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【朝日新聞】2012年6月6日朝刊
民主117人「再稼働再考を」 小澤氏や江田氏、副大臣も
〈首相あてに署名提出〉
野田佳彦首相が進める関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に、民主党の衆参両院議員117人が5日、再考を求める署名を官邸に提出した。署名には江田五月・元参議院議長や渡部恒三・元衆議院議長、政務三役2人の名も。消費税と並び、首相を足元から揺さぶる火種となりそうだ。
署名は野田首相宛で、呼びかけ人代表の新井聰元国家戦略相らが、斉藤勁官房副長官に手渡した。400人近い民主党議員の3割に上る署名に、斉藤氏は「重く受け止める」と述べたという。提出後、荒井氏は記者団に「野田政権は私たちが作った政府。首相には十分考慮して頂けると信じている」と語った。
これだけの署名が集まったのは、消費増税に反対し、野田首相との対立を鮮明にする小沢一郎元代表のグループのバックアップもある。小沢氏が会長を務める党内グループ「新しい政策研究会」の会合では、グループ幹部が署名への参加を呼びかけて約40人の署名を集めた。鳩山由紀夫、羽田孜両首相経験者や議長、副議長経験者といった重鎮も賛同。野田内閣の一員である佐々木隆博・農林水産副大臣や松崎公昭・総務副大臣の政務三役も公然と名を連ねた。
原発再稼働には批判が強まっている。朝日新聞の5月の世論調査では、大飯原発の運転再開に「反対」が54%で、「賛成」の29%を大きく上回る。民主党議員たちも、そうした世論の反発を肌で感じ始めている。
推進派と深まる溝
5日朝にあった原発の再稼働をめぐる当会号では、再稼働の推進派と反対・慎重派が激突した。
再稼働の関係閣僚会合にも出席し、再稼働の旗を振る仙石由人政調会長代行が「政権担当者の責任として(再稼働妥当と)判断をした、とご理解頂きたい。再稼働決定は慌ててではなく、1年間検討した」と説明。だが反対・慎重派からは、「そもそも福島原発事故の原因がまだ特定されていない」「近隣住民の避難計画を作らなければ住民は納得しない」といった異論が相次いだ。
仙石氏は、今後は老朽した原発の廃炉を進めることにも言及したが、紛糾は収まらず、6日以降も議論を続けることになった。
与党内で反対論が広がっているにもかかわらず、官邸側は強気だ。野田首相は5日、経団連の総会で「これから立地自治体のご理解を得るべく、最終的な努力をしていきたい」と述べ、再稼働の最終判断は近いとの見通しを示した。
藤村修官房長官は5日の会見で「最終的には政府が判断することだ」と述べ、再稼働の最終判断には影響しないとの考えを強調。大飯原発が立地する福井県の西川一誠知事の同意があれば、関係閣僚会合で再稼働を決定する流れだ。一方、西川知事は首相の決意表明を求めているが、藤村氏は「首相は『原発は引き続き必要』と発言し、それは国民、福井県の皆さんにも届いている」と否定的だ。
再稼働「慎重」署名した民主議員 117名(アイウエオ順・敬称略)
【衆議院】(81人)
相原史乃 東祥三 新井聰 石井章 石原洋三郎 石森久嗣 石山敬貴 稲見哲男 今井雅人 生方幸夫 逢坂誠二 太田和美 大谷啓 大山昌宏 岡島一正 岡本英子 奥野総一郎 小沢一郎 小野塚勝俊 笠原多見子 梶原康弘 加藤学 川内博史 川島智太郎 黄川田徹 菊池長エ門 京野公子 櫛渕万里 工藤仁美 黒田雄 小泉俊明 小林興起 小宮山泰子 古賀敬章 近藤昭一 斉藤進 坂口直人 佐々木隆博 階猛 篠原孝 杉本和巳 菅川洋 瑞慶覧長敏 鈴木克昌 首藤信彦 平智之 高野守 橘秀徳 田中美絵子 玉置公良 玉城デニー 辻恵 道休誠一郎 中川治 永江孝子 野田国義 萩原仁 橋本勉 畑浩治 羽田孜 初鹿明博 鳩山由紀夫 樋高剛 福嶋健一郎 福島伸享 牧義夫 松崎公昭 松崎哲久 馬淵澄夫 水野智彦 皆吉稲生 三宅雪子 宮崎岳志 村上史好 室井秀子 柳田和巳 山口和之 山崎誠 山田正彦 吉川政重 渡辺恒三
