磯山神社の次に向かったのが栃木県立美術館。
2016年9月に最初に訪れてから、今回で多分四回目の訪問になる。日光に宿を取った時にここと宇都宮美術館に交互に行ってる。記録をたどると宇都宮美術館にもすでに五回行っている。それだけ日光の健保の宿に泊まっているということか。
栃木県立美術館での他館とのコラボ企画展などから、茨城県立近代美術館を訪れるようになったりと自分的の美術館周遊の広がった。2014年に山梨県立美術館、2015年、2016年に栃木のこの二館に行くなど、この時期から地方の美術館巡りが始まったのかもしれない。
<栃木県立美術館訪問記録>
2016年9月19日 高木修回顧展
2017年6月18日 まなざしの洋画史-近代ヨーロッパから現代日本まで
栃木県立美術館「まなざしの洋画史 近代ヨーロッパから現代日本まで」 - トムジィの日常雑記
2022年1月29日 日本画のゆくえ~継承と断絶・模倣と創造
<宇都宮美術館訪問記録>
2015年11月24日 ゆめみるフランス絵画展
宇都宮美術館〜「夢見るフランス絵画」展 - トムジィの日常雑記
2016年9月18日 スター・ウォーズ展
2019年4月30日 勝井三雄展
2019年8月14日 水木しげる魂の漫画展
2020年8月12日 メスキータ展
そして今回の企画展「題名のない展覧会」である。


栃木県立美術館の開館は1972年、今年で開館50周年を迎える。開館当初はほとんど収蔵品がなく、展示スペースだけの美術館だったが、作家本人や遺族、篤志家により寄贈、遺贈によりコレクションも増え、さらに栃木県美術作品等取得基金を活用した購入により、モネやターナー、コンスタンブルなどの名画も購入、現在では収蔵品は9000点近くにのぼっているという。
今回の企画展では、美術館の歴史を辿りながら、名品収蔵品の展示とともに、過去に行った展覧会240本のポスターを一挙展示するなど、なかなか趣向を凝らしたものとなっている。またこの美術館の特徴として調査研究に力を入れており、栃木県出身の作家、また所縁のある作家にスポットをあて、作品のの調査や回顧展なども行っている。
栃木県立美術館によって周知されるようになった作家も多い。清水登之、刑部人、小泉斐、菊川京三といった作家を我々が知ることができたのは、ひとえにこの美術館の研究活動によるものと思う。
気になった作品をいくつか。
県美術取得基金により1996年に購入した作品だとか。
洋画から日本画に転じた小杉放菴が、油彩によって日本画を制作したような作品。金太郎のモデルはお孫さんさらしい。
そして栃木県立美術館というと最初に頭に思い浮かべるのが実はこの作品。
篠原有司男というと、1960年代から赤瀬川源平らとネオ・ダダ・グループで活動し、ボクシングのグローブに絵具をつけてキャンパスを殴りつける「ボクシング・ペインティング」などで知られる前衛作家だ。このオートバイ彫刻は70年代に篠原がニューヨークでカードボード(ダンボール)を集めて制作を始めたシリーズの一つだとか。
最初に観た時から、その塊感というか、異様なインパクトを感じていて、栃木県立美術館というと、本当にこれを最初に思い浮かべる。「ああ、オートバイのあれがあるとこね」みたいな感じである。