サラリーマン双六の上がり

サラリーマン双六で上がってしまった。
弱小零細だし特に感慨があるわけもなく、たぶん何も変わることはないと思う。明日も今日と同じく、主に家族のため、少しだけ自分のため、ほんの少し社会のため、なんとか凌いでいければいいかと思う。世界がちょっぴりでも平和になりますように。

これもまたtwitterでのつぶやきである。サラリーマン双六、上がり、なんのこっちゃって。そう、2年前に就任した役員の肩書きにもう一つ付加されたということだ。とりあえず代表権とやらがついた。
とはいえツィートしたとおり、弱小零細会社である。「だからどうよ」と問われれば、「別に」と返すのが精一杯みたいなところである。正直にあんまり感慨というものもない。
とはいえ、学卒から勤め始めて早30数年。本関係の仕事で流転に次ぐ流転を重ねてきた身である。現在の会社で何社目なんだと指折り数えてみると5本以上になる。我ながら呆れる。本屋から初めて取次、出版社を数社、そして今に至るである。落ち着きのない、気取って言えば「転がる石」「流転癖」「デラシネ」まあいいか。個人的には、本に関わる様々な仕事についてみたいと、ただそれだけで生きてきたようなものだ。
でも、結局編集については、真似ごとみたいな部分だけで、一冊も本を出せず仕舞だった。さらにいえば本の業界の頂点ともいうべき著者、著作の部分でいえば、雑誌の埋め草みたいなクソ原稿を何本か書いただけだった。金になるような文章を書いたことがあるか。30代のどこかで大手広告代理店の部長さんだったかを騙くらかして、20枚くらいのレポートでっちあげて10数万の金せしめたのが唯一だったか。いずれにしろ胸張って人に言えるような仕事じゃなかったかもしれんな。
とりあえず本の物流、流通関連の仕事をずっと続けてきた。その終着駅が、とりあえず零細企業の代表である。やれやれというところか。
夕刻、古い友人と会ったのだが、彼女は素直に喜んでくれた。「起業でもしない限りでいえば、誰でもなれるものでもない訳だし、あんたが努力してるのはわかる人にはわかるのだから、結果についていえば素直に喜べばいいよ。そのうえでこれから何するかだと思うけどね」
う〜む、交友関係だってどちらかといえば狭いほうだし、「僕は友だちが少ない」を地でいっているような部分もあるにはあるけど、それでも友人には恵まれたのかもしれないなとも思う。
あまり感慨がないとつぶやいたのだが、しばし小さな感慨めいたものはあるやもしれない。