さよなら、サトエ記念21世紀美術館 (6月25日)

 6月26日(昨日)で閉館となったサトエ記念21世紀美術館にその前日25日に行って来た。

サトエ記念21世紀美術館 TOP (閲覧:20220627)

 埼玉県にあり、家から車で30分程度で行ける美術館ということで、何度か訪れたところである。コロナによる利用客減少などにより閉館となる。淋しいことだ。

 この雑記の記録をみると最初に訪れたのは2017年。

 それから通算4回来ている。館内もゆったりとしていて居心地が良く、彫像が多数設置された庭園も美しい。小ぶりながら素晴らしい美術館だった。ただし立地が悪かったか。最寄り駅から徒歩20分、タクシーで5分。とにかく車がないとアクセスできないところだった。

 いつ行っても利用客は少なく、2時間近く滞在していても、鑑賞しているのが自分たちだけということもあり、正直この美術館大丈夫かと思うこともあったが、そういう危惧がコロナ禍の中、的中してしまったようで残念だ。

サトエ記念21世紀美術館 - トムジィの日常雑記 2017-7-2

サトエ記念21世紀美術館へ行く - トムジィの日常雑記 2020-8-16

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サトエ記念21世紀美術館再訪 - トムジィの日常雑記 2021-9-6

 

 今回の展示品はいつものヴラマンク、ベルナール、ローランスといった外国人作家のものの他、藤井勉、小松崎邦夫、玉之内道雄、寺井力三郎などお馴染みのもの中心だった。設立者の佐藤栄太郎による彫像もあったが、なんでも医師から手を使うことを進められ、楽器演奏か彫像制作かということで後者を選んだとのこと。芸術制作が美術館設立の動機になったのかもしれない。

 展示作品では、この美術館は埼玉所縁の田中保の作品も多数所蔵しているのだが、その展示はなかった。埼玉県立近代美術館で7月から田中保の回顧展があるので、そちらに出品されるのかもしれない。

 

 気になった作品をいくつか。

「稲穂のつどい」(小松崎邦夫 1931-1992) 1990年

「歓」(藤井勉 1948-) 1989年

「ノルマンディーの室内」(玉之内満雄 1929-1997) 1988年

マルセイユ旧港」(エミール・ベルナール 1868-1941) 1929年 

 

 そして美しい屋外彫刻作品。

 

 

 帰りに受付の女性に、今後コレクションはどうなっていくのかと聞いてみたが、詳しいことはなにも決まっていないが、地元での教育関係への提供などが検討されているみたいな話だった。

 いつかこの美術館で観た作品とどこか他の美術館で出会えたら。そんなことを思いながら名残惜しくも閉館間際の5時少し前に帰ることにした。