個人的な記録として続けている。
自分の知っている人、影響を受けた人、なんとなくそれを記録して覚えておきたいとそんな感じだろうか。
例によって朝日新聞12月31日、18面「2023年亡くなった方々」よりチョイスして一部追加している。
1月10日 ジェフ・ベック(78)
年明け早々、ジェフ・ベックの訃報に接したわけだ。ヤードバーズの三人のギタリストの一人。クラプトンが2代目、3代目がジェフ・ベック、そして4代目がジミー・ペイジか。ヤードバーズの名前はチャーリー・パーカーに由来するなんて知らなかったな。
1月11日 鈴木邦男(79)
新右翼「一水会」の元代表。時代の位相が変わったせいか、いつのまにか右翼活動家のはずが、反ヘイトなどでリベラル層と親和的になっていった。この人を最初に知ったのは多分雑誌『現代の眼』での対談かなにかだった。そのときは新右翼の代表として野村秋介らと出席していたような気がする。温和な雰囲気だが目が笑っていない、ある種の凄みを感じた。
1月11日 高橋幸宏(70)
YMOのドラマー。それ以前に小原礼とともにガロのサポートメンバーだったとか(これは知らなかった)、サデスティック・ミカ・バンドに参加してたとか(これは知っている)。
1月12日 リサ・マリー・プレスリー(54)
エルヴィスの一人娘。マイケル・ジャクソンと結婚したことでも話題になっていた。いまさらながらだけど、エルヴィスは42歳で亡くなっていたんだよね。
1月16日 ジーナ・ロロブリージダ(95)
イタリアの往年の美人女優。美人、豊満なボディで映画雑誌『スクリーン』などによく登場していた。
1月18日 デビッド・クロスビー(81)
CSN&Yのメンバーで最初に逝った。薬中で不摂生なヘンクツ親爺。彼についてはいろいろと書いた。そして今となっては1991年の来日ライブを観たことをいまだによく覚えていたりする。相変わらず誰と行ったのかだけが思い出せないのだが。カミさんだったか、それとも別の誰か。まあいいか。
1月25日 シンディ・ウィリアムズ(75)
『アメリカン・グラフティ』のローリー役
1月27日 永井路子(97)
女流歴史小説家の草分けみたいな人。そしてこの人も鎌倉文士の一人だった。
2月2日 横路孝弘(82)
元北海道知事、社会党のホープだった人。社会党のプリンスと呼ばれていた。高校生くらいの頃、社会党が政権とるときにはこの人が中心になるのかと思っていたこともあった。結局、民主党時代に衆院議長を務めることになったけど、星巡りというか運がなかったのかもしれない。
2月3日 水田洋(103)
アダム・スミス研究の第一人者。まさに知の巨人という感じの人。
2月5日 辻村寿三郎(89)
人形劇「新八犬伝」の人。番組は1973年4月から1975年3月まで放映されていたので、多分高校二年から浪人の頃だったと思う。なぜか知らないがけっこう覚えているのでよく見ていたのかもしれない。
2月8日 バート・バカラック(94)
希代のサウンド・クリエイター。特徴あるバカラック・サウンドで数々の名曲を作った。自分はたぶん映画『明日に向かって撃て』のサントラからファンになったのだと思う。中学生の時だ。以来、50年ずっと聴き続けている。
2月13日 松本零士(85)
SF漫画の第一人者ということなんだが、自分にとってはいつまでたっても四畳半シリーズ『男おいどん』の大山昇太であり、サルマタケ、ラーメンライスだった。
2月15日 ラクエル・ウェルチ(82)
『ミクロ決死圏』『恐竜100万年』で有名。いわゆるエロいお色気女優のはしり。なんかこの人はボンド・ガールの印象があるのだけど007シリーズには出ていない。『サンダーボール作戦」に内定していたらしいけど『ミクロ決死圏』への主演が決まり降板したとか。女優、モデルになる前に二児をもうけウエイトレスをしていたとも。そういう経歴を知ると別の興味もわいてくる。
2月20日 山根貞男(83)
映画評論家。名著マキノ雅弘の自伝『映画渡世』が山田宏一とこの人による聞き書きであることは、出た時から知っていた。読んだはずだがほとんど覚えていない。
2月22日 笑福亭笑瓶(66)
メガネがトレードマークの落語家・タレント。友人と笑瓶が死んだという話になって、自分らより1つ下だとそんな話をしたことを覚えている。
2月24日 西山太吉(91)
元毎日新聞記者で沖縄返還をめぐる日米間の密約を報道した。たしか秘密漏洩罪で起訴され、裁判で女性事務官とひそかに情を通じこれを利用したと起訴状にかかれ、色仕掛けとかスキャンダルに報道された。この密約を国会で追及したのが社会党代議士時代の横路孝弘である。同じ月に亡くなったのも因縁といえば因縁。