【参議院】(36人)
相原久美子 有田芳生 石橋通宏 江崎孝 江田五月 大河原雅子 大久保潔重 大島九州男 岡崎トミ子 金子恵美 行田邦子 小見山幸治 今野東 佐藤公治 斉藤嘉隆 主浜了 武内則男 田城郁 谷岡郁子 ツルネン・マルテイ 徳永エリ 外山斎 中村哲治 那谷屋正義 難波奨二 西村正美 秦知子 姫井由美子 福山哲郎 藤谷光信 藤原良信 舟山康江 増子輝彦 松野信夫 森ゆうこ 米長晴信
http://www.taniokachannel.com/report/resource120605.pdf
内容的にはしごく真っ当である。この117名はある意味民主党の良心を体現したような人たちかと思いきや。そういや菅直人の名前はないな。記事内容にもあるように小沢グループの全面バックアップにより、グループから約40名の署名を集めたという。さらに小沢自らも署名し、小沢と行動を共にしている首相経験者、鳩山や羽田の名前もある。
個人的な感想はたった一つ。
「原発問題を政局、政争のネタにするな!!」
そういや原発事故が渦中にある昨年のある時期、より安全な(?!)地下原発を推進するとかいう、地下原発議連なんていうのがあったっけ。自民党の有力者、自民、民主の首相経験者、有力者とかも参加していたようにも思うが、あれはまさしく菅直人降ろしを超党派で行うための動きに呼応していたんだっけ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E5%BC%8F%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E6%94%BF%E7%AD%96%E6%8E%A8%E9%80%B2%E8%AD%B0%E5%93%A1%E9%80%A3%E7%9B%9F:TITLE
より詳しい情報はこのへんが参考になった。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/95b13cc5bc9fd01ab64c5cbe37e385ec:TITLE
しかし小沢一郎の頭の中はたぶん権力闘争、政局、そういうものしかないのだろうかな。原発も消費税も、たぶんすべての政策が権力闘争の材料でしかないということなんだろうな。
政権交代、民主党政権、そういう日本政治史にとってエポックメーキングなるはずだったこの3年もの流れが、すべて小沢一郎的的なものによって左右されてしまったことが残念である。
小沢への起訴が、ある意味日本のエスタブリッシュメントや官僚機構からのある種の陰謀めいたものであったのかもしれない。しかし一方で小沢的な政治はというと、利益誘導や政治は数の力的な古いタイプの政治行動に依拠している部分が多々あった。
多くの健忘症的国民、マスコミはもう忘れているかもしれないけれど、鳩山首相、小沢幹事長時代、民主党が衆院、参院のいずれでも第一党であったわずか一年程度の時期、なにが行われた。斬新的な政策決定は成されたか。
小沢がやったことは、党運営、金、政策決定のすべてを幹事長が握るというものじゃなかったか。陳情をすべて幹事長室で行うとかそういった類。脱官僚をいいながら郵政人事で自らに近い元大蔵官僚のの斎藤次郎を指名した件などなど。
そして衆参で多数派を形成しながら、普天間でなんの進展も見出せず、それを党としてすべて鳩山の問題に転化させていった件などなど。ようは小沢は権力握ってもロクなことが起きない。彼が能力を発揮するのは、権力闘争、政局運営のみということ。まあそういった感想がある。
原発再稼動の再考について、それを主導するのが小沢グループであるということで私が思うのはそんなことだ。とはいえ、嫌小沢的な気持ちもあるにはあるが、そうであっても、この動きで再稼動への流れが少しでも停滞することに妙に期待してしまう部分もないではない。
ようは白ネコでも黒ネコでも原発維持推進の動きに少しでもブレーキをかける試みには、暫定的にでも賛意を表わしたい部分もあるにはある。