去年もやったので(2020年の物故者 - トムジィの日常雑記)、2021年の物故者を振り返ってみる。朝日新聞12月30日朝刊16面、17面「2021年あの日」の亡くなった方々から。
1月7日 トミー・ラソーダ(93)
1976年から1996年までロサンゼルス・ロジャースの監督を務めた人である。特に81年のワールド・シリーズ制覇はなんとなく覚えている。多分一番メジャーリーグに関心があった頃だ。スティーヴ・ガービー、ロン・セイ、レジー・ジャクソン、新人ヴァレンゼエラなどなど。
1月12日 半藤一利(90)
歴史家の代表みたいにいわれてるけど、基本この人は文藝春秋の編集者だと思う。自分らが若い頃は『日本の一番長い日』は大宅壮一編だったけど、実質的にはこの人がまとめたもので、いつの間にかこの人の仕事ということが一般的になった。
1月22日 ハンク・アーロン(86)
1974年、ベーブ・ルースが持っていた大リーグ通算本塁打記録714本を抜いた。そして76年に通算本塁打755本で現役生活を終えた。この記録は翌年(77年)に王貞治によって破られたが、あの時の喧騒をよく覚えている。
2月5日 クリストファー・プラマー(91)
「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐である。往年の二枚目スターであり様々な映画で準主役、脇役として活躍した。この人がアカデミー賞助演男優賞に輝いたのは2010年の「人生はビギナーズ」。末期がんの老人で独身の息子ユアン・マクレガーに自分がゲイだとカミングアウトする役だったか。当時80歳、トラップ大佐の面影がないくらいにおジイサンになっていたっけ。
2月8日 森山周一郎(88)
テレビ放映される吹き替映画の声優として欠くことの出来ない存在だった。テリー・サバラス、チャールズ・ブロンソンは常にこの人だったな。
2月9日 チック・コリア(79)
「リターン・トゥ・フォーエバー」。あのカモメのジャケットとエレピ。かってジャズ喫茶でこのアルバムがかかると憤然として席を立つファンも多かった。
3月24日 田中邦衛(88)
いつのまにか国民的俳優になってしまったけど、自分にとっては永遠の青大将だった。
3月26日 沢村忠(78)
キックの鬼、必殺「真空飛び膝蹴り」。60年代後半から70年代初頭にかけてキックボクシングが毎週7時台にテレビ放映された時代、この人は国民的人気を博したスーパースターだった。
4月3日 田村正和(77)
坂東妻三郎の息子で俳優として長男の田村高廣、弟の田村亮とともに「田村三兄弟」といわれた。父親に一番似ていたのは長男の高廣、正和は豪放な父親と違い細面な二枚目だった。
4月9日 エディンバラ公フィリップ殿下(99)
エリザベス女王の夫というだけの存在として記憶される人。そのエリザベスももう95歳、在位69年になる。
4月30日 立花隆(80)
「知の巨人」と呼ばれるが、「田中角栄研究」のイメージがあり、ずっとジャーナリストという風にとらえていた。「田中角栄研究」の後は「日本共産党の研究」や「革マル・中核」などを次々と出し、左翼というものを判りやすく国民に了解可能なものとして提示してみせた。その後の「脳」、「臨死体験」などサイエンス・ライターとしての活躍については自分はほとんど読んでいない。
5月5日 富永一朗(96)
漫画家、「チンコロ姐ちゃん」などがある。この人は漫画よりもテレビ番組「お笑いマンガ道場」の出演者・回答者として人気があったという記憶がある。
5月30日 小林亜星(88)
CMソングの作曲家。やっぱりドラマ「寺内貫太郎一家」の印象が強いか。
6月21日 原信夫(94)
日本のジャズバンドの草分け原信夫とシャープ&フラッツのリーダー。紅白歌合戦での伴奏などで有名だけど、60年代は様々な歌番組で演奏していたような記憶がある。
7月28日 江田五月(80)
父親江田三郎の急死により裁判官から政治家に転身し、社民連、日本新党、民主党などで活躍した。父親同様に社会民主主義、構造改革派の人だったと記憶している。
7月31日 サトウサンペイ(91)
朝日新聞の四コマ漫画「フジ三太郎」の連載を1965~1991年と長期で連載した。
8月7日 みなもと太郎(74)
みなもと太郎は朝日の「亡くなった方々」に載っていない。でも自分にとっては今年亡くなった方の中でも最重要な人物だった。
8月17日 笑福亭仁鶴(84)
関西落語の重鎮。かってはラジオの深夜放送のDJや若者向けの公開バラエティ「ヤングおー!おー!」などで若者に人気があった。落語家でDJをやるということでは三枝とこの人がはしりだったかもしれない。
8月19日 千葉真一(82)
「キイハンター」、アクションスター。「仁義なき戦い 広島死闘篇」の粗暴なヤクザ大友勝利が一番印象的。
8月24日 チャーリー・ワッツ(80)
ローリング・ストーンのドラマー。ビートルズ・サウンドを支えていたのがリンゴのドラムだとすれば、間違いなくストーンズはチャーリー・ワッツのドラムなくして成立していなかったか。
9月6日 ジャンポール・ベルモンド(88)
多分、60年代にはアラン・ドロンを遥かに上回る人気俳優だった。ゴダールの「勝手にしやがれ」「狂気いピエロ」に出演。ヌーベル・バーグの代表的なスター俳優だった。
9月7日 色川大吉(96)
日本近代史の大家、自由民権運動など民衆史はこの人によって確立したともいえる。
9月24日 さいとう・たかを(84)
「ゴルゴ13」、「サバイバル」、「無用ノ介」などなど。自分が少年時代に愛読したマンガ家がほとんど鬼籍に入ってしまったんだなという淋しさが募る。
9月30日 すぎやまこういいち(90)
東大卒、フジテレビのディレクターを経てマルチな作曲家に。主にタイガースへの楽曲提供を覚えている。晩年はネトウヨというか反動的な言説で知られ、なんとなく晩節を汚してるような気がした。
10月7日 柳家小三治(81)
小さんを継がず小三治のままで終わった。小三治という中堅どころの名跡を大名跡にしたのはこの人だったからこそか。自分が10代から20代、落語をよく聴いていた頃に活躍していた人が亡くなるのは淋しい。
10月8日 白土三平(89)
漫画界の巨人だった。「忍者武芸帳・影丸伝」、「サスケ」、「真田剣流・風魔」、「カムイ伝」、「カムイ外伝」など。今でも時々読み返している。
10月12日 中根千枝(94)
社会人類学者。講談社現代新書『タテ社会の人間関係』はロングセラーだった
10月18日 コリン・パウエル(84)
黒人初の参謀総長そして湾岸戦争を指揮し後に国務長官を務めた。共和党系でこの人が初の黒人大統領になるかと思わせた時期もあった。
10月29日 太田淑子(89)
声優の草分けの一人。「ひみつのアッコちゃん」か。
11月9日 瀬戸内寂聴(99)
実はきちんと読んでないかも。ドロドロとした恋愛ものが多かったような印象。尼さになってからは実はあまり関心がなかった。
12月8日 古谷三敏(85)
「BARレモンハート」、「寄席芸人伝」など、何度読み返しただろうか。