シェリル・クロウ&ジャクソン・ブラウン


へっへっへっ、行ってきちまいましたぜ。
一緒に行くつもりだった友人が都合で行けないとかあって、結局娘を連れて行きました。1時間学校早退させて。ある種の情操教育の一環ということもなく、単なるお供要員。まあ娘的には学校サボれて都内に出かけられて、ついでにコンサート。とりあえずしめしめみたいなものでしょう。
新宿厚生年金は昨年暮れに山本潤子を観にいったところ。けっこうこういうのって続くもんだねと小さく感慨めいたこと思っていたら、なんとこの歴史的なホールは3月いっぱいで閉館になるのだとか。外タレの公演は今回のシェリル・クロウジャクソン・ブラウンがラストなんだそうな。さらに予定されている最後のコンサートは松山千春になるとかという話だ。なんか偶然とはいえ、なんかある種の歴史の終焉に立ち会ったみたいな感じか。あんまり覚えていないけど、このホールではけっこういろいろとコンサート観ているはずなんだよな。なんか淋しいね。
厚生年金の箱モノはあちこちで閉館、売却が続いているという。例の社会保険庁改革の一環なのかもしれない。新宿のここはなんでもヨドバシカメラが120億で購入取得したのだとか。カメラ博物館にするということらしい。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100309ATDD0809S08032010.html
さてコンサートである。入場してすぐにグッズ売り場に。せっかくだからプログラムぐらいは買おうと思っておりましたが、なんとプログラムはシェリル・クロウジャクソン・ブラウンそれぞれ別個にあり各2000円。瞬時にシェリルを選択。横で娘が「パパ本当に買うの」と妙につっこむ。気がつけばプログラムと4000円のオーガニック・Tシャツゲットしている。勢い、雰囲気に呑まれた感じである。

昔はコンサート・グッズなんてプログラム以外はほとんど買ったことがなかったのに。記憶に残る範囲ではグッズ系で唯一買ったのはエーチャンのタオルくらいだ。あれをコンサート中に何度も空中に放るのが好きで、好きで・・・。それを思うとなんか隔世の感というか、私もコンサート会場でTシャツ購入するまでに成り上がったという小さな感慨が・・・・、あほらしい。まあ完全に勢いだったかな。
席はステージから向かって左側で前から8列目となかなか良い席。オペラグラスを持参したけど、ほとんど必要ない距離である。そしてはじまりはじまり。
第一部はジャクソン・ブラウン。61歳になるというけど、雰囲気、スタイル、声などは、遠目には昔のまんまという感じだ。もちろんオペラグラスでアップを確認するとやっぱりそれ相応のじいさん顔になっているけど。
曲はというと、実はジャクソン・ブラウンはあまり聴きこんでいない。「LATE FOR THE SKY」「THE PRETENDER」といったヒット曲しか知らないのである。メンバーはギター、ベース、ドラムス、キーボードの4人がバック、ジャクソンを入れたクインテットというこじんまりした感じ。これにバック・コーラスが2人。パワーはないけど、全体としてしんみり落ち着いた雰囲気だったと思う。

KEVIN MCCORMICK (b)
MARK GOLDENBERG (g)
MAURICIO LEWAK (ds)
JEFF YOUNG (key)
ALETHEA MILLS (vo)
CHAVONNE MORRIS (vo)

