書原閉店

 午後から社労のセミナーに出る予定があり都内に出る。セミナーのテーマはずばり「改正労働契約法」について。
 セミナーの後、友人と待ち合わせ阿佐ヶ谷へ。そう老舗書店だった書原が閉店するというのだ。それで一応最後に見ておくかということになった。
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 ここは昔ながらのとにかく本がいっぱい詰まってる陳列の路面店だ。消防法的にいうとちょっと違法じゃないかというくらい通路も狭い。棚もそこそこ高く見通しも悪いので、万引きとかどうなんだろうと思うこともしばしばだ。
 この書店を知ったのは多分、出版社の営業時代のことだった。営業としてはかなり敷居の高い書店で、一元的につまらない本でも持っていったら追い出されそうな雰囲気だった。実際、営業仲間からはかなりシビアな書店という情報も随分もらっていた。
 あるとき比較的著名な作家のエッセイ集を出すことになり、行ってみたのだが案の定店長からはかなりこっぴどくいろいろと説教っぽいことを言われた。本の出し方、出版社としての姿勢、営業についてなどかなり多方面だったか。正直、反論もしたかったし、少しは反論めいたことも言った。まあ今となってはそれだけ時間を割いてくれたことに感謝しなければならないのかもしれない。
 そんな悲喜こもごもを思い出しつつ、老舗書店の最後を見送るようなつもりで店内を友人と周遊し、最後には新潮社のとんぼの本を1冊買って店を後にした。