海外旅行へ行く・・・つもりだ

勢いあまってシルバーウィークにアメリカ西海岸へ行くことにしてしまった。理由は?ひとえに妻が行きたい、行きたいというから。ほとんどそれが唯一の理由だな。本当はお盆休みとかも考えてはいたのだが、さすがに無謀だろうと思い、たまたまシルバーウィークが5連休となるということで7月くらいに旅行代理店にリクエストを出していたのだが。その時点ですでにキャンセル待ち。あんまりなにも考えていなかったのだが、まあ考えが甘いということ。そして9月の5連休、燃料サーチャージなし、みんな夏休みをあえて避けてここに集中みたいな情勢だったようだね。
旅行代理店には8月の後半までキャンセル待ち継続と依頼していたのだが、結局当初予定していた日程のツアーはとれず。それよりも1日短く、しかも料金アップのものならといわれて、結局即決してしまったわけ。
しかし去年の北海道を含めて、けっこうあちこちほっつき歩いている。車椅子引き連れての彷徨・・・・、ではなく観光である。ここ3年間に淡路島に3回も行ったりとかもある。すべて妻のお出かけ病のお陰である。とはいえ不慮のブレイン・アタックで片麻痺、1種1級障害者、車椅子生活者となってしまったのである。ただでさえ身体的にも、社会的にも日常的活動がとことん限られてしまった伴侶なのである。どこかへ行きたいとのたまわれれば、なんとなくそれを実現してあげたいと思うのが人情というものだろう。まあそんな大それたものでもなく、さりとて愛情とかそういうものでもなく、まあ出来うる範囲で身近な、一番身近な相手に出来るだけ親切にしてあげたい、みたいな、みたいな感覚である。
それがここ数年の我が家のパターン。だからけっこうお泊りしている。そうやって車椅子の妻を連れての旅行の範囲を広げてきた。その結果が今回の洋行なのである。まあたかだか5日くらいのアメリカ西海岸である。なんとかなるだろう、たぶん、おそらく、きっと、みたいな、みたいな感じである。
しかし大丈夫なんだろうか。一応、旅行代理店には身障者、車椅子を含めたメンバーであることを一番にリクエストした。なのである程度、ある程度の配慮はしてもらっている。ホテルも一応バリアフリー・ルームとかをとってもらったりもした。でもろくに、いやほとんどコミュニケーションのとれない外国で短期間とはいえ過ごすのである。正直しんどい。けっこうピンチかもしれないとは思う。それでも、たかが5日間であり、おまけに行くのが別にエチオピアでもウズベキスタンでもない、先進国アメリカの西海岸なのだから、まあなんとかなるのではないかと、そういう思いである。
しかしもともと英語はさっぱりである。40年近く前の受験英語がすべてなのである。15年近く前に最初で最後のアメリカ旅行である新婚旅行時には、一週間コーヒーが飲めなかったという厳然たる事実がある。

私  )ア カップ オブ コーヒー
相手 )コーク?
私  )ノー コーフィー
相手 )コーク??
私  )ノー コーヒーー
相手 )コーク???
私  )オーケー コーク

こんなんばっか。それでもまだ15年前のほうが英語力あったと思う。試みに最近、ゴルフの石川遼クンがやっているとかいうスピード・ラーニングのCDのなんちゃってコピー版みたいなのをヤフオクで落としたりしてみた。で、IPODに入れて聴いてみたりもしているけど、さっぱりだな。
昔々の大昔に例のオーソン・ウェルズがナレーションやっていた「追跡」だったっけ。あれをやったことがあったけど、あの時のほうがまだなんとなくだけど聞き取れたような気がする。若気の至り、たぶん20代の頃だっただろうか。とはいえあの頃はカセット全盛だったんだよな。後日談じゃないけど、アカデミー出版だったっけ、あれはストップの意思表示をしないと延々カセット送ってくる。「追跡」の後には「ゲームの達人」だったかな。それも金払わなくてもどんどん送ってくる。あれってプレッシャーになったな。
結局、どうしたかっていうと、とりあえず「追跡」のほうは払った。きちんとまとめて払った。でも「ゲームの達人」は、ぜんぶ送り返した。たしか記憶では一文つけて返したはず。「外国に一年出張していました。こちらの記憶では購読中止の連絡いれたつもりだったのですが」
もう嘘八百だね。
脱線だね、いつものごとく。シルバーウィークの海外旅行の話だ。とりあえず、言葉もわからず異国の地へ短期間とはいえ車椅子の妻と小学生の娘を連れて行ってきます。しょうがないよ決めちゃったんだし、金も払っちゃったんだから。でもこれもみな、ある意味私が元気なうちに、みたいな部分もある。60過ぎてから車椅子の妻を連れて海外はちょっと体力的に難しいだろうとも思う。
いずれ娘もこんな風に家族旅行とかにとりあえずついてこなくなるだろう。いや露骨に嫌がるようになるかもしれない。おそらくある時期、所謂思春期みたいな頃にはそういうことになるだろう。根はきっといい子だろうと、ただの親馬鹿の期待値込めて思っている部分もあるから、もっと大人になれば、きっと妻の良き理解者になってくれるだろうと思う部分もある。でも今は子どもだからたぶん無理。
そうなるとやっぱり今なんだろうなと思う。私がとりあえず元気なうち。そして娘がやれ思春期だの、やれ受験だのということにならない間、たぶんそれは時間としてはあまり長くはないだろうとも思う。
まあそう思い切ると、行ける時にできるだけ妻の希望とか、そういうことにつきあってあげてもいいのではないかとも思う。海外で行くとしたら、やはり車椅子でということになると基本は先進国中心だろう。ことバリアフリーに関してはヨーロッパよりもアメリカの大都市のほうが進んでいるだろうから、そのへんが中心になるのかなとも思う。とはいえまず最初はグァムとかハワイからなのだろうなという気もしないでもない。太平洋越えてというのはロング・フライトだし、初めての車椅子での海外旅行としては少しだけ無謀かなと思わない部分もないではない。でもとりあえず頑張ってみようとも思う。
うまく、もし今回の旅行がうまくいけば、ひょっとしたらけっこうクセになるかもしれん。1〜2年に1回くらい海外行ったりするかもしれないかな。まあ、あまり現時的ではないだろうとも思うけど。まあとりあえずシルバーウィークにいっちょう頑張ってみようと思っている。