曲はあんまり御馴染みでないものばかりだったけど、なんかフォーク・ロックの王道いっているなという感じで良かったと思う。と気がつくと隣で娘は爆睡こいている。そういえば前夜はピアノ・レッスン、それが終わってから塾。9時過ぎに帰宅後夕食。それから2時近くまで宿題やっていたりした。なんでも一人づつ自分のことを綴った絵本を作るというもので、いわゆる一つの卒業記念ものらしい。まあ前日そういうハードな生活送ったところに、ジャクソン・ブラウンのしみじみ音楽は心地よい子守唄になってしまったのだろう。
時間はきっちり1時間半、7時過ぎにスタートして8時半ちょい過ぎに終了。ラストはお約束の「RUNNING ON EMPTY」。ここでうようやく会場ほぼ全員総立ちになった。その後でシェリルがゲストで登場。彼女だけでなくシェリルのバックバンドメンバーもみんな出てきてジャム・セッション風に、なんと名曲「TAKE IT EASY」をやったくれた。このイーグルスの代表的ナンバーは、グレン・フライジャクソン・ブラウンの競作であり、ジャクソンのコンサートでもよくゲストと一緒にジャムっているのをテレビとかで観たことがある。記憶に残っているのでは、確かリンダ・ロンシュタットが加わっていたのを覚えているのだが。
今回のジョイント・コンサートでは、御馴染みの演出なのかと思っていたのだが、調べてみると、コンサートの最後アンコール・ナンバーでの二人の共演というのが多くて、昨日のように途中での共演はあんまりないのだとか。ただ前日の東京フォーラムでのコンサートも同じだったらしいけど。
後、どうでもいいけどジャクソン・ブラウンのバック・コーラスのお姐さんの二人ともけっこう太目でボリュームたっぷりだったのだが、そのうちの一人がなんとなく妊婦さんぽかった。なんかちょっと面白かった。そういえばコーラス隊は普通立ちっ放しで出番以外もリズムとって踊っていたりというのが普通なんだけど、この人たちは出番以外でちょっとしんみり系のジャクソンの歌が始るとイスに座っていたりした。そういうのを観ていると、やっぱりかたっぽのほうは妊婦さんかなとも思った。
一部終了後、インターミッションが10分少々あったか。寝起きの娘にはトイレに行かせて、自販機で売っているアイスを食いたがったので与える。やや復活してくる。そして二部の開幕、いよいよシェリル登場。
彼女のアルバムはほぼ全部持っているし、ここ半年くらいのところではけっこう集中して聴いている。だからほとんどすべての曲に馴染みがあるのだが、今回のライブはやっぱりヒット曲中心。本当に御馴染み曲ばかりという感じである。もっともヒット・メーカーだから、繰り出す曲、持ち歌がみんな御馴染み曲というのは当たり前といえば当たり前なのである。
幾つか今回のツアーライブを聴いた人のブログとかを読んでみると、けっこう毎回やる曲がちょっとずつ違っているし、ヒット曲の順番もバラバラなようだ。記憶違いがあったらごめんなさいだけど、オープニングは確か「IF IT MAKES YOU HAPPY」だったかな。知ってる、知ってる、オーみたいな感じだった。で、次にやったのが「STEVE McQUEEN」。このロックンロールナンバーで一気にヒートアップかと思いきや。会場ではいきなりの総立ちということはなく、まばらに立ち上がり組がいるという感じ。
やっぱり料金が高いこと、年齢的にも私のようなけっこう年配系が多いからなんだろう、席に座ってじっくり聴きたい人が多いのだろうか。しかも客層が明らかにジャクソン・ブラウン派とシェリル・クロウ派にきっちり分かれているみたいだ。後さらにウォッチングを続ければ、招待券が手に入ったとかなんとかの明らかになんでここにいるんだろう、俺、私みたいな方々も所々に見受けられたかな。
ジャクソン・ブラウンのしみじみ曲を心地よく親しんでいるいる方々には、明らかにシェリルのナンバーは若干騒々しいのだろう。それに対してシェリルのファンからすると、ジャクソン・ブラウン、誰、そのおじいさんみたいなことなんだろう。70年代のスターと90年代のスターのコラボなわけでこのへんはいたし方ないのだろう。こういうのは例えばキャロル・キングジェームス・テイラーのコラボあたりだとまずないのだろう。想像だけどあのツアーの客層は鉄板でジジババ中心だと思う。
私も実は立ってリズム刻みながら観たいところなんだけど、立ち組みが会場上でとにかくまばらなわけで若干躊躇していた。といいつつやや前の方に数人の立ち組みがいて、けっこうステージ上、とくにシェリルの姿が観にくかったりもしたので、途中「my favorite mistake」で一度立ち上がったのだけど、すぐに座ってしまった。次はやや後半部分からようやく遅まきながら的に立ち上がりました。
シェリルはスタイルはいいし本当に若々しい。49歳には絶対に見えないね。歌もパフォーマンスもエネルギッシュでパワフル。ただノースリーブで両手広げたりすると腕周りがなんとなくポチャポチャっとしてて、少しだけ女の二の腕みたいな感じがあったか。
バックバンドは基本的にはジャクソン・ブラウンのところと同じ構成の4人にシェリルが加わる。シェリルはエレキギター弾いたり、アコギ弾いたり。後半はずっとベースを弾いていたかな。エレキを後ろに回してのパフォーマンスもライブDVDとかで御馴染みなんだけどやっぱり生で観るのはいい。

TIM SMITH (g&b)
PETER STROUD (g)
MIKE ROWE (key)
JEREMY STACEY (ds)
STEPHANIE ALEXANDER (backing Vocal)
NAYANNA HOLLEY (backing Vocal)

