美術館巡り三連荘の三日目。
群馬県立館林美術館に向かった。
ここに来るのは二度目。1年と少し前に訪れている。
今回訪れたのは、どこぞでチラシかポスターでこのらっこの木彫り像を見たから。

なんかカワイイではないかと。
そもそも、はしもとみおという作家さんについてはまったく知らない。ググると動物のリアルな姿を捉えた木彫り像や絵を描いている造形作家さんのようだ。
動物のリアルな姿を写実的に捉える、その動態、表情を特に誇張するでなく、一瞬を切り取ることで愛らしさを表現する。これは多分、人気でるだろうなとは思った。動物の愛らしさを切り取った写真、イラスト類は数多氾濫する世の中。この作家のオリジナリティはそれを木彫り像として表出したところ。
木彫り像というと、鮭を加えた木彫りの熊のお土産を想起するのは、たぶん自分が古いタイプの高齢者だからかもしれない。そうした類型化され、商品化されたお土産の木彫りと、はしもとみおの違いは何か。たぶん動物たちの一瞬、一瞬の態様を切り取り、木彫り像という形で立体化したことだろうか。木彫りの粗いタッチをそのままにしながら、写実かつ、見る側が動物に投影するカワイラシさを表出する。たぶんこのへんがこの作家のオリジナリティのように思った。
同じように写実的で、細密画として描かれる動物たちの絵。こちらについては、なんとなく線画のお手本みたいな感じがしてさほど個性は感じない。作家さんに対しては失礼かもしれないが、こっちはちょっと余技かなと思えたりもした。あくまでこの人は立体造形、木彫りがメインだと。
作品はすべて撮影可能。なので子連れファミリーに混ざって、パシャパシャとさせてもらいました。どの表情も愛らしく、素晴らしい。

























年甲斐もなく、ただひたすら「カワイイ、カワイイ」とスマホでパシパシ。まあこういう展覧会もいいのではないかと思ったりもした。
木彫りの子犬や猫たちを見ていて、これって個人からの注文ってどのくらいあるのだろうかとちょっとばかり思ったりもした。
現在のペット社会はけっこう加熱している。ペットショップにはカワイイ子犬や子猫がショーケースの中で愛くるしい姿態を見せる。みんな30万とかそういう価格である。そしていざ家庭に迎えられれば、ペット君たちは家族の一員として日々愛でられる。
でも悲しいかなペットの犬や猫たちはだいたい10年前後で飼い主より先にあの世に先立たれる。あとは思い出の中へ。
そういう家族の一員であるペット君をたとえば木彫り像として残すみたいなことはどうか。調べると安価なメモリアル像はストーン風とかブロンズ風とかであるようだ。でもはしもとみおのような精密な木彫り像はないみたいだし。
こういうことを考えると下世話な商売っ気みたいなことになってしまうけれど、もともと画家や彫刻家は、お金持ちの依頼で肖像画や彫像を作成するの仕事の一部ではあった。依頼主はメモリアルなものとして、人物の一瞬を切り取り永遠に残したいと思ったのだろう。たいていの芸術品はスポンサー、依頼主により受注生産品でもあったわけだ。
それを思うと、はしもとみおの動物の木彫り像は、家族の一員としてのペットの姿を永遠に残しておきたいみたいなニーズにぴったりなのではないかと。自分がもしペットを飼っていたら、そしてそこそこ資金的余裕があったら、作家さんにアプローチしてみたい、そう思わせるくらいに、このカワイイ木彫り像は気に入ったりもした。