東京富士美術館へ行く

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 家から一番近い美術館(車で)、東京富士美術館に行って来た。

 現在、開かれているのは「ムーミンコミックス展」。

ムーミン童話の原作者トーベ・ヤンソンによるムーミンコミックスは1947年にスタート。1954年イギリスの「イブニング・ニューズ」紙で連載が始まり、弟ラルスの協力を得て、20余年にわたり続きます。
本展ではムーミンコミックスにスポットを当て、日本語未翻訳となっているストーリーやコミックスだけに登場する個性的なキャラクターの設定画やスケッチ、原画など日本初公開となる280余点を紹介いたします。

 6/18~8/28までの開催で夏休み、子ども向けイベントというところか。富士美は夏には、こういう企画が多くてこれまでにもピッピ展とかプリンセス展とかやっている。ムーミンについては、富士美ではないがムーミン展、トーベ・ヤンソン展などが、数年おきに開かれている。どこかでその手の展覧会を観た記憶があるのだが、はっきり覚えていない。

 ムーミンは特に嫌いでもないが、あまり関心もない。なのでこの企画展は流す感じで15分程度できりあげた。コミックの原画もじっくり観ると面白そうなのだが、到着したのが3時少し前だったので、正味2時間、出来ればじっくり常設展示を観たいと思った。

 こちらがあまり知らないだけで、富士美の常設展には何気に凄い作家の作品が多数ある。まず入ってすぐ右側にはヴェネツィア絵画の基盤を作ったといわれているジョヴァンニ・ベッリーニ

「行政長官の肖像」 (ジョヴァンニ・ベッリーニ

 ジョヴァンニ・ベッリーニ(1430頃~1516)。父ヤコブ、兄ジェンティーレとともに画家一族をなし、光と色彩の精妙で複雑な描写によって抒情性のある絵画を描き、ヴェネツィア派を形成するきっかけとなったという。彼の工房からジョルジョーネ(1476/78~1510)とティツィアーノ(1488/1490~1576)が出ている。

「山岳風景」(アルブレヒト・アルトドルファー)

 アルブレヒト・アルトドルファー(1480頃~1538)は、ドナウ川流域で活躍した「ドナウ派」を代表する画家のひとり。緻密な描写と巧みな遠近法表現の調和、人物とその背景の風景の構成方法に独創性を発揮した。アルトドルファーはクラナーナハらの作品から風景描写が独立する可能性を見出したとされ、宗教改革によって聖像の価値が低下し聖像破壊運動が起きる時代的背景のなかで、最も早くに風景画を手掛けた一人。

 

リナルドとアルミーダ」(ニコラ・ミニャール)

 17世紀フランス宮廷画家。弟のピエール・ミミャールは当時のフランスを代表する画家の一人。

ヘラクレス・エピトラペジオス(卓上のヘラクレス)」1-2世紀(ローマ時代)

 ギリシア時代の著名な彫刻家リュシッポス(前4世紀~末)の模刻品。リュシッポスは1500点もの作品を制作したとされているが、現存するものは一切なく、現在はローマ時代の彫刻家によって模刻された作品(ローマンコピー)があるのみ。これもそうした模刻品の一つ。 

「ジョフラン夫人」(ジャン=マルク・ナティエ)

ジョフラン夫人 | ジャン=マルク・ナティエ | 作品詳細 | 東京富士美術館

 ナティエはロココを代表する肖像画家。貴族の夫人を多く手掛けており、富士美にももう1点同じような構図の作品があったと思う。この手の作品はパターン化されているのだろうけど、ドレスのドレイパリー表現などきわめて魅力的。

 マイヨールは女性の裸体像を唯一のモチーフとしたという。いわれてみればけっこうあちこちの美術館でのマイヨールの作品を目にする。この作品も何度も目にしているが、よく観てみると本当に美しい作品。近代ヨーロッパの彫刻はロダンブールデル、マイヨールを押さえておけばいいかなと思っている。まあニワカの自分にとってはという註釈付きになるけれど。

「春」(マイヨール)

マイヨール越しのマネとルノワール

同じくマイヨール越しのモネ、ピサロ、ヴーダン

「散歩」(マネ)

「ヴァイオリンのあるマルト・ルバスクの肖像、サントロペにて」(ルバスク

「画家のアトリエからの眺め」(アンリ・マルタン