還暦カウントダウンの感慨

 還暦まで1週間をきった。なんだかとても憂鬱である。子どもの頃に自分が60になるなんて想像すらできなかった。ましてやこんな風な60歳になるなんて。いろんな分岐点を経て今、ここにいる。それも含めてたいへん憂鬱だ。
  30になる間際だったか、あの頃はキレイなままで死にたいとかいうギャグをかませるだけの余裕もあった。まだまだその先の人生にそれなりの希望とかそんなものもあった。しかしさすがに還暦ともなるとシャレにもならん。ついて出る言葉は「こんなはずじゃなかったんだけど」。
 この年でも一応仕事もあり、それなりの稼ぎもある。一応定年とかもない身分ではある。でも一寸先闇だし、手に職もないし、俺どうすんだろう的な危機感もある。何より年相応の分別が身についてない。だからいい年して、こんなことをつぶやいている。ブルーだな。
 海外の美術館にも行きたい。楽器もまた始めたい。もう一度自転車で遠出もしたい。やりたいこと沢山あるけど、日々の仕事、家事といった諸々で自分の時間を作ることすらままにならない。器用な人、時間の使い方が上手い人は多忙であっても、きちんと自分の時間を作り、好きなことに使うことができるのだろうが、グズグズでダラダラな自分にはとてもできない。まあ最後まで馬車馬みたいにあくせくしていくんだろうとも思う。それにしても、こんなはずじゃなかった。
 老後の愉しみはドストエフスキーと映画三昧、ギターを少々のはずだったのだが、そういう老後がちっとも訪れない。蓄えも家族のことを考えると十分じゃないし、手に職つなければとも思う。同い年の友人が最近調理師の資格取ったとかいう話を聞くとそれなりの焦燥感もある。
 そして口についてでるのは、やっぱりこんなはずじゃなかったのにということか。