レジでお願いします

 最近の努めてしていること。

 スーパーで買い物する際、レジに買い物かごを載せた時にレジの担当の人に、一言「お願いします」と告げる。

 別にそれでどうのということもないのだけど、なんとなく円滑にいくのかなと思ったりして始めた。レジの担当、特に女性のパートさんだと、心持対応が優しくなるような気もしないでもない。もっともそれを期待してやっているわけでもない。

 なんだろうな。レジの担当もシフトで入る時間、もうひたすら来る客、来る客の買った商品をスキャンして、買い物かごに移し替える。来る日も来る日も。それがピークの時間だと、もう延々と続く。そういうときに、一言声かけするだけで、なんとなく流れがスムーズにいくような気がする。さすがにいちいち「ありがとう」とかは言わないけど。

 ここ数ヶ月ずっと続けているけれど、女性の担当の人は対応は確実に柔らかくなる。年配のパートさんであれ、高校生くらいのバイトの女の子であれ。若い男の子だと、特に反応がないようなことも多いけれど、それでもきちんと挨拶をしてくれたりもする子もいる。

 思うに男の客、特に自分のようなジイさんとなると、たいていは横柄な態度、「俺は客だぞ」オーラを丸出しみたいなこともあるかもしれない。そして一度や二度は横柄どころか、まさに偉そうな態度で上から的な雰囲気出してそれを言葉にするとか、そういうことで嫌な気分になったレジの人、たくさんいるに違いない。

 自分にもちょっとそういう部分がないかというと、けっこうあるような気がする。現役時代もイラチを地でいくようなところあったらしいから、多分そういうのが過剰に「俺は客だぞ」的だったりもしたかもしれない。

 世の中の流れはえらいこと急速に変わりつつある。客がどなりつけたり、そこまでいかなくても威圧的な態度をとるのは、すべてカスハラとなるご時世だ。普通に注文というか、ちょっと問い合わせのつもりであったりとか、場合によってはそれはちょっとおかしい的にクレームをつけたりすることもある。あれ、これって俺の物言い、ひょっとしてカスハラと思われるんじゃないかと感じたりすることもある。

 それは出来れば避けたい。

 自分自身のことでいうと、現役時代は立場的に部下を叱責することだってあった。でもそれは出来るだけ管理職とかそのへんに言うだけで、一般社員とかパートに怒るなんてことはなかったと思う。まあそれでなくても気難しい人っぽく思われていたみたいだから。

 でも人のことを叱責というか、怒るのって、けっこう自分も傷つくというか、そういう部分もあるにはある。人を怒ってストレス解消なんてとんでもない。かえってそれで余計ストレスを感じたりもする。

 じゃあ怒るなよって、まさにその通り。

 なので今は出来るだけ人との接触を避けている。引きこもりが一番ストレスフリーだったりもする。といってもまったく引きこもるなんてことは出来ないので、人と接触するときには出来るだけ低姿勢でいく。そうすれば円滑に流れる、そんな気がしている。

 本当は、下出にとか上からだのとかではない、対等な人同士の接し方というのがあるのだとは思う。でも経験則でいうと、人間関係はだいたいにおいて権力勾配が微妙に左右している。仕事でいえば、組織での上下があり、商売では客と売る側での勾配があるだろう。とりあえず上から的な接っし方ではなく、まあ低姿勢にいく。それでいいのではないか。

 ということで買い物に行くときは、スーパーであれ、コンビニであれ、レジに買い物かごを置いたら、一言「お願いします」と言う。ただそれだけだ。

 もっとも最近流行りのセルフレジ。無人のレジの前に立って、自分で商品のバーコードをスキャンするときに、機械に向かって「お願いします」とは言わない。

 当たり前だ。