日光旅行
8月8日から10日まで日光方面に小旅行へ行ってきた。いつもの出版健保の宿がとれたから。8月は夏休みということもあり、どこも混むだろうということであまりお出かけはしたくないのだけど、妻がなんとなくお出かけモードなのと、車を新しくしたからということで。まあお盆の週よりは空いているだろうとも。あ
日光には正月に来ている。だいたい年に2回ペースになっているか。これも何度も書いているけど、ここは使わなくなった旧浴場を家族風呂として利用することができる。手すりや介助をすれば、それなりの大浴場に妻も入ることができるということで、利用頻度は多いかもしれない。
風呂は事前に連絡しておけば、何時から何時までということでお湯が使える。大きな浴槽にお湯を張るのは自分たちで利用するときに行う。浴槽にいっぱいにお湯張するにはだいたい5分くらい。その間、脱衣所で待機したり、いったん部屋に戻って妻の入浴のための準備をしたり。そういう浴介助するこっちはけっこうたいへんな部分もあるにはある。
まあ慣れた部分でずいぶんと手際はよくなっているのだろうけど、こっちの加齢でしんどくなっている部分もある。こういうのいつまで続けられるか判らないけれど、今はあまり先のことは考えないようにしている。
8月8日
初日、あまり天気は良くないというので美術館巡りをすることに。栃木県の美術館というと宇都宮美術館と栃木県立美術館という比較的規模の大きい美術館が二つある。宇都宮美術館では「大川美術館コレクションによる20世紀アートセレクション」、栃木県立美術館では「ベル・エポックー美しき時代 パリに集った芸術家たち」という割と興味をひく企画展が行われている。
「ベル・エポック」はポスターがロートレックのポスターで、なにか19世紀後半から20世紀初頭パリの風俗をポスター中心にめぐるような企画。一方の「大川美術館コレクション」は現代絵画やリトグラフ中心。どっちにしようかとちょっと悩んだ。
この雑記の記録によると宇都宮美術館は2023年の5月、栃木県立美術館は2022年12月に訪れている。なんかもっと頻繁に行ってるような気もするが、まあそんなものなのだろう。今回は美術館の周囲にあるうつのみや文化の森公園も少し歩きたいということもあり、うつのみや美術館をチョイス。栃木県立美術館は最終日、時間があればということにした。まあ結局行ったのだけど。
二つの美術館の感想は別の機会に。
8月9日
ソースかつ丼の旅
旅行二日目。なんとなく鬼怒川を抜けて会津西街道方面に行ってみようかということになる。会津若松を観光して回ると多分宿の夕食の時間に間に合わない可能性がある。健保の宿の夕食は6時からと早いのだ。
なので途中でちょっと観光して戻るかということで、芦ノ牧温泉あたりか大内宿あたりへと適当に検討をつける。このへんはけっこういい加減。
芦ノ牧温泉は妻と結婚する前に旅行で訪れた、ある意味思い出の場所。電車を乗り継ぎして行ったが雪の多い時期だったか。バスで会津若松へ行ったりしたこと、温泉の露天風呂が熱くて、回りに積もった雪を大量に風呂に流し込んでようやく入ったことなどを記憶している。
たしかそのときには帰りに大ゲンカして帰りの電車ではまったく口をきかず、浅草で沈黙のまま別れたんだったか。たぶんそれから二週間以上会わなかったようなことお覚えているけど、もしあのまま別れて違う人生を歩んでいたら・・・・・・。まあ個人的な歴史のIFみたいな話だな。
結局、芦ノ牧温泉は通り過ぎただけ。運転している途中で、会津若松のソースかつ丼の話になる。たしかテレビの「バスサンド」でやっていたことを思い出して妻に話をすると、「行きたい、行きたい」と言う。日光から会津若松までは2時間半くらいかかるのだが、まあ道も空いているし、ドライブがてら行ってみることに。
目指すのは番組でやっていた「とん亭」という店。かなり混むところらしく、サンドイッチマンの伊達がプライベートで訪れた時には混んでいて入れなかったという。ナビに検索して目的地にすると12時半頃到着予定という。
かっての会津西街道沿いというか国道121号線は割と気持ちよく走れる道路だ。過去にも大内宿や塔のへつりへ行ったことなどもあり、何度も通っているところ。なんとなく個人的には気に入った道でもある。