3月2日 ウェイン・ショーター(89)
ジャズ・メッセンジャーズで若手ながら音楽監督を務め、マイルスのグループでも活躍した。マイルス、ショーター、ハンコック、カーター、ウィリアムスの黄金クインテットでならした。メンバーはもはやハンココックとカーターを残すのみか。
3月2日 大川隆法(66)
幸福の科学の創始者。なんか唐突に訃報が伝えられた感じがする。大昔、幸福の科学の集会を横浜アリーナの貴賓室で見たことがあった(ただのその他大勢だった)。そのときの「我はエル・カンターレなり」という彼の絶叫をよく覚えている。あの集会では原田真二のライブもあった。
3月3日 大江健三郎(88)
戦後文学の巨匠。1994年のノーベル賞受賞時にはよく本が売れたのを覚えている。この人の小説を一番読んだのは多分高校生の頃。『飼育』『死者の奢り』『芽むしり仔撃ち』『遅れてきた青年』『セブンティーン』とか覚えている。長編は実は『同時代ゲーム』以後はほとんど読んでいない。そういう意味ではよい読者ではないと思う。
3月8日 トポル(87)
『屋根の上のバイオリン弾き』の人。個人的には『フォロー。ミー』の探偵役の怪演が印象的。
3月11日 陳健一(67)
『料理の鉄人』の中華の達人の人。まさに同い年だったのにはびっくりした。
3月14日 ボビー・コールドウェル(71)
「ジャマイカ・センチメンタル」は不朽の名曲。今でも時々聴いている。
3月23日 奈良岡朋子(93)
民芸の女優さん。70年代テレビドラマになぜか必ず出ていた名わき役というイメージがあった。
3月28日 坂本龍一(71)
YMOの坂本龍一。1月に高橋幸宏が逝き、3月に坂本である。ほぼほぼ同世代。そして才能あるサウンド・クリエイターだった。
4月5日 海野弘(83)
この人の評論を学生時代よく読んだ。映画論、都市論、世紀末論などなど。でも一つとして中身を覚えていない。残念だ。
4月5日 畑正憲(87)
ムツゴロウ。この人の自伝的エッセイを高校生の頃に愛読していた。
4月8日 富岡多恵子(87)
詩人、作家、フェミニスト。若い頃、池田満寿夫と一緒に暮らしていたことがあり、彼女をモチーフにした池田満寿夫の作品をどこかで観た記憶がある。たしか宇都宮美術館だったか。
4月13日 マリー・クヮント(93)
ミニスカートの人か。
4月16日 アーマッド・ジャマル
ソロ・アルバムはあまり聴いていないかもしれないが、いくつかのアルバムでサイドメンとしてクレジットされていたような気がする。改めて聴いてみると渋い。
4月25日 ハリー・ベラフォンテ(96)
「デーオ、デエエオ」の人である。
5月4日 原寮(76)
フリージャズピアニストにしてハードボイルド作家。もうそういう経歴だけでなんとなくカッコよかった。『そして夜は甦る』『私が殺した少女』の二作には痺れたものだ。しかし驚くほどの寡作の人だった。
5月11日 中西太(90)
怪童と呼ばれた西鉄ライオンズの看板選手。たしか29歳で監督兼選手となった。プレイング・マネージャーのはしりである。
5月18日 ヘルムート・バーガー(78)
文字通りヴィスコンティの寵愛を受けた美しき俳優。『ルートヴィッヒ』の演技はなんか鬼気迫るものがあった。
5月24日 ティ・ターナー(83)
アイク&ターナーの人。CCRの「プラウド・メアリー」があれほどアグレッシブなR&Bナンバーになるとは。
6月4日 ジョージ・ウィンストン(74)
アルバム「オータム」は不朽の名作だとは思う。今でも時々聴く。
6月5日 アストラッド・ジルベルト(83)
ボサノバの女王。自分が最初にボサノバのナンバーを聴いたのは多分この人の「イパネマの娘」だった。
アストラッド・ジルベルトが亡くなった - トムジィの日常雑記
6月12日 シルビオ・ベルルスコーニ(86)
イタリアの元首相。個人的にはACミランの名物オーナーという印象。彼が政界入りして立ち上げた政党名フォルツァ・イタリアがちょっと笑えた。
6月15日 グレンダ・ジャクソン(87)
イギリスの名女優。アカデミー主演女優賞を『恋する女たち』『ウィークエンド・ラブ』で2回受賞。『ウィークエンド・ラブ』はいい映画だったな。妻子ある中年男と離婚歴ある中年女の大人の恋愛。小粋でほろ苦くて。
6月16日 ダニエル・エルズバーグ(92)
ペンタゴン・ペーパーを暴露した。もともとは経済学者で超エリートでもある。
