シェリル・クロウ「100 MILES FROM MEMPHIS」

100 Miles from Memphis

100 Miles from Memphis

  • アーティスト:Crow, Sheryl
  • 発売日: 2010/07/20
  • メディア: CD
2010年に出たシェリルの一番新しいアルバム。今さらながらにゲットした。メンフィスから100マイルというアルバムはミズリー出身のシェリルにとってのメンフィスからの物理的距離でもあり、メンフィス・サウンドへの憧憬とかを表わしているとか、いろいろな説がありそうだ。サウンド的にはこれまでのシェリルのそれとはまったく別ものである。もう全編ブラック・ミュージック、ソウル・サウンド満載。ある意味での企画モノぽい作りである。
アルバム表題のメンフィス・サウンド的なノリよりもどちらかといえば、デトロイトモータウンサウンドを意識した作り。そこにレゲエとか様々な要素も取り入れている。いずれにしろ、シェリルの私はこういう音楽聴いてきましたみたいな思い入れたっぷりの作品。しかしボーナストラックの1曲を除いて総ての曲がシェリルの手によるオリジナル。ようはアレンジがすべてソウル調ということ。
1曲目の「OUR LOVE IS FADING」からして、完全なモータウンサウンドシュープリームスダイアナ・ロスジャクソン5時代のマイケル・ジャクソンを諸に意識した唱法、サウンド。そして最後のボーナストラックが「I WANT YOU BACK」。これをジャクソン5の完コピで演奏している。CDのライナーでは FOR MICHAEL WIHT LOVEのコメントが寄せられている。
そんなことを考えると、このアルバム、実は全編通して前年に亡くなったマイケル・ジャクソンへの追悼版なのかとさえ思わせる。元々マイケル・ジャクソンのバックコーラスがキャリアの最初にあったシェリルである。彼女なりのMJへのリスペクト、思い入れがあったのかもしれない。そしてきっちり一枚のアルバムを通してMJへの思いを表現したと、まあ単なる推測だけど。
しかし彼女の感性はこうしたある種の企画モノであっても若々しい。おまけにこのアルバム曲を中心としたライブではそれこそ膝上30cmくらいの超ミニスカはいて頑張ってくれている。とてもまもなく50の女性にはみえない。この人はどんどん若くなっている、綺麗になっているみたいな感じさえする。なんか角がとれて、いきがりとかもなくなって、普通に人生をエンジョイして、音楽をエンジョイしているみたいな感じさえする。出来れば近々にまたこのミニスカ・バージョンで来日してくれないだろうか。

ちなみにジャクソン5の完コピ、ホワイトハウスオバマの前でもパフォーマンスしてたりもする。いや素晴らしいね。