そしてようやく会津若松市内に入って「とん亭」を目指す。ナビがあと200メートルとか案内をすると右側に看板が見える。列もできていない。道路をはさんだ駐車場も空いている。と、よく見ると本日定休日の文字。あらら~、という感じ。せっかく2時間半もかけて来たのに。まあこういうこともあるのだなあ。
仕方なくそのまま道を進んで、右側にドラッグストアがあったので車を止めて、ドリンクやらなんやらと購入。車の中でスマホで「会津若松 ソースかつ丼」で検索をかけると、けっこう何店も出てくる、出てくる。ソースかつ丼は会津若松のソウルフード的なもののよう。
検索順位は以下のような感じ
会津若松ランチ13選!ソースカツ丼やラーメンのおすすめ店 [食べログまとめ]
むらい
とん亭
なかじま
とんかつ番番
なんとなく店構えとか、一番近そうなところとかで適当に見当をつけて「とんかつ番番」に行くことにする。ナビに入れて走らせるとほんの数分で到着。時間は1時近くだったこともあり駐車場も3台分空いていた。そして店に入るとすぐに席に案内された。
メニュー見てから、自分は普通のソースかつ丼、妻は煮込みソースかつ丼を注文。ソースかつ丼を卵でとじたのってイケルのかどうか。などと思ったが妻は卵が好きなのでそういうチョイスになった。まあ二人とも同じものを食べるのもなんだしね。
両方とも肉は柔らかくて美味しかった。特にソースかつ丼はご飯とかつの間にこれでもかというくらいにキャベツが載っていて、これがまたソースとからんで絶妙だ。煮込みソースかつ丼の方も少しだけご相伴に預かったが、これもまた絶妙な味付け。なんとなくイメージではソースかつを煮込んで卵でとじても、ちょっと味がぶつかるんじゃないみたいに思ったのだが、まったくそういうことはなかった。
他には小鉢の上げナスがまた美味い。さらに味噌汁が麹みそでなんというか田舎風な感じで、自分は割と気に入った。全体としてこれはまあ2時間半かけて食べに来るだけの価値はまあまああるかなと思った。もし会津若松でソースかつ丼断念すると、引き返して大内宿あたりでねぎ蕎麦食べることになる。自分はまあそれでもいいが、妻的にはそれはいやみたいな風だったので、これはこれで良かったと思う。
とはいえ次またソースかつ丼を食べに来るかどうかはまあ別の話。わざわざまたリピートで来るかというと微妙だけど、機会があればまた。次は「とん亭」にリベンジするか、老舗という「むらい」か「なかじま」か。食べ物に関しては割と保守的な人間なので、また「番番」を選ぶかもしれない。でも結局、お店とか食事って、けっこう一期一会みたいな部分もあるかもしれない。
大内宿
会津若松から引き返して大内宿へ向かう。ここに来るのは多分三度目。
江戸時代の宿場で古民家が軒を連ねている。最近はテレビなどで取り上げられることも多く観光名所として広く知れ渡っている。ウィークデイでも一番近い駐車場はほとんど満車状態。少し待ってからようやく入れた。
そしてここに来ると必ず寄るのがちりめん雑貨の叶屋さん。店先のちりめん雑貨がいわゆるカワイイ、きれい、という感じ。けっこう気に入っている。
ちりめん雑貨の他にも漬物や味噌なんかも売っている。商品の棚になぜかやる気のない営業部長がいる。
まあ江戸時代の宿場の雰囲気を味わうだけなので、滞在時間は食事でもしない限りは1時間弱というところ。今回は帰りのこともあり多分30分と少しでひきあげることにした。
会津田島ー祇園会館
なぜここに来たいと思ったのかというと、通信教育の講義「伝統を読み直す」の中で祭祀集団の章があり、会津田島の祇園祭における党屋制が説明されていて、なんとなく行ってみたいと思っていた。祇園祭自体は7月22日~24日までの三日間で終わっている。祇園会館では子ども歌舞伎の山車などが展示されているということでなんとなく見てみたいと思っていた。
会館の入場は4時半まで。着いたのが4時25分だったが、せっかく来たのでということで入れてもらうことに。入場料は一人300円。それでも5時近くまではゆっくり見学することができた。
いちおうおさらい的まとめる。
