良そう以上に面白かった。単に韓国系移民の苦労話というだけでなく、移民国家アメリカの実相が描かれている。しかもそれが西部開拓時代とかでなくレーガン政権時代という1980年代という割と至近の時代設定というのが効いているように思えた。アメリカは移民国家として成立したというだけでなく、現在も構成中というか国の形成が現在進行形の国なのである。移民の苦労というの例えばイタリア系移民の『ゴッドファーザー』や東欧系移民の『天国への門』のような過去の話だけではないということだ。

 さらにはアメリカに根付いたキリスト教文化の寓意にも溢れている。単なる韓国人たちの一かの家族映画ではないアメリカに移住した移民たちの普遍性もしっかりと描かれている。このへんが多分アメリカで話題になっていること、アカデミー賞でも数部門にノミネートされ批評的に高評価を得ている理由かもしれない。

 そうした点はおいといてもまず映画として面白い。天候に左右され、収穫しても買い取り先に苦労するなど、けっこうシビアな生活の描写でも、ユーモアや逞しいバイタリティとともに描かれているため悲惨な印象がない。こういう映画にありがちな社会告発型やこの悲惨さから目を背けてはいけない型の訴求をしていない。日々の生活が子どもの視点、夫婦の視点から綴られながらも、ダレることなく淡々と描かれていく。

 また役者陣も夫役の韓国系アメリカ人の主演スティーヴン・ユァン、韓国の女優として出演した妻役ハン・イェリもそれぞれ好演している。さらに祖母役のユン・ヨジョンもその演技からアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、最有力候補の一人となっている。さらには子役の二人アラン・キム、ノエル・ケイト・チョーも好演している。

 出来のよい子役がいるだけで、ある意味映画はその映画の出来以上に評価されたりするし、子役が大人の俳優を食ってしまうこともある。この映画にもそういう部分がないでもないが、子役の視点、大人の視点がうまく分かれて描かれているのである部分破綻もない。

 役者の評価としてはスティーヴン・ユァンとユン・ヨジョンの二人が最高評価を与えられていて、それぞれアカデミー賞の主演男優、助演女優にノミネートされているが、個人的にはハン・イェリの演技もかなりポイントが高い。彼女が助演女優でもいいのではと思えるくらいだ。

 今週は同じ映画館でフランシス・マクドーマンドの『ノマドランド』と続けてこの映画を観た。『ノマドランド』は中国人女性監督クロエ・ジャオが演出しており、去年の『パラサイト』に続いてアジア系のハリウッド進出と話題にもなっている。多くの識者の評では『ノマドランド』の重厚感が圧倒しているというが、映画としての面白さという点ではどうだろう、自分は『ミナリ』の方が楽しめたように思う。芸術性や映像作品としての完成度といった視点もあるが、映画の総合芸術を構成する中には当然娯楽性という部分もある。

 『8 1/2』と『道』や『アマルコルド』のどちらを取るか、『市民ケーン』と『第三の男』のどちらが名画か。映画史的な評価では前者であっても、面白さという点では後者になるのではないかと。ちょっと比較がシンドイかもしれないが、より楽しめるのは『ミナリ』だと思う。

f:id:tomzt:20210416115253j:plain

ティーヴン・ユァン

f:id:tomzt:20210416115324j:plain

ハン・イェリ

f:id:tomzt:20210416115305j:plain

ユン・ヨジョン

f:id:tomzt:20210416115256j:plain

アラン・キム