デヴィッド・クロスビー死去

米歌手デビッド・クロスビーさん死去 ザ・バーズ、CSN&Yで活躍:朝日新聞デジタル

(閲覧:2023年1月23日)

 死んじゃったね。CSN&Yのメンバーで一番最初に逝ったのが彼だったか。なんとなく予想はしていたけど。明らかに不健康そうな太り方してたし、ずっと薬中だった。たしか1995年には薬物中毒の後遺症からか肝移植もしている。最近は闘病中だったとも。

 とはいえ、CSN&Yのメンバーの中ではつい最近までバリバリ現役だった。2016年にはスナーキー・パピーのマイケル・リーグら若いアーティストたちとコーラス中心の「ライトハウス」というアルバムも作っている。2021年にも新作アルバム出している。

 不摂生の限りを尽くしていて、それは太っちょの体形にも表れているのに、美しい歌声は最後まで衰えることなかった。盟友グレアム・ナッシュらに比べると声のハリ、質は最後まで変わらなかった。ボーカリストとしては稀有な存在だったのかもしれない。

 彼については、「デヴィッド・クロスビー:リメンバーマイネーム」というドキュメンタリーがあった。2021年にはNetflixで観ることができたが、今はAmazonで有料レンタルのようだ。

Amazon.co.jp: デヴィッド・クロスビー:リメンバーマイネームを観る | Prime Video

(閲覧:2023年1月23日)

 このドキュメンタリー映画を観たときに、けっこういろいろ感想を書いた。今、彼のことを書くと多分多くが重複になると思う。まあしいていえば、クロスビーがジョニ・ミッチェルのファースト・アルバム「Song to a Seagull」と二枚目「Clouds」のプロデューサーをしている。いわば彼がジョニの才能を発見し、メジャーの世界に導いたといえるのかもしれない。ちなみにこの二枚のアルバムにはいずれもステファン・スティルスが協力している。

 たぶんこの頃クロスビーとジョニは恋人同士だったようで、その後ジョニはグレアム・ナッシュと暮らすようになる。ドキュメンター映画にはそのへんについてのクロスビーの述懐がある。ナッシュの「Our House」はナッシュとジョニが暮らした家のことを歌ったのだとか。

 その後、ジョニはナッシュと別れニール・ヤングと付き合ったり、レナード・コーエンと恋に落ちたりなどなど、それも書いた。

 繰り返しになるが彼についてはほとんどこのときに書き尽くしている。ちょっとした小ネタではあるが、クロスビーはチョイ役での映画出演がちょこちょこある。本当にチョイ役なんだが、これはある種の友情出演なのか。あるいは「ちょっと俺のこと映画に出させろよ」的なノリなのか。観ていて気がついて調べたら案の定というのがロン・ハワードの「バック・ドラフト」。映画の冒頭のタイトル・クレジットの後、家事で焼けだされたオヤジ役で出演していて、ちゃんとセリフもあって笑える。

 クロスビーの訃報のあと、友人から「ちょっと落ち込む」とLINEがきた。その返事に書いたのはこんな内容。

それだけ自分たちが歳とったってことでしょう。自分らのアイドルだったアーティストもほとんどが後期高齢者。これから日々訃報が続くんでしょうね。

 新年早々、ジェフ・ベックが逝き、デヴィッド・クロスビーが逝った。もうこれからは本当に、次々と訃報が続いていくのかもしれない。歳をとるというのはきっとそういうことなんだろうね。

 デヴィッド・クロスビー、81歳。冥福を祈ります。そしてCSN&Yは永遠なり。