頭屋(党屋)制度
祭りはもともと同族集団の族長が主催するものだが、厳しい精進や潔癖な生活や祭祀にかかわる費用負担が重くなりがちなため、輪番制で祭祀を主催するようになったもの。祭りの主催は神主と同等の立場になるので、頭人、頭屋など「頭」の字を使用するのが一般的だが、職業的な神官が成立したじきから、頭人の役割は供餞や神事の設営などとなり、当番の意味で当屋、党屋と呼ばれるところもある。
田島のお党屋制度(国指定重要無形民俗文化財)
田島の祇園祭は、鎌倉時代の文治年間(1185年頃)、時の領主長沼宗政の祇園信仰により、この地に祇園の神<牛頭天王須佐之男命(ごずてんのうすさのおみこと)を居城鎮護の神としてまつり、祇園祭の制を定め、旧来よりの田島鎮守の田出宇賀神社(たでうがじんじゃ)の祭りと共に行われた事が起源とされている。このまつりは、古来より『西の祇園社、中の津島社、東の田出宇賀者』と言われ日本三大祇園の一つと称されている。
田島祇園祭はお党屋制度とよばれる、現在9組の当番お党屋組が1年神主の党本の家を支えて神事を担当する制度によって運営されている。9年目に巡ってくる当番お党屋組を中心に、去年のお党屋組「渡し」と、来年のお党屋組の「請取り」3組が織り成す祇園祭は1年を通した3年がかりの行事となっている。
祇園祭についてはこのサイトが詳しい。
そして祇園祭の中でも一番有名なのが七行器(ななほかい)行列。お党屋本から供物を運ぶ神社まで運ぶ行列で、女性は花嫁衣裳、男性は裃着用で参列する。この行列を見るために多くの観光客、アマチュアカメラマンが押し寄せるという。
祇園会館には子ども歌舞伎用の山車が展示してある。
そして七行器行列の人形も。
五穀豊穣や無病息災などを神仏に願う祭祀は共同体においてかかさず行われてきた。夏になると今でも地域ごとで行われる子ども祭りや盆踊りもその名残ではある。でも地方の過疎化や高齢化によりそうした祭祀自体が廃れてきている部分も多い。会津田島の祇園祭は大がかりの続いているのは、ある部分祭祀というよりも観光資源的な意味付けもあるかもしれない。
まあ講義やテキストで目にしなければ、その祭り自体に興味を抱くなんてこともなかったかもしれないが、こういうのもある種のきっかけになるのかと思う部分もある。同じようにテキストに出ていたということで、韮山の江川邸を改めて訪れたりとかそういうこともあった。
自分の場合でいえば、68歳にしてもそういう好奇心はまだ少しだけ残っている。でももっと若い時にいろんな場所、本で読んだり、映画で観たりした場所などに行っても良かったかなと思ったりもする。でも多分、その頃は生活に忙しくてそんな余裕もなかったのだろうとも。そしてリタイアした今だからこんな風にテキストや講義で触れた場所にちょっと足を延ばしてみるということができる。そういうことでもある。
8月10日
旅行最終日。世間的には三連休の初日ということで日光も混雑が予想されている。なので日光での観光はだめだろうと思い、久しぶりに足尾の方にでも行ってみようかと考えた。宿を10時少し前に出て一般道に入ると神橋方面はすでに大渋滞。神橋からいろは坂方面に行く車と東照宮に行く車でだいたいいつも混んでいる。日光駅方面からの道が混むのはわかるが、大谷川沿いの裏道も渋滞してる。足尾に向かうにはいろは坂の手前で左折するのが、これはけっこうな渋滞にはまると考えて断念する。
そこでとりあえず今市に戻り、日光おかき工房へお土産を買いに行く。ここのカレー煎餅やふんわりごぼう天はお気に入りで日光に来た時はほぼ毎回寄る。そこでしばし土産物買ったり、試食のおかき食べたりして過ごす。
その後はというと、とりあえず宇都宮市内に戻ることに。宇都宮には中心街の近くに八幡山公園というところがある。遊園地や宇都宮市街が見下ろせる宇都宮タワー、さらにアドヴェンチャーブリッジという吊橋もある。ちょっと寄ってみようかと思ったのだが、さすが土曜日、三連休初日ということもあり駐車場は満車状態。あとで調べると別に思いやり駐車場があるらしいが、たぶんそちらもいっぱいだったかもしれない。
ちなみにここは小高い山全体が公園となっている。その隣には宇都宮競輪場がある。そっちに来る人もあり土日や競輪開催日はかなり混むらしい。
