ネットワークオーディオになんとなく興味があってなにかいい機器はないかと物色を始めた。とはいえ有線LANでNASと接続してNASの音源を再生するといっても、そもそもNASがない。家では無線ルーターにマックのTimeCapsuleを有線で繋ぐという変態的なことをしている。なので無線ルーターが二つあるようなことになっている。そのTimeCapsuleにはWindowsの外付けHDDに保存しているiTunesの音源をバックアップしてたりもする。
ちなみ外出の際によく持っていくMacbook airにiTunesはファイルをこのTimeCapsuleに設定しているので、家でMac使って何かするときのBGMは無線でTimeCapsuleの音源を聴いてるとか、まあそんな感じだ。
自室でメインで聴くオーディオはパイオニアのFILLというミニコン。これの中古を買ったのが2007年のことである。
もともとは2000年に発売されたものらしく、当時フルスペックだと軽く15万くらいになったという代物らしい。とはいえ中古でもなかなかの音を聴かせてくれる。途中1回、CDがまともに読めなくなって修理に出して2万くらいとられたけれど、それ以外は問題なく使えている。
さらにいえばIpodとオーディオを接続したくて、これはパイオニアよりもオンキョーの方が相性がいいということで専用ドックDS-A1というのを購入。さらに中古ミニコンFR-155Aを購入して使っている。
普段使いとしてはCD等を聴く場合はFILL、ぶっ通しでIpodの音楽を流し続ける場合はオンキョーのFR-155Aというような使い方をしている。ちなみ基本的にヤフオクジャンキーなので気がつくとFILLもFR-155AもDS-A1もそれぞれもう1機ずつ買ってリビングとかでも使ったりしている。
なのでIpodのデジタル音源をアナログでミニコンに流すというやり方でずっときてる。それで問題はないんだが、出来ればIpodを通さず直にHDDのファイルなりをオーディオに流せないかという設問にはまってしまった訳。
調べると、その手はネットワークオーディオという範疇になり、現在の基本は有線もしくは無線あるいはBluetoothによりNASの音源を再生するということになっているようだ。しかしそうなると今持っている20年もののミニコンでは対応は多分ダメということになる。なのでかなり古い型落ちのネットワークオーディオを物色してみる。するとすぐに見つけたのがこれ。
N-30 | ネットワークオーディオプレーヤー | 単品コンポーネント | オンキヨー&パイオニア株式会社
発売は2011年と相当に古い。でもヤフオクとかでみるとだいたい1万2千円から1万5千くらいで落札されている。なので今週の頭くらいからトライしてみたのだが、まあ四六時中PCの前に座ってということもないので、時間切れ寸前でかっさらわれることが多くうまくいかなかったのだが、木曜にようやくゲットして届いたのが本日。
早速FILLにアナログで繋いでみたのだが、さてそれでは音源はということで全面USBからいろいろと試してみる。まずIpodなのだが手持ちでメインで使っている160ギガのclassicは対応していないアクセサリーということでダメ。64ギガのIpod touchはどうかというと、こっちは難なく再生できた。それでは次にUSBメモリはどうかというとこれはまったく読み込みができない。「ナゼダー」という心の雄たけびを上げる。次に手持ちの外付けHDDを試してみるも、これも読み込み不能。
そこでネットでいろいろと調べてみるとN-30が対応しているフォーマット形式はFAT32という旧式のものだけ。最近のフォーマット形式はだいたいNTFSかexFATだからN-30で読めるようにするためにはフォーマットから始めなくてはいけない。でも最近のWINDOWS10だとフォーマットにFAT32なんてない。若干途方にくれつつもまたネットでググるとHDDメーカーでフォーマット・ユーティリティが無償で提供されている。そこでIOデータのサイトからその手HDDFMTというソフトをダウンロードしてみる。これ使うと目出度くFAT32でフォーマット出来た。
それから外付けHDDに入っているiTunesのファイル、曲にして約1万曲強をFAT32でフォーマットしたHDDにコピーする。時間にして30分くらい。仕方ないのでその間に家の掃除なんかしてみる。
コピー完了したらN-30とHDDを繋いでみる。と、無事読むことが出来た。で、早速再生してみるときちんとFILLを通して音が聴こえる。音は思っていたよりもかなり良い。基本アナログで繋いでいるのでデジタル的な再現力はない。まあ元々の音源がiTunesだしね。それでもかなりクリアな感じでこれは少し想定外だったかも。
ただし問題が幾つか、しかもかなり致命的な問題がある。それは選曲するのが途方もなく大変、とにかく使い勝手が非常に悪い。iTunesはHDD内にCDごとにフォルダを作る。同じアーティストだとまずアーティストのフォルダがありその下位にCDごとのフォルダができる。iTunesやiPodでの操作だとそのフォルダ間を難なくクリアして曲を連続再生したりシャッフルできる。それがN-30だとまったくできない。シャッフルが聴くとのは同じフォルダ内だけだ。
さらにいえばiTunesで作ったプレイリストもまったく機能しない。なので普段できているジャズだけのノンストップシャッフルとかクラシックだけの曲順再生といったことがまったくできない。これはちょっと困ってしまった。結局、CDが数千枚入ったHDDをマニュアルで選んで聴くというそういうかなりアナログチックなことになってしまう。まあ考えようによっては、あくまで便宜的ではあるけど、これまでシャッフルでノンストップで聴いてきた音楽をもう一度かってのようにCD単位で1枚通して聴く、そういう楽しみ方をしていくということだ。
かなりの想定外、設定やHDD、USBメモリの接続と対応などでのグダグダはあったにせよ、とりあえず音楽生活がまた一つ豊になったような気がする。まああくまで幻想と小市民的満足でしかないのだが。