兄、退院する

 20日に病院から電話があり、兄が今日退院することになったとのこと。その後、本人からメールも来た。入院したのが9月の28日だったからほぼ4週間である。もともとは検査入院のはずだったのだが、壊死した足の親指の切除と心臓にペースメーカーを入れる手術を受けたので長期の入院になってしまった。入院費は後日ということなんだが、いったいいくらかかるのだろう。

 朝、9時に来てくれれば退院の手続きに入れるということだったが、病棟に向かうと兄はまだ着替えをすましていない状態。そこから身支度を手伝いなんだかんだで病棟を後にしたのは10時半過ぎになった。兄、右足親指を切除したのだが、割と普通に歩くことができた。

 昔、自分で自分の足の親指を切断した男が、足をひきずって歩いているというのを映画で観たことがあった。確かボニーとクラウド、『俺たちに明日はない』だったか。あれの記憶があったので、歩行もけっこう大変かと思っていたのだがそうでもない様子だった。

 その後、一月近く入院していたので、食料品とかを買ってやり昼食をご馳走してから兄の家に向かった。そこで買ってきたものを整理したりしていると、兄の足からけっこうな出血がある。これがまったく止まらないでずっとポタポタとして床に血だまりが出来る。聞けば、ずっと血をさらさらにするワーファミンという薬を使っているのだが、二、三日前に薬を止めたばかりだという。

 病院で処置してあったガーゼ、包帯類は血まみれ状態なので、それを取って新たにガーゼを当てるのだがすぐさまそれも血だらけになる。仕方なく病院に電話すると圧迫して止血する以外にないという。元々血とかにあまり強くないし、傷の処置とかもあまりうまくできない自分がなんでかと思いつつも、とにかくなんとかしなければと、再度新たにガーゼをあて包帯をぐるぐる巻きにしたうえで切除した部分の少し上を圧迫し続ける。15分くらいそうしているとどうにか出血は止まったみたい。

 その後で、近くのドラッグストアにガーゼ、包帯類の予備を買いに行く。帰ると兄のケアマネさんが来てくれていて、自分がかなり適当に処置したところに新たにガーゼを当てて包帯をきれいに巻いてくれた。ケアマネさんはこういうことに長けているのかと、けっこうびっくりした。

 それから今後のサービスのこととかを相談してケアマネさんは帰った。その後で自分も多少心配ではあったが、かといってずっと兄の世話をその後ずっと続ける訳にもいかないので帰ることにする。いちおう夕方には訪問看護の担当の方にも来てもらうように手配だけはした。

 しかしいくつになっても出血とか怪我の処置とかは苦手、とにかく苦手である。こういうのはなかなか慣れないと思うし、出来れば慣れたくもないと思っている。