吹奏楽コンサート

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 都内某所で開かれた吹奏楽団のコンサートに行って来た。

 このホールを訪れるのは多分6年ぶりくらいになる。キャパは800人くらいだと思う。子どもが大学に入って続けたインカレ・サークルの最初の定期演奏会だっただろうか。

 通っていた高校のホールが2000人規模の大ホールだったので、さほど規模感で大きいなとは思わなかったが、それでもなかなか立派なホールではある。

 この雑記でも何度も書いていることだが、子どもは中学から吹奏楽を始め、高校、大学と続けた。あしかけ10年である。一昨年、就職と共に部活も一応卒業した。子どもは、仕事が落ち着いてきたらどこか市民楽団探して続けたいみたいなことは話していた。

 とはいえ仕事をしながらそういうサークル活動するのはなかなか難しい。1年前に一人暮らしを始めてからは仕事もそこそこ忙しいみたいだったし、そのままになってしまうかなと思っていた。8月だか9月だか、急にLINEでまた吹奏楽やるみたいなことを言い始めた。そして9月の終わりだったか、偶々家に帰って来た翌日が最初の練習だとかで、練習場所まで送って行ったことがあった。それからわずか5ヶ月で定期演奏会だという。

 子ども入った楽団は、大学時代に入っていたインカレ・サークルの延長上にあるようでその卒業生を中心にして結成したという。社会人が三分の二、残りは大学生みたいな構成だという。

 パンフレットに書いてあったが、アマチュアで音楽を続ける者にとって、音楽ができる環境は永続的なものでない。仕事や家庭などさまざまな理由で楽器から離れることになってしまう。そうした実情を踏まえたうえでなお質の高い音楽活動を続けていくために楽団を設立したという。高い志を感じるとともに、学生生活を離れてから一社会人、一市民として楽団での音楽活動を行うということの難しさ、それでもなお楽器を演奏することへの希求みたいなもの感じた。

 今回のプログラムは5曲とアンコール1曲の6曲だ。子どもにいわせると練習は月1~2回でトータルでも10回くらいだという。それでも一定以上のクオリティのある演奏だったと思う。多分、楽団員はみな中学からずっと楽器を続けてきたから10年以上のキャリアの持ち主だ。技量的にも一定水準以上にある人たちだ。とはいえ10回程度の練習でここまできちんと演奏できるというのは素晴らしいと正直に思った。

 まあこちらは素人の耳だからあまり音楽の良し悪しはわからない。なんとなく感覚的にはところどころリズムと演奏が合ってないとか、終わり方が多少ズレがあるとか、パートごとにけっこういっぱいいっぱいかなと思わせる部分もあったかもしれない。まああくまで素人の感想だ。それでも破綻なくきちんとした演奏だったし、とにかく楽しむことができた。

 市民楽団が新たに結成するというのはたいへんなことだと思う。立ち上げに関わった方たちは相当なエネルギーを使われたと想像する。そしてそれ以上に楽団を維持存続させていくこともまた様々な困難があるのだろうとも思う。新しく船出したこの若者たちによる楽団が今後も活動を続け、すばらしい音楽を創り出していってくれればと願う。

 そしてうちの子どもも10年続けてきた音楽を、これからも続けていくということを、親としては少しだけ嬉しく、また少しだけ羨ましくも思ったりもする。正味で2時間くらいだったが楽しい時間を過ごすことができた。

 しかしこの雑記も時に役に立つなとは思った。ホールには基本的に駐車場がないので、公共交通機関を使っていくことになる。とはいえ車椅子の人間がいるとなると出来れば車を使いたい。さてどうするか、近隣の駐車場を探すかと思っていたのだが、6年前の雑記によると、ダメ元でホールに事前に連絡すると搬出用の地下駐車場を予約できたというようなことが書いてある。そんなことは全部忘れていたのだが、今回も同じように連絡すると、数時間という条件付きでスペースを確保していただくことができた。長く日常ごとを書き留めておくとたまには役に立つこともある。