天安門事件から27年

 twitterで奇妙な写真とツィートを見た。

本日、中国でアップされた一枚の写真だ。知っている人は知っているが、歴史上では決して忘れてはいけない日なのに、しかし、この表現は中国国内に限って、もう精いっぱいなのかもしれない。

 ツィートしたのは毛丹青という確か神戸で大学の先生をしている中国人の知識人。さらに日本の情報を中国で雑誌化した「知日」を創刊した親日的な方である。この人のことは国際ブックフェアのボイジャーのブースでの講演で知ったのだが。
 しかしあの天安門事件から27年という月日が流れたというのも驚きである。あの事件により中国の民主化は潰された。今や大国となった中国は、一党独裁市場経済という奇妙な混合社会のまま、諸矛盾の総て経済発展を盾に捨象して肥大化を続けている。あの時、戦車の前に立ちはだかった学生や市民たちは物理的にも、象徴的な意味をも含めて文字通り踏みつぶされたのだ。
 天安門事件のことを考えると、なぜか山下達郎の「THE WAR SONG」を思い出す。「老人は冬を呼び キャタピラの音が轟く」という歌詞は天安門事件にインスパイアされたのだとずっと思っていたのだが、この曲は1986年作だと後で知った。