身近に海がある風景

 昨日、久々子どもが家に来た。

 それなりに刺身とか煮物とかケーキとかでもてなしてやる。

 新生活もまあまあ順調なようだし、仕事も取り合えず真面目に続けているようだ。

 職場の関係で月末には1回目のワクチン接種が出来るという。SEの卵なんだが、勤務している現場が大手の金融系なのでその関連で受けられるらしい。20代でワクチン接種が出来るのはかなり早い方だと思う。やっぱりこういうのも企業格差みたいなものあるんだろうか。大手とその関連は早目に受けられるみたいな。

 今日は早目に帰るというので送っていくことにした。「せっかく新車なんだし、どうせ暇でしょ」という強弁に抗う術もなし。妻はお出かけできるのでウキウキだし。

 3月に越した新居はけっこう落ち着いている。一応寝室があったのだが、ベッドをリビング側に移してあった。エアコンがそこにしかないからという理由。まあエアコンなしでは夏を過ごすのはシンドイだろう。

 子どもの部屋から歩くと15分くらいで海に出る。海浜公園みたいになっていて市民の憩いの場所みたいな感じになっているのだとか。最初、子どもは歩くとけっこう遠いと言っていたのだが、夕方近く少し涼しくなってきたので三人で散歩がてら行ってみることにした。

 駅を超えて広い一本道をだいぶ行くとようやく海浜公園の入り口に着く。一本道を行くと海にぶつかるというのが、なんとなく鎌倉みたいな感じがあるなとは思った。鎌倉はけっこう観光地っぽい雰囲気だが、こっちの方は海までずっと住宅地で片側が戸建て住宅、片側が団地みたいになっている。なのでお店とか小ぎれいなカフェとかも一切ない。日常生活からいきなり海ということになるのだが、そういうのがけっこういいかもしれないと思った。

 片道15分の海までの散歩も、親子三人でバカ話しながらだと時間も気にならない。なにより歩道が広く整備されているので、車椅子を押していても全然苦にならない。そして公園の入り口から園内を少し歩くとようやく海に出る。

 海はもちろん遊泳禁止なので、浜辺で遊ぶだけ。夕方なので若い子たちが小グループで花火を持ってやってくるというのを見た。このへんの子どもたちの夏の定番なのかもしれない。まあ密になるほど人出もないし、こういうもいいかもしれない。多分、多分とは思うけど、もちろんノンアルだと思う。

 海は防風林の向こうにあるんだけど、こういう風景、最近ずっと浮世絵版画ばっかり観ているので、なんとなく小林清親とか川瀬巴水っぽいかなと思ったりもした。

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 そして桟橋というか埠頭の雰囲気。こういう光景見るとつい東山魁夷風に撮ってしまう。東山魁夷の功罪っていうやつだと思うな。

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 ちょっとした散歩で海に行ける。そういう日常ってちょっと羨ましいかなとも思った。海なし県に住んでいると特にそういうことを感じるかもしれない。