栃木県立美術館
車止められないのでは仕方なしということで、結局栃木県立美術館「ベル・エポック」展に行くことにした。こっちはというと駐車場も全然空いている。まあそういうものだね。
この企画展の感想はまた別の機会に書くつもりだけど、「ベル・エポック-美しき時代、パリに集った芸術家たち」はワイズマン&マイケル・コレクションを中心にしていて、山梨県立美術館、栃木県立美術館、パナソニック汐留美術館と巡回する予定で、それぞれの収蔵品も展示されている。特にパナソニックの所有するルオーの作品も多数展示されていた。
ポスター系も有名なロートレック、ミュシャ、スタンランなどの他、アンリ・ソム、エドゥアール・ソイエなど知らない作家の作品も多数あり興味深かった。
企画展、常設展を観て美術館を後にしたのが3時半くらい。まだ昼食を食べていなかったので、再び八幡山公園の近くに戻りやよい軒なるチェーン店に入る。まあ公園に一番近いファミレスだったからだけど、ここは大戸屋と同じような定食系のチェーンみたい。まあまあ標準的な味、量でとりあえず腹いっぱいになる。なんでもご飯、漬物、お茶漬けの出汁が食べ放題らしいけど、年寄にはあまりメリットないかな。ご飯は自動でご飯をよそうおかわりロボという機械がある。下にお茶碗を置いて全面パネルから、一口、小盛り、中盛り、大盛りと選択ボタンを押すとごはんがお茶碗に盛られる。便利な世の中だね。
注文は入り口の自販機、おかわりや水などはセルフということで、時間的にも午後4時近くということで空いていたせいもあり、店内にはアルバイト君一人でオペレーションしていた。もちろん厨房には1人か2人いるのだろうけど、けっこう合理化されているかなと。食べたのは自分が唐揚げ+コロッケ定食、妻はハンバーグ定食。まあまあ美味かった(空腹のせいもある)。
このチェーン店、埼玉ではどうなのかというと、けっこうあちこちにあるみたいで、近いところでは川越と狭山にあるみたい。まあぜひとも行きたい店ということでもないけど。
八幡山公園
やよい軒を出てせっかくなので八幡山公園に再チャレンジ。時間も夕方5時近くだったので、駐車場も空いていた。この時間帯になると遊園地や小動物園、宇都宮タワーも全部終了している。来ている人もなんとなくご近所の散歩組という感じ。駐車場に止めてから少し坂道を上ると左が競輪場、右が公園の入り口。そこからもけっこう坂道があるなと思ったら、脇に車いすやベビーカー用のスロープも用意されていた。そこを上っていくとアドベンチャー・ブリッジにたどり着く。この橋は<日本一のモノストーム式鋼吊床版橋(補剛桁吊床版橋) >なのだとか。長さは152mで、この鋼吊床版橋というのは簡単にいうと、太い策(ワイヤーロープ)の上に鋼板を乗せて施工されたものらしい。当然策は垂れ下がるので中央部では7mほど下がっている。そのため橋に入るとすぐに階段上になっている。これはちょっと難儀といえば難儀。
妻は身体が不自由なのに、なぜか吊橋が好きで手摺りつかまって途中まで歩いたりしたがる。これまでも三島のスカイウォーク、竜神大吊橋、宮ケ瀬の水の郷大つり橋、那須のもみじ谷大吊橋などに行っている。まあ途中から車いすに乗って自分が押すのだが、自分はというとぶっちゃけ高い所が苦手。できればパスしたいのだが、まあ行きたいというので仕方なく付き合っている。
今回はというと階段がかなり広めなので、手摺り使って妻は降りたり上ったり、自分は車いすを抱えてみたいにしました。ここ構造上階段にしないといけないのだろうが、まあ普通に考えると車いすは無理。ベビーカーのお母さんたちも一人、二人いたけど、けっこう苦労していた。
滞在時間は小1時間。お散歩コースとしてはちょうどいい感じではないかと。散歩している人たち、家族連れ、カップル、ジョギング、犬の散歩などなど。なんとなく宇都宮市内の中学生の初デート場所みたいなところかなと、適当に思ったりもした。
まあ次来ることがあるかどうか判らないけれど、美術館の帰りにちょっと寄るには最適かもしれない。その後は鹿沼で高速に乗って1時間半くらいで帰宅。東北道は思いのほか空いていた。