子どもの引っ越しのお付き合い④

 3日、4日と連続で千葉の子どもの新居まで荷物を届けた。これでほぼ子どもの部屋で当面生活に必要なものから、子どもの趣味のものまでだいたい搬出した。その都度、妻が一緒に行きたいというので当然車椅子を載せていく。そうなると我が家の小型ミニバンでは積載量に限界がある。結果として何度も行くことになる。一回の往復でだいたい180キロくらいになる。まもなく65になるという人間にとってはこの往復もひょっとしたら寿命をなんぼか縮めることになっているかもしれない。

 そして今日、子どもがそれまで友だちとシェアしていたアパートに残っていた自転車を一人で回収して新居まで届けてやった。ミニバンは三列目を全部たたむとなんとか自転車を積むことができる。2時半くらいに自宅を出発して自転車を積んだのが3時頃。千葉の新居のある団地に着いたが5時近く。それからとんぼ返りして家に着いたのが6時半くらいだったか。

 試しにここ一ヶ月ちょっとでどのくらい千葉まで行ったかと指を折ってみたら、なんと9回になる。これもちょっと驚きである。一回往復180キロだから1600キロちょっと。ガソリン代やら高速代やらを数えるとどのくらいになるのだろうか。まあいいか、これでもう引っ越し騒動も一段落というところだ。

 帰ってから子どもの部屋を見ると、まだまだいろんなものがあり、ガラーンとした部屋ではない。それでも子どもの不在感はひしひしとしてくる。ベッドもそのままだし、本棚には買い与えた児童書の類がけっこう入ってる。机には大学の教科書やノートなんかもある。ものはあっても心理的にはやはりガラーンという感じがする。

 引っ越した当初はベッドもなく、ベッドが欲しい子どもは布団を積み上げてそのうえで寝ていた時期があった。ああいうのは可愛らしくもいじらしいものがあった。

 子どもの成長は早い。この家に引っ越してきたのは14年前、子どもは小学4年生だった。それから中学、高校、大学とあっという間に月日が経った。まあ多分、もうこの家に戻ってくることはないのかもしれない。じょじょに子どもの残していったものも少しずつ処分していくことになるのかもしれない。子どもの成長と旅立ち、まあそういうものなんだとは思う。