JOAN BAEZ goes jazz: Children and All That Jazz


ジョーン・バエズフュージョンである。ただただ気に入っている一曲。ハンプトン・ホーズがピアノをやっているのも珍しいと思う。1975年、この頃はそれまでのフォーク・ロック系の女流ミュージシャンは新しいスタイルを取り入れようと模索していた時期だったと思う。唯一成功者としてすでにキャロル・キングがいた。彼女とは違うオリジナリティが必要だった。
 ローラ・ニーロは原点回帰的なR&Bのアルバムを出したが受け入れられず、ジャポニズムフュージョンを折衷させた「スマイル」を出すも今一つの出来で、活動を停止してしまう。そしてジョニ・ミッチェルは、よりジャズにふったアルバム「ミンガス」の後、若手ジャズ・ミュージシャンを引き連れてライブを成功させる。ヒットチャートとは異なる位相で見事な転身を遂げる。そういう時代だったように思う。
 ジョーン・バエズフュージョンへの取り組みは多分うまくは行かなかったのだと思う。その後、長い歳月を雌伏というかローカルなフォークシンガーとしての地道な活動を続けることになる。そう、彼女は根っからフォークソング・シンガーだったから。
 とはいえ彼女のフュージョンけっこう斬新な響きで楽しめる。個人的には大好きなチューンだ。そしてこの2年後にはハンプトン・ホーズ脳出血で急逝する。

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