6月16日 北別府学(65)
70年代から80年代に活躍した広島カープの大エース。
6月29日 アラン・アーキン(89)
なんか印象に残る俳優。『アメリカ上陸作戦』『暗くなるまで待って』『クルゾー警部』『キャッチ22』とか覚えている。
7月7日 PANTA(73)
頭脳警察のボーカル。「さようなら世界夫人」は名曲だと思う。というかこれがヘルマン・ヘッセの詩だとはずいぶんと後に知った。あとPANTAは学生時代、学際のオールナイトライブに出演したのをよく覚えている。カッコ良かった。あのライブにはカルメン・マキも松葉づえをついて熱唱した。ラリって二階から飛び降りたとか、そんなことを言っていたような記憶がある。
7月11日 ミラン・クンデラ(94)
『存在の耐えられない軽さ』は集英社から出ていたような覚えがある。たぶん読んだはずだがタイトル以外覚えていない。
7月16日 ジェーン・バーキン(76)
なんか知らないうちに歌手として有名になっていた人。ブックオフで100円で買ったCDを持っているがほとんど聴いたことがない。この人は「ナイル殺人事件」のメイド役をよく覚えている。
7月21日 無著成恭(96)
「全国こども電話相談室」のなまりのある名回答はけっこうよく覚えている。タモリが真似していなかったっけ。あとこの人は生活綴り方運動の実践者でもある。そのことは『思想の科学』で知った。今こうやって自分が拙い雑記を続けているのも生活綴り方の一環でもある。
7月24日 森村誠一(90)
『人間の証明』は映画とともに大ヒットした。あと関東軍731部隊の生物兵器や人体実験についてのルポ『悪魔の飽食』もヒットした。晩年は護憲や反戦についてしばしば新聞投稿して話題になった。
7月24日 トレバー・フランシス(69)
いたな~、イングランドのミッドフィルダー。70年代から80年代にかけて活躍した。当時だとマクダーモット、ホドル、ロブソン、ミルズとかと中盤を形成してたような印象がある。
7月26日 ランディー・マイズナー(77)
イーグルスのメンバー。イーグルスはもうグレン・フライ、ドン・フェルダー、バーニー・レドンが鬼籍に入っているのか。
8月7日 ウィリアム・フリードキン(87)
「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」「クルージング」など。アメリカン・ニューシネマの若手監督の一人だった。
8月9日 ロビー・ロバートソン(80)
ザ・バンドのギタリスト。細身で華奢な感じもするけど、危なさというかナイフみたいな感じもした。この人が凄むと怖そうみたいな。ギターはブルース系で弾いてる姿がカッコいい。ちょっとスティーヴ・クロッパーと似通った音って思ったこともあったか。晩年はザ・バンドの遺産独り占めみたいな感じもした。これで生き残りはガース・ハドソン一人になった。
8月16日 ジェリー・モス(88)
アメリカの音楽プロデューサー。A&Mレコードはハーヴ・アルバートとこの人によって創設された。アルバートとモスでA&M。
8月18日 亀井俊介(91)
アメリカ文学者。『サーカスが来た!』は名著だと思う。
8月20日 金子勝彦(88)
「三菱ダイヤモンド・サッカー」の実況アナウンサー。岡野俊一郎氏との実況は機知に富んでいて、サッカーの面白さを伝えていた。岡野氏も2017年に鬼籍に入っている。
8月23日 テリー・ファンク(79)
ファンクス。レスラーのスタイルとしてはファイタータイプで、個人的には兄ドリーのテクニシャンタイプが好きだった。
9月8日 寺沢武一(68)
漫画『コブラ』の人。最初出てきた時は「アメコミじゃん」と思ったものだ。1955年生まれはまさに同世代。
9月13日 市川猿翁(83)
猿翁といってもまったくピンとこなかったが、猿之助といえばスーパー歌舞伎の人と反応する。自分が古い世代だからだろう。一度そのスーパー歌舞伎を実際に観てみたかった。サーカスだのなんのと批判を受けたけど、基本歌舞伎は見世物だった訳で、ある意味王道の人だったのかもしれない。香川照之が息子だというのはずいぶん後に知った。
9月20日 加藤秀俊(93)
社会学者、「整理学」の人。自分的にはリースマン『孤独の群衆』の訳者。
9月22日 遠山一(93)
ダークダックスの「ゾウさん」。知らなかったけどダークダックスの最後の一人だった。
高見澤宏(パクさん) 1933-2011
佐々木行(マンガさん)1932-2016
喜早哲(ゲタさん) 1930-2016
遠山一(ゾウさん) 193.0-2023
