デレク・トラックス

つい最近聴き始めた。なんでもローリング・ストーン誌によればジョン・メイヤージョン・フルシアンテと並ぶ若手三大ギタリストの一人だとか。ジョン・メイヤーは普通に好きだし、アルバムは全部持っている。フルシアンテはレッチリのギタリストだとか。レッチリはここ5〜6年ほとんど聴いていないか。一時、ずいぶん聴いた時期があるにはあるのだが、そのギターといっても実はあんまり印象がない。
だいたいにおいてそのローリング・ストーン誌の選ぶなんとかというのが、個人的にはけっこう気に入らないものばっかり。昨年だったか「史上最も偉大なシンガー100人」とかが発表されたけど、どうにも納得がいかなかったな。なんでアレサ・フランクリンなのみたいな感じ。エラもシナトラ、ビング・クロスビーメル・トーメもビリー・ホリディもリナ・ホーンもいない。なんつうか偏り過ぎみたいな印象だったか。
まあいい、デレク・トラックスである。Youtubeとかでブルース・ギターとかを数珠繋ぎ的に見ていてひっかかった。なかなかにカッコイイ。オールマン・ブラザーズのドラマー、ブッチ・トラックスの甥っ子だとかで、その縁もあってか後期オールマン・ブラザーズのギタリストとして加入、めきめき頭角を現してということらしい。
とにかく超絶技巧系のスライドギターである。ピックをつかわないフィンガーピッキング奏法のためか、やわらかい音である。音楽的にはブルース貴重なのだが、ジャズ、フュージョンなども取り入れている。ブルース、サザン・ロック基調ながらアーシーな部分とは無縁、より洗練された演奏を繰り広げている。
とりあえず聴いてみたのは最新盤らしいのだが、ライブ音源を集めた二枚組である。

ライブ盤にしてはきわめてクール、知的でスタティックな印象だ。ただ通して聴くと若干ダレルかなと思わないでもない。なんか軽く聞き流せてしまう。演奏は巧み、曲もそこそこにいい。しかし際立って心に響くような曲、演奏は正直いうとあんまりないかな。イージー・リスニング的に音を少し抑えて流しておくのにちょうどいいかもしれない。
デレク・トラックスは自分のバンドとは別に、同じブルース基調のギタリストにしてヴォーカリストである配偶者のスーザン・テデスキとの双頭バンドを組んでいる。テデスキ・トラックス・バンドだとか。Youtubeで観ているとけっこう多彩な演奏している。そういえば2月にはこのバンドで来日する。東京、大阪、名古屋でライブを行う予定だとか。なんとなく興味あり、それほど日にちないがなんとか調整してライブ行ければいいななどと思う。
デレク・トラックスもスーザン・テデスキもすでに三十代半ばの中堅アーティストだ。若手でもなんでもないのだが、五十代のおっさんからすれば、もうこれは若手も若手。そのテクニックとか演奏を耳にすれば、それこそ恐るべき子どもたちみたいな感じでさえある。まあいいか、とりあえず五十代半ばのおじさんだって、テデスキだのデレク・トラックスだのも聴くのである。
とりあえずテデスキ・トラックス・バンドの中では、お気に入りの曲はこれ。

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