ニューロリハビリテーション(神経リハビリ)

今日の朝日の25面医療欄に神経リハビリについての記事が載っていた。目下の最大関心事でもあることなので朝の忙しい時間帯なのに熟読してしまった。長くなるけど引用しとく。

研究進む 神経リハビリ
脳卒中などの後に、手足のまひで悩む人は少なくない。命令を送る脳の神経回路に起きた障害が原因だ。脳は一度損傷を受けると治らず、まひの回復も望めないと考えられてきた。しかし、脳の一部が損傷しても、別の部分が肩代わりして働きを補う仕組みがあることが分かってきた。こうした考えの下、脳機能の改善を意識して訓練をする「ニューロ(神経)リハビリテーション」の研究が進んでいる。その試みを紹介する。(行方史郎)
積み木など集中して
「10年ぶりに、右手でごはんを食べました」
10年前に脳梗塞を起こし、右半身にまひが残っている兵庫県尼崎市の女性(65)は満足そうにいう。つえを使えば歩けるが、右手はわずかに手首や指の関節が動く程度だった。
それが今年2月、兵庫医科大病院(兵庫県西宮市)で「CI療法」というニューロリハビリを受けたところ、以前より関節が動かせるようになった。
通常のリハビリでは、まひしていない手足を使って日常の生活動作をできるように訓練することに主眼が置かれがちだ。
これに対しニューロリハリビリはまひした手足を、「動かしている」という意識を持って半ば強制的に動かし、脳に働きかけるといったものだ。
その一つがCI療法。一定の基準を満たした患者で、まひのない方の手を三角きんで固定し、まひしたてで積み木などの単調な作業を、短期間に集中して行う。
つい使ってしまいがちな使える側の手を強制的に使えなくすることで、使えない手への意識と運動命令を集中させる。「訓練では課題克服の達成感があることが大切です」と、道免和久教授(リハビリテーション医学)はいう。
入院して1日5時間の訓練を10日間続ける。脳卒中から3カ月〜14年たった患者25人を対象に、手を使った動作の素早さや滑らかさを評価する指標で訓練による効果を調べたところ、23人で改善がみられた。
日本脳卒中学会の「治療ガイドライン」(04年)でも勧められているが、実施している病院はほとんどない。道免教授によると、ノウハウが普及していないことに加え、医療保険で認められていないので病院側の負担も大きいという。兵庫医科大病院の予約も、10ケ月先までいっぱいだ。