9月25日 デヴィッド・マッカラム(90)
『ナポレオン・ソロ』のイリヤ・クリヤキン。そして声を務めたのは野沢那智だ。
10月8日 谷村新司(74)
なんだかんだいってアリスはよく聴いた。アリス以前から関西フォークの中では有名だったし、聴くことはできなかったけど、深夜放送のDJとしても評判は聞いていた。アリス以前にロック・キャンディーズ、ヒルビリー・シンガーズを主導。心斎橋で山本潤子をヒルビリー・シンガーズに勧誘した話はけっこう有名だった。
10月14日 財津一郎(89)
「キビシーッ」の人。この人が歌った「花のピュンピュン丸」のテーマ曲はまだ空で歌えるのが笑える。
10月17日 カーラ・ブレイ(87)
ジャズ・ピアニスト。ポール・ブレイとともにフリー系という印象が強かった。
10月18日 もんたよしのり(72)
「ダンシング・オールナイト」の人。大昔、職場の同僚で、カラオケでこの曲を絶叫した2コ上のM君は元気でいるだろうか。
10月21日 ボビー・チャールトン(86)
1966年ワールドカップの優勝メンバー。イングランドサッカーの象徴的存在。とはいえ全盛期は小学生の頃だったので、当然プレーはほとんど知らない。頭髪が薄いのでヘッドが強いのかと適当に思っていた。ミュンヘンの悲劇の生き残りでもあった。
10月26日 犬塚弘(94)
クレージー・キャッツのベーシスト、そして最後の一人だった。これでハナ肇トクレージキャッツのメンバーはみんな鬼籍に入ってしまった。
11月4日 保利耕輔(89)
どちらかといえば佐藤派の重鎮でもあった父親の保利茂のほうが覚えていたりして。ということでこの人も世襲議員である。1979年初当選の同期組が麻生太郎、岸田文武(文雄の父)、亀井静香、佐藤信二、丹羽雄哉(喬四郎の子)などなど。隔世の感がある。
11月9日 大橋純子(73)
「シルエット・ロマンス」の人。
11月12日 KAN(61)
「愛は勝つ」の人。
11月15日 池田大作(95)
戦後の巨星墜つという感じなのだが、驚くほど話題になっていない。なにか淡々と伝えられた。というか「サタデー・ナイト・ライブ」のギャグみたいにいえば、いったいいつから亡くなり続けていたのか。昭和の時代、創価学会のメンバーが口々に「会長先生」と言っていたのをよく覚えている。ある種の熱狂の中心にあったカリスマの人でもあった。
11月18日 三木卓(88)
『震える舌』を妙によく覚えている。書店員1年生で文庫担当だった時に、ちょうど映画化されよく動いたからだろうか。この人もまた鎌倉文化人の一人だった。
11月24日 伊集院静(73)
驚くほど著作を読んでいない。無頼派といわれてたけど、自分的には夏目雅子のダンナというイメージのままだった。
11月29日 ヘンリー・キッシンジャー(100)
元米国国務長官。ニクソン政権下の大統領補佐官として密かに中国を訪問し、米中和解の道筋をつけた。これ以降、密使を〇〇ジャーと呼ぶこと多かった。しかし長命だ。
11月29日 山田太一(89)
「岸辺のアルバム」を「岸辺のアラバマ」と言ったのは誰だったっけ。
12月5日 デニー・レイン(79)
ムーディー・ブルースからポール・マッカートニーのウィングスの結成に参加。ウィングスを黒子としてささえた。死因はコロナの後遺症による間質性肺疾患だとか。
12月6日 磯村尚徳(94)
NHKのキャスター。ニュースを読むアナウンサーから解説やコメントも加えるニュース・キャスターの走りだったか。
12月8日 ライアン・オニール(82)
『ある愛の詩』が有名。70年代の人気ハンサム男優の一人だったか。たぶんみんなそう思うだろうけど、この人の代表作は娘と共演した『ペーパー・ムーン』か。逆にキューブリックの『バリー・リンドン』では大根ぽくて残念だった。
12月23日 竹入義勝(97)
公明党の委員長だった人。池田大作と同じ年に亡くなるのもなんとなく因縁めいている。晩年は反創価学会に転じた。
12月29日 キラー・カーン(76)
あの小沢である。アメリカでヒールとして活躍。アンドレ・ザ・ジャイアントの足を折った男として名をはせた。
12月29日 坂田利夫(82)
アホのサカタ墜つ。
12月30日 八代亜紀(73)
年明けてから発表になった。膠原病を患っていたとか。
12月31日 中村メイコ(89)
子役から出発し草創期のテレビで活躍した人。黒柳徹子と中村メイコはなんとなく同じようなキャラだったような記憶がある。夫の神津善行は作曲家、娘のカンナは作家、タレントだった。