京都・大阪へ行く

6日に休みをとり6〜8日の二泊三日で京都、大阪へ行ってきた。例によって健保の宿が空いていたから。2月の京都である。完全にシーズンオフである。なんでこんな寒い時期に?今回は目的買いみたいなもの。娘がUSJに行きたい、USJに行けるなら旅行へ行くという。妻はとにかくお出かけ行きたい、出かけられればどこでもいいである。
で、私はというととにかく宿取れるならつきあうよとそういう気分である。我が家の業みたいなものである。とりあえず前向きに考えることにする。家族で出かける機会などいずれ子どもが大きくなればどんどん減っていく。私も次第に老いていく。ロングドライブして、車椅子押してあちこち見て回るなんて、だんだん体力的に難しくなっていくだろう。そうであれば体が動くうちは、娘も一緒に着いてくるうちは、出かられるだけ出かけてもいいだろう。まあそういう気分である。ささやかな思い出作りなのである。
幸い天気には恵まれた。それでも2月の京都なのである。土日だというのに健保の宿はガラガラの状態である。6日の宿泊客は我が家族のみである。7日ももう一組5人の中年夫人グループがいたきりだった。だから部屋も一番広い部屋に泊まれることができた。たぶん10畳以上の和室と10畳くらいの洋室リビングがある部屋である。さらに別に6畳の和室も着いている。二家族が一緒に泊まれるような部屋である。たいへん居心地が良い。これでも1泊一人6千円なのである。健保さまさまなのである。
初日は1時過ぎに京都に着いた。前回、といっても1年半前の夏のことだが、この時は清水寺龍安寺太秦映画村といったメインコースを回った。今回は京都観光は初日の半日のみである。どこに行くかと思案したが、結局三十三間堂、八坂神社、金閣寺ということになった。
三十三間堂は中学の修学旅行以来である。およそ37〜8年ぶりである。いろいろなことを忘れてきているのに、ここを訪れたことだけはなんとなく覚えている。たくさんの仏像、広い回廊、なんか子ども心にもけっこうインパクトが強い場所だったのである。ここを見せると子どもがどんな反応を見せるか興味があった。
例によって障害者にとってここはどうか。ある意味、京都の有名な場所はグローバルサービスという意味ではけっこう先進的で比較的敷居が低いとは思う。前回も清水寺もけっこう一番上まで車で行くことができたし、龍安寺もそうだった。それでここ三十三間堂はというと、まず駐車場もきちんと完備されているし、身障者用スペースも確保されている。車椅子で中に入ると、見学用の車椅子も用意してあり係の女性の方が親切かつ丁寧に車椅子から車椅子への移動とかも手伝ってくれる。これまでいろいろな観光名所を訪れているけれど、ここの親切かつ丁寧な対応は、いままでもほぼベストな対応だったかなと思う。たいへん有難く思った。
久々に訪れた回廊はやっぱり大変興味深い。妻も車椅子自走してゆっくり見学する。娘もけっこう面白がっている。やっぱり千躰におよぶ仏像はなかなかに荘厳というか印象深いものがあるなと思う。

三十三間堂 - Wikipedia
次に向かったのは八坂神社。なんでここへというと、妻と娘が祇園に行きたいと言う。娘は舞妓さんが見たいという。昼間だし祇園行ってもしょうがないだろう、舞妓さんに会うチャンスなど、偶然が重ならないと難しいだろうと思いつつ、まあいいかと思い向かう。三十三間堂から八坂神社までは車でほんの数分程度なのだが、手ごろな駐車場がなかなか見つからない。結局、少し先の知恩院前の駐車場に止める。そこから円山公園前を通って八坂神社へ行く。簡単に参拝を済ましてから祇園周辺を少しうろうろする。

さて八坂神社から祇園で出るときにはどうしても石段を降りることになる。それほど高い石段ではないが手すりもないので難儀は難儀だ。私は車椅子を抱えて先に降りてからまた登って妻が杖で降りるのを見守る。

降りきって車椅子に乗って祇園の交差点を前にしてである。

祇園では結局舞妓さんと遭遇することはなかった。それでも細い路地に入ってうろうろしたりとそこそこに面白かったかなとも思う
その次に向かったのは金閣寺である。ここも定番中の定番である。私はそれこそここも中学以来くらいかもしれない。妻と娘は一度二人で訪れている。確か妻が病気で倒れた年の6月だったか。妻は会社でリフレッシュ休暇をもらい娘を学校休ませて二人で京都旅行したんだっけ。
ここも駐車場はきちんと完備されていて身障者スペースがある。入場口で車椅子で回ることが出来るが帰りのコースに階段があるので入り口に戻ってくるように言われる。金閣寺についてはもう記憶がほとんどないのだが、妻に言わせると階段は少ししかないからそこを通るという。まあいいかと思ったのだが、この階段の下りけっこう長くて難儀した。
金閣寺はというと、まさしく金閣寺である。ピカピカである。中学時代にもここと銀閣寺を比較すると、なんとなく銀閣寺のほうが渋さというか、荘厳な感じがした。齢を重ねて見た金閣寺はというと、実は中学生の時に感じた印象そのまんまみたいなところもある。なんていうのだろう、ピカピカで綺麗なんだけど、原寸のプラモデル見ているような印象なのである。今回も銀閣寺は行けなかったけれど、たぶん金閣寺では感じないようななにかがあるかなとも思う。時代的にはいずれも禅宗文化の影響が濃い時代である。金閣寺のピカピカ成金主義みたいな豪華さはちょっとついていけない。時代を超越したバブリーなイメージである。建立した足利義満だっけ、たぶんろくな奴じゃなかったんだろうと勝手なつっこみをいれてみる。もっとも我々が目にする建物は1955年に再建されたものである。ほぼ私と同世代なのである。でもこのピカピカさは・・・・・、。

帰りに階段はけっこうしんどかった。閉園時間も近く急がなくてはならないのだが、いかんせん妻は杖、あるいは手すりを使って降りるわけで思いのほか時間がかかる。それでもきちんと手すりが付いているのは、さすが京都の世界遺産だと思わざるをえない。