音的にはジャクソン・ブラウンの時よりも厚め大きめ。この器でこの音量はけこうくるけど、大好きだからかえって心地よい。ジャクソンの時は寝ていた娘もけっこうノリノリで聴いていた。バンドもけっこう若々しく、特にギターのピーター・ストラウドはノリノリで良かったな。
途中でシェリルがジャクソンのことは話して、「He is MY Teacher」とか「My master」と言っていた。それから再びジャクソン・ブラウンが登場して二人のデュオ。バラード系の曲でネットでググると、おそらくエルビス・コステロのナンバーらしいとか。二回も二人のセッションがあるだけでなんとなくめっけものというか得した気分だ。
コンサートの後半はもう完全にヒット曲メドレーみたいな感じ。ラス前が「ALL I WANNA DO」でラストが「EVERYDAY IS A WINDING ROAD」。これって私的にはこうあって欲しいという流れで、つぼ所にハマリまくって正直しびれた。このあたりではほぼ会場中が総立ち状態。といいつつそうでない人もけっこういる。明らかに乗れない人たちだな。帰りに娘がこんなこと言っていたっけ。
「パパの隣にいた女の人、ずっとつまんなそうに椅子に深々座ってた。あれはたぶん隣でノリノリだった彼氏に無理やり連れてこられたんだよ」
って、お前はコンサートの間どこ見ているんだ。
ラストにみんながよく知っている初期の大ヒット曲やってしまって、アンコールでは何をやるのだろうと思っていると最初が確か「A CHANGE」だった・・・・、と思う(違ったかな)。その次にしんみりと「I shall believe」おお、こういう落とし込みでしんみり終了かと思いきや、さらにもう一曲である。嬉しい・・・・、ツアー最終公演ということで、シェリル姐さんも頑張ってくれているようだ。で、最後の曲、うん?よく聴いたことがある曲だけど、これってシェリルの曲じゃねえよな。え〜と、確かレッチリでヒットした曲だよ、「HIGHER GROUND」です。もともとはスティーヴィー・ワンダーの曲。これを最後に持ってくるのが凄いね。おまけにバックコーラスの二人のお姐さんと三人で踊りながらこれやるのである。カッコイイの一言。
バックコーラスが一人づつソロをとって歌うところもあって、二人とも声量抜群。特に向かって左側でやっていたSTEPHANIE ALEXANDERがいい。美人だしスタイルもいいし。こういうバックコーラスにもソロをとらせてメイン張らせるところなんかは、さすが下積みが長く、自身もバックコーラスやっていたシェリルらしいところじゃないかなとも思う。
シェリルがそのキャリアのスタートをマイケル・ジャクソンのバックコーラスから始めたことはけっこう有名な話だ。今回のライブプログラムの表2冒頭の彼女メッセージもこんな文章から始っている。

Since my first trip to Japan in the late 1980' as a backup singer with Michael Jackson,I have always looked forward to returning each year to play.

全然記憶に残っていないが、たぶんこのマイケル・ジャクソンのライブも実は観ている。ただしスタジアムのバックネット裏の最上段の席だったから、バックスクリーン前のステージで歌うマイケル自身がほとんど点みたいな感じで、一緒に行ったガール・フレンドにも、「これってマイケルのそっくりさんがやっていてもわかんないね」みたいなこと話した記憶があるくらいだから、バックコーラスのシェリルなんかに気づくわけもなしというところだ。
まあ(なにが”まあ”かわからんが)、そんなこんなの「HIGHER GROUND」でコンサート終了。久々、大満足のライブだった。気がつけば時計は10時半を回っている。普通に新宿へ出るとほとんど11時くらい。池袋に回って、東武東上線の最終は11時48分。夕飯食べる時間もほとんどない。娘にそのことを言うと、東京でコンサート、帰りには回らないお寿司というイメージトレーニングができている娘はがっかりした感じ。
それでも電車の乗り継ぎ含めて最短で池袋に到着。正味30分前後食事する時間はあるとふんで西口のロマンス通りの歓楽街にくりだし、酔っ払いオヤジや若者たちの間をすり抜けながら最初に目についた寿司屋に入って即効食す。その店はメニューの入った注文用紙に注文を記入してオーダーする。しばらくすると皿に頼んだ寿司が載って店員が持ってくるところ。とりあえず娘のリクエストを聞きながら集中して注文。ほとんど寿司の一気食い状態で20分少々で終了。私が生二杯飲んだこともあるけど、20分と少しで7千円強と、けっこう食ったかな。
店を出てまた小走りで駅に向かいなんとか終電に間に合う。若葉駅に着いたのは1時を回った頃。やっぱり鶴ヶ島は遠いなとしみじみ実感した。
でも良かったよ、13000円は高いけど行って良かった。シェリルがまた来るようなぜひ行きたいと思う。それはそうとジョン・メイヤーが5月に来るんだよな。これもそそられるな〜。