田んぼアート (9月11日)

 行田で毎年行われている田んぼアートを見てきた。

2022「田んぼアート」in行田/行田市

古代蓮会館(古代蓮の里)

 古代蓮の里に隣接した田んぼに種類の違う稲を植えて壮大な絵を描く。それを古代蓮会館のタワーから眺める。この催しというかイベントというか、これ知ったのは去年で一度行っている。ただし前回はウィークデイだったのだが、今回は日曜日で混み方が全然違っていた。

 古代蓮の里の施設は4時半で終わる。入場受付は4時ジャストである。去年もそうだったけど駐車場に車入れたのが3時55分くらい。あわてて車椅子を出して、やや速足で会館に入るとギリギリセーフ。自分らの後に自分らと同じような老夫婦が一組。なんかこのへんも去年とほぼ同じような感じだ。ただ去年と決定的に違うのは混み方。エレベーター前にはかなりの列が出来ている。一回にエレベーターに乗れるのは8人程度のため大混雑。4時に入館してもエレベーターで上に上がるのに、15分程度かかった。

 そしてタワー上部から眺める景色がこれ。

 毎年絵柄は変わるのだが、今回は「アオアシ」というサッカー・アニメなんだとか。当然、アニメなど知らないのだが、係の人に聞くとNHKでテレビ放映されているのだとか。去年は浮世絵風だったのでえらい違いだが、多分今回は人出も多いだろうと思ったりもする。まあアニメだし。子どもたちにも浮世絵アートよりははるかに人気だろうとも。

 タワーの上部を一周してまた降りるエレベーターを降りるのだが、車椅子だし並ぶのもなんだしと、ゆっくり見ていると結局一番最後になり、自分たち一組だけで降りることになった。

 それから追い立てられるようにして会館を出る。といってもスタッフの人たちは親切だったし、実際に急かされたりとかはないんだが、なんとなく心理的には追い立てられたような気になる。まあ閉館ぎりぎりに来るこっちがダメなんだろうけど。

 去年は行かなかったのだが、実際の田んぼアートが描かれた田んぼのあたりに足を運んでみることにする。至近で見ると当然何が画いてあるのかはわからないが、色の違う稲を図案通りに植えていることがよく判る。

 絵を仕切るまっすぐな線はこんな感じである。この手の一直線は全部東山魁夷風に見えてしまう。

 この先には画像では確認しずらいけど、白鷺が三羽休んでいた。これだけ広大な田んぼなのでエサも豊富なんだろう。

 下から見るとタワーはこんな感じである。

 田んぼアートの見学を終えてからは古代蓮の里の園内をブラブラと回ることにする。建物施設は4時半で終わるけれど、園内は特に閉園時間が設けられていない。もっとも暗くなるとかなり怖そうというか、蓮池に落ちる可能性もあるので、暗くなってからの周遊は向かないだろうとは思う。

 途中、妻は車椅子を降りて短い距離を歩いたり。自分はベンチに座って少し休んだり。セミ、とくにツクツクボウシが鳴いている。涼し気な風がちょっとだけ吹いてきて、蓮の葉が小さく揺れている。夏の終わりっていうのは、まさにこんな感じだなあと思いつつ、来年もこんな時間を過ごせるだろうかなどとちょっとだけ考えてみる。

 当たり前のことだが、毎年一つ歳をとり少しずつ老いていく。さまざまな景色を見るたびに、この先あと何度この景色をみることが出来るだろうと思ったりもする。竹内まりやの「人生の扉」の歌詞そのものである。

♪満開の桜や 色づく 山の紅葉を♪
♪この先 いったい何度 見ることになるだろう♪

 老境っていうのはそういうことなんだろう。夏の終わりの時間を今日みたいに、あと何度感じることができるか。蓮の池を眺めながらそんなことを少しだけ思った。それから車椅子を押して、妻の後を追った。早く行かないと立ち往生してしまうかもしれないから。