岩下新生姜ミュージアム

 勢いでつい来てしまった岩下新生姜ミュージアムである。

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岩下の新生姜ミュージアム|栃木県栃木市 新生姜のあるシアワセを感じるミュージアム|岩下食品株式会社

 ただのシャレで作ったような施設なので、ただのシャレで観に来たのだが、そこには多分かなり入念なコンセプト作りと企業戦略があるのかもしれない(多分、ないと思う)。実際、すべてが笑かし、頑張っているので笑ってください的であり、本気度よりはユルさ。そのユルさを許容できるかどうかにすべてがかかっているような気がする。

 実際のところ生姜=ジンジャーなので、ジンジャー神社である。

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 もう突っ込む気もない。カオスといってしまえばカオス。ただしこれで岩下新生姜を嫌いになるかといえば、それはない。もともと生姜の漬物など、さほど意識する人は少ないだろう。漬物好きな家ではリピーター的にご贔屓しているところはあるだろうが、それ以外の人間がどれほどこの生姜を甘酢に漬けた食材に注意を払っているか。

 食卓に出ていればちょっとは箸をつけるだろう。でもけっしてメインではない。ある意味どうでもいいのだ。それがキュウリの浅漬けに取って代わられようが、野沢菜漬であろうが、本当にどうでもいい。

 しかし、いったんこのミュージアム(といえるかどうか)を訪れたものには、強烈な印象を焼き付ける。これからはスーパーの漬物売り場を通る際には、生姜の漬物に目がいく、おっ、岩下新生姜ではないか、けっこう頑張っているなと。そして二回に一回くらいは手に取った袋詰めのそれを棚に戻すことなく、カゴに入れてしまう。

 なんたってピンクの殿堂である、アルパカもどきのヌイグルミやピンクのギターな訳であるのだから。

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 自分自身、Twitterで流れてきたこの施設のネタに面白がり、そのツィートをリツィートする岩下の社長のツィートにまた面白がり、一度行ってみるかということになる。そして一度ここを訪れれば、別にリピーターになることはないとしても(リピーターがいるのか)、岩下の新生姜を認知し、他の漬物群と差異化できてしまったのであるから。

 これは様々な意味でマーケティングの勝利ということになるのではないのか。このユルいアミューズメント施設はある意味ビジネスモデルとしての成功例になるのかもしれない。しかしなんでもかんでもこうやってユルい施設を作ればいいということではない。チープでありながら、可愛く、そしてとことんバカバカしくなくてはいけないのだから。

 とはいえそれなりの真剣さで新生姜の歴史が学べたり、新生姜を使ったレシピの紹介など、そこそこの有益性もきちんと確保されてはいるのである。これは生半可のことではない。地方の中堅企業の本気度、したたかさも透けては見えるのである。

 こうした展開を行なっている岩下食品の現社長はもともと銀行出身の二代目か三代目という。かなり賢い戦略家のようだ。とはいえ自分のような少しだけ年齢が上の者しても、この企業家、その音楽趣味の部分だけでけっこう親和性があったりする。

 このミュージアムでは頻繁にミニコンサートが開かれているとのことで、その時のポスターがたくさん貼ってあるのだが、昨年にはなんとダニエル・ビダルもここでミニライブを行なっているという。あのダニエル・ビダルである。

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