岡山~後楽園

 今回の旅行で行ってみたいと思ったのが岡山。せっかく京都二泊、淡路二泊するので少しだけ足を伸ばしたいという貧乏性。まあ倉敷まで行っちゃうのだし、その手前の岡山も少しくらいはみたいな感じである。なので淡路の宿を後にして前日倉敷から淡路に来た道をまた逆に走り、高松道から瀬戸大橋というルートで岡山に入った。時間はやっぱり2時間ちょっとかかる。ようするに岡山は遠いということ。

 岡山市街は感覚的には初めて行くみたいな風だったのだが、よくよく思い出してみると通過というか駅の乗り換えで岡山駅にというのが一回。多分、初めて倉敷に行った時のことだと思う。そして出版社の営業をしている時に一度か二度訪れている。当時も今も岡山といえば丸善紀伊國屋だ。今も二店ともにあるようだが、多分自分が行った時とは違う場所で営業していると思う。さらにいえば岡山というと弘栄堂なんていう地元の書店があった。

 余談になるが、出版営業をしていたのは30代の頃で6~7年くらいだったか。そのわずかの間に3社渡り歩いているのだからずいぶんとヤクザな感じもする。まあ移りにはそれぞれ理由はあったのだけれど、いずれも小さな出版社だったから、もちろん注文取りの書店回りがメインだったけど、販売計画たてたり、DM作業したり、取次回り、取引交渉、請求書作成、さらには売上管理から予算作成まで、ほぼすべてをやった。

 そこそこ儲かっている出版社、あるいはちょっとした話題作を出していた出版社なんかもあったので、かなり忙しく、最低でも月に1回一週間は地方出張、出版社団体での会合出席などもあり、酷いときには週に1~2回会社に泊まるみたいな、今でいえばハードを通り越したブラックな仕事もした。

 もっともその時の短い経験が、ある意味では後の自分の仕事にはずいぶんと役に立ったようにも思う。管理業務ではパソコン草創期だったこともあり、パソコンを使った係数管理等はわりと先駆け的にやってこれた。なのでその後の仕事についていえば、数字が見れてコンピューターに強いみたいなアドバンスも得られた。

 販売計画から具体的な書店販促なんかも一通り把握できていたので、一応書店販促面ではプロみたいな扱いを受けたし、割とどんな仕事にもあたりがつけられた部分もある。

 とはいえ元々、本屋が遊び場、書店で時間を過ごすのが好きだった人間が、書店を仕事場にして、しかもさほど好きでもない営業、注文取りをする、書店が職場になるのは正直苦痛だった。最初に勤めた書店はどうだったかといえば、やはり始終本に触っていられる、棚作りをするというのは自分には向いているなと思ったりもした。実際、棚に手を入れて、それによりジャンルの売上が伸びると、まさにしてやったりみたいな気持ちになったものだった。

 話を戻そう、岡山のことだ。書店営業で岡山に行ったのは多分1990年くらいの頃だ。もう30年も前のことだ。地方都市はどこでもそうだが、岡山も駅前から少し離れたところに表町商店街がある。多分そのあたりに大型書店があったのだと思う。なので駅から表町あたりくらいしか歩いていないのだろう。30年ぶりに車で訪れて走り回ると、思った以上に大きな街であると認識させられる。市電が走っているのを目撃して、そういう街なんだと思ったりもした。

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 そしてお目当ての場所が岡山後楽園である。

 日本三名園の一つである。後の二つは金沢兼六園水戸偕楽園はもう何度か行っている。そうなるともう一つの後楽園も行ってみたくなるのが人情というものだ。ちなみに日本三景は松島、天橋立、宮島だったか。ここも宮島だけは行ってないので、いつか見に行きたいとは思っている。

 ウィークデイということもあって駐車場も空いていて一番近い身障者用の駐車場にもなんなく止められた。あとで地図とかで確認すると後楽園は朝日川の中州が丸々庭園になっているようだ。

Google マップ

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後楽園入り口


 園内は美しく整備されている。感覚的には兼六園偕楽園よりもきれいな印象がある。そしてこじんまりとしている。車椅子を押している身としてはこのこんじまりとうのも重要なポイント。

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 南門から一度園外に出て右に少しいくと月見橋がありそこを渡れば岡山城である。城内にはエレベータも設置されていて天守閣まで行けるようなのだが、今回は時間もなかったので断念。さらにいえば月見橋を渡ったところから城内に入るには段差があり、車椅子の場合はぐるっと回らないと行けないようなのだ。

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 その日は、再び京都に戻り宿に泊まることになっていた。岡山から京都までは3時間くらいかかるので、岡山城を見てしまったらとても夕食の時間に間に合わない。京都の宿は初日と同じ出版健保の宿なので夕食は6時から。

 ということでまた後楽園内に戻り速攻で駐車場に戻り京都にひたすら走った。京都の宿に着いたのは6時半。ほぼ3時間きっちりかかった。やっぱり岡山が遠いということ。岡山、倉敷に足を伸ばすのであれば淡路をベースにするのがベスト。京都ではちょっとしんどいというのが結論でした。