本ときて、ビデオカセットとなると、次に整理するのはこりゃもうカセットテープしかあるまいとばかり、昨日から自室のあちこちあるテープやらグルニエにしまってあるものなんかを集めて捨てようと思っているのだが、懐かしさのあまりその幾つかをデッキにかけてしまったものだから、もうずっと懐かしのメロディー大会になってしまった。カセットとなるともう最古の者はおそらく15〜16歳の頃のものもあるから、35年くらい前のものもあるわけだ。で、またそれが聴けちゃうんだよな、まいった。
今かけているのは、おそらくFMからのダビング。いやその頃は一番使っていたのはオープンリールのデッキだったから、それからカセットにダビングしたものだろう。「涙は明日に」ジローズだろ、由紀さおりの「いきがい」があって、おそらくジョージ・ベンソンあたりの「恋の終列車」、これには女性DJの詩の朗読とかも収録してあったりする。続いてアグネス・チャンの「草原の輝き」、ポール・マッカートニー&ウィングスの「マイラブ」、ブレッドの「灰色の朝」、五輪真弓がスタジオで弾き語りしたキャロル・キングの「イッツ・トー・レイト」、グレン・キャンベルの「恋のフェニックス」、ジルベール・ベコーの「バラはあこがれ」、大滝龍一の「みだれ髪」、高木麻早の「思い出が多すぎて」などなど。こりゃ捨てられないよな。
いったいいつの頃のものだろうね。70年代のどこかで順繰りに取ったものを集めたんだろうな。アグネス・チャンもこの頃はトップ・アイドルだったんだよな。清潔感があって、上品な雰囲気、けっこう好きだったわけだ。
キャロル・キングの「イッツ・トー・レイト」はたぶん曲よりも先に譜面で見て気に入ったような印象がある。当時はギターの弾き始めで「ガッツ」だの「新譜ジャーナル」だので新曲の譜面見るのが好きだったんだよな。この曲はジャズっぽい雰囲気で、こういうのを好きになるっていうのはジャズとか好きになる素養が昔からあったのかしらんと思う節もあるな。キャロル・キングは先ごろ来日して、若い女性シンガー二人とジョイントでコンサートを開いていたようだな。TVのCFでこの「イッツ・トー・レイト」のところが流れていたけど、最早60代半ばくらいでしょこの人。けっこう良い歳のとり方しているみたいだな。かっての歌姫にして早熟な天才ソング・ライターの面影しっかりあるものな。
ブレッドの「灰色の朝」は、「ギターマン」と並んで一番好きなヒット・チューンの一つ。アップテンポでリズムギターがやたらかっこいい。日本のヒット・チャートではベスト10入りしたのになぜかブレッドのベスト盤には収録されていない曲なんだよな。こうやって聴いてみるとブレッド=フォークロックの王道みたいなことをしみじみ思うよ。
ラベルには書いてなかったのになぜかディランの「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」なんかも入っている。これもラジオからのダビングだな。深夜にヘッド・フォンとかでこれを聴いていたんだろうな。暗く侘しきセブン・ティーンっていうところだろうか。聴いていた時の、あるいは録音した時のシチュエーションはほとんど記憶に残っていない。でも、こういう曲を一人で聴いていた切ない思いみたいなもの、そういう雰囲気というかそんなものだけは蘇ってくる。なんとなくだけどね。そして今は最後の曲、「思い出が多すぎて」(高木麻早)がかかっていたかと思ったら、その後に自分の歌が入っていてビックリ。自作曲だな、これは。ああ恥ずかしい・・・・。