日曜、月曜と長野に行ってきた。
九州にいる妻の幼馴染の方が同窓会で久々に実家に帰ってくるので、出来れば会いたいという連絡があった。妻が子どもの頃たいへん仲の良かった近所の方らしいのだが、最後に会ったのは結婚式の時。もう30年も前のことになるという。
妻は最初、子どもを誘って新幹線で行くみたいな話をしていたのだが、さすがにそれは難しいだろうと思った。ずっと一緒にいる自分でさえ妻と電車での旅行をしたことがない。それを慣れていない子どもとは難しいだろう。ということで一泊で長野に行くことにした。その幼馴染の方とも二度と会えないことになってしまうかもしれないのだから。
その方は妻よりも2歳上で家も近所。子どもの頃は妹のように可愛がってもらったらしい。結婚前に一度自分もお会いしてたしか三軒茶屋で妻と三人で飲んだことがあったと記憶している。看護師をされていて、なんかシュッとしている印象があった。
30年ぶりに会ったのだが、イメージ的にはあまり変わっていない。もう60代半ばだが現役看護師さんである。やはり仕事をされているといつまでも若々しくいられるのだろうか。しばらくその方と妻と母親、そして自分の四人で話をしていたが、自分はりんご畑の方に行くことにした。
歳は少し下だが、一応義兄がりんご畑で作業をしているので、それを久々に手伝うことにした。この時期の作業は、りんごを万遍なく日が当たるようにするため、よく実ったりんごをくるっと回す「玉回し」という作業だ。
この時期のりんごはだいぶん大きくなっている。日の当たる方は真っ赤に染まっているが、逆側は青い。なのでこのりんごを回す。なんだが素人がやると意外とうまくいかない。りんごを回してもすぐに戻ってしまうし、あまり何度も回しているともげてしまう。そして不良品の出来上がりである。
りんごは真っ赤によく実ったものが商品として出せる。ちょっと傷がついたり、鳥に食べられたり、落ちてしまったり、自分のような不慣れな者がもいでしまったものは、果汁にするB級品となる。せっかくよく実ってこれからというのに、玉回しで失敗して不良品を作るのは気が引ける。ということで実はこの「玉回し」の作業が好きではないのだが。
しかし農作業というのは時期ごとに細かく、そして延々と続くような作業の連続である。もうずいぶんと手伝いをしていないので裏覚えだが以下のような作業がある。
<ふじ>
剪定 1~3月
摘花・受粉 5月
摘果 6月
袋かけ 6月~7月
葉摘み 8月~10月
反射シート敷き 8月~10月
袋はぎ 9~10月
支柱入れ 9月~10月
玉回し 9月~11月
収穫・選別 11月
自分がやったことがあるのは摘花、摘果、葉摘、玉回し、収穫あたりだったか。摘花は、花粉を取るために花を摘む。たしか真ん中の花を残して回りの花を摘むんだったか。実際に作業をしたのは15年以上前なので不確かだ。摘んだ花は農協に持ち込んで受粉用に分離して水だかに混ぜて噴霧するんだったか。
摘果は一つの株にいくつもなった幼果をたしかこれも真ん中を残して摘む。葉摘みは実ってきたりんごの周りの葉を摘んで日当たりがよくする。そんな感じだったか。
妻が病気になる前は、ゴールデンウィークやお盆の頃には必ず手伝いに行っていたように思う。でも妻が障害者となってからは、日々の生活や家のこと、妻の介助、もちろん仕事などもあり、多分それどころではなかったのだろうと思う。なので今回の玉回しも本当に久しぶりである。数時間の作業で、多分戦力としてはほとんど役に立っていないとは思う。そしてその数時間の作業で4個ほどよく実ったりんごをもいでしまったのは、内緒の話。