ダウンビートで飲む

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 恵比寿の山種美術館の後、横浜に出ることにする。恵比寿からは湘南新宿ライナーで一本で横浜に行ける。横浜駅京浜東北に乗り換え一駅で桜木町である。便利な時代になったものだ。

 着いたのが4時半くらいで緊急事態宣言下、アルコール提供は7時までだからゆうに2時間以上飲める。その後に帰ってもディープ埼玉には9時過ぎに帰ることができる。閑散としたジャズ喫茶では密にならんし、早い時間に帰宅できると適当に言い訳しながら、しばしジャズを肴に飲む。

 最初、入ったときにJ.R.モンテローゼがかかっていたので、ハードバップ一直線かと思ったのだが、その後はなんか新し目とかソウルっぽいのとか、ちょっと違うなとか思いながら飲む。途中、パット・メセニーがかかったのだが、そのイントロ部分がなんというかジョニ・ミッチェルの音に極めて近い。

 70年代後半、ジョニ・ミッチェルは、ジャコ・パストリアスウェイン・ショーターマイケル・ブレッカーパット・メセニー等をバックにレコーディングやツアーを行っている。ジョニがジャズを取り入れたといわれることが多いが、どちらかといえばジョニがジャズ・ミュージシャンにけっこうな影響を与えたのではと思える部分もあるかもしれない。少なくともパット・メセニーに関してはそんな部分があるような気がする。

 酒のせいか、なにか適当なことに思い巡らしていたのだが、そういえばジョニ・ミッチェルはジャズ・テイストな楽曲はあったけれど、イージー・リスニングの方向にはいかなかったなと思った。彼女の音楽はセンシティブでギリギリ張り詰めた緊張感みたいな感じだったと思う。リラックスした雰囲気とはなんとなく無縁なような。そのせいか記憶にある限りでは、彼女がボサノバっぽい曲を演奏したことはなかったななどと思った。

 まあジャズと酒があると、訳のわからんことが次から次へと頭の中をよぎる。たいていの場合はすり抜けるようにしてすぐに忘れてしまうような思いつきの類ではあるのだが。

it's gone in the air.
 You can never capture it again. 

 まあそんな感じだね。