国立西洋美術館

国立西洋美術館
来よう来ようと思っていて来れずじまいだった場所だ。印象派好きであるのに、この国で一番の収蔵を誇るのになぜか足が運べていなかった。元々フランスに接収されていた松方コレクションを返還してもらうために建設開設した日本唯一の西洋近代絵画を中心とした美術館である。ここに来ずして印象派は語るべからずとでもいうべき総本山だった。
以前、ポーラ美術館と共同で企画した「モネ、風景をみる眼−19世紀フランス風景絵画の革新」という展覧会をポーラ美術館で観たときに、西洋美術館の松方コレクションから貸し出された多数の印象派絵画を目にして一度行ってみなくてはと思っていたのだが、そのままになっていた。
連休の合間、明日は多分休日出勤で会社に出なくてはならないので、行くとしたら今日だけだ。前日に掃除やら洗濯やらもしていたので、家族の朝食、昼食を作り食べさせて、なんとか午後2時過ぎに家を出た。
以下、twitterから。

国立西洋美術館なう。

一番気にいったのはモネでもゴーギャンでもなく、
なぜかジョン・エヴァレット・ミレイの「あひるの子」。この子の眼差しの鋭さ、釘づけになる。ミレイ晩年の作品らしいが、もはやラファエル前派の画風からオーソドックスな作風に移行している。

補足するがここにはあまり象徴的な画風は感じさせない。しいていえばタイトルと足もとのアヒルの絵と、少女の靴があまり綺麗でないことから、みにくいアヒルの子を類推させるものがあるということになるらしい。ドレスと少女の凛とした姿と足もとの貧しさが白鳥がアヒルの群れにいることを暗示させるということか。
そういうことよりも画力とでもいうべきか、画面の中央から観る者を射抜くような強い眼差し。写実を超えた内面性の諸々を感じさせる。ミレイの画力半端ないなと思わざるを得ない。

とはいえやはりモネはいい。「雪のアルジャントゥイユ」。大雪にみまわれた1874年末から1875年初めという時期なので例の「かささぎ」も同時期と思われる。

モネ「舟遊び」。これは一度箱根のポーラ美術館で観ている。

セガンティーニ「羊の剪毛」。
初期の作品のようで、象徴性は皆無。農村生活を写実したという意味ではミレーとかに近いのかも。