パット・メセニーにはまる

 

アメリカン・ガレージ

アメリカン・ガレージ

 

  数日前、ツィッターで誰かがパット・メセニーの「ファースト・サークル」の変拍子、例の6と5が交互にくるやつのことを書いていた。そういえばパット・メセニーをもう随分と長い間聴いていない。ひょっとするともう20年以上きちんと聴いていないように思う。

 それでCD棚を探してみるが一枚もない。何枚か持っていたはずなのに散逸してしまったみたいだ。そうなるとどうしても欲しくなる。ということでアマゾンでポチってしまった。取り敢えずの一枚となると、やっぱりこれ、「アメリカン・ガレージ」である。そして便利なことに1日かそこらで届いてしまう。便利な世の中である。

 多分最初に聴いたのはこれだったと思う。1980年の作品だから、大学を卒業した頃のことだ。当時、フュージョン系のギターといえば、リー・リトナーパット・メセニーのどちらかだった。感覚的にはリトナーのほうがポップ、ロック風という印象だった。

 パット・メセニーはというと出していたレーベルが ECMということもあったからか、なんとなくヨーロッパ的、理知的、静的みたいなことを思っていたかもしれない。さらにいえば、当時の感覚でいえばリトナーもメセニーもいずれもこれはジャズじゃないフュージョンみたいな決めつけである。さらにいえば、イージーリスニング系みたいな括りである。

 とはいえ嫌いかといえば大好きである。このアルバムもすぐにカセットにダビングして買ったばかりのウォークマンで聴きまくった。1曲目の「(CROSS THE)HEARTLAND」、3曲目「THE SEARCH」、そしてお待ちかねの「AMERICAN GARAGE」と。

 80年代のフュージョンとはいえ、さほど古さを感じさせない。「AMERICAN GARAGE」などにはさすがに時代性みたいな部分もなきにしもだが、演奏自体がセンスの良さを普通に受容できる。まあ聴いている自分が過去に退行しまくっている古い人間だからかもしれないが。

 もうフュージョンという言葉も死語だろうし、ジャズかどうかとかそういうのはどうでもいいのかもしれない。良質な音楽、それでいいと思う。

 パット・メセニーは1954年生まれ。自分より2こ上の64歳。このアルバムの頃は26とか27の頃である。そのキャリアからすれば数10枚のアルバムが出ている。しばらく彼のキャリアをもう一度遡るだけ遡って時代、時代の代表作を聴いてみようかと、ちょっとだけそんな思いをもつ。まあかってそうだったように、この手のジャンルは割と飽きが来ることが多い。かってはそんな風にして離れていったのだけれど、今回はどうなるだろうね。