80 For Brady: エイティ・フォー・ブレイディ
https://www.netflix.com/jp/title/81649297?source=35 (閲覧:2023年12月1日)
80 for Brady - Wikipedia (閲覧:2023年12月1日)
リリー・トムリンとジェーン・フォンダの共演映画なので、例の配信ドラマ『グレイス&フランキー』の特別版と思いきや、新作映画でした。タイトルのブレイディはNFLのスーパースターであるクォーターバック、トム・ブレイディのこと。ようはトム・ブレイディを応援する80代のおばあちゃんたちを描いた作品。
この映画はトム・ブレイディ自らが制作し本人役で出演もしている。彼は昨年まで現役でプレー(45歳)していて、引退後は映画界に転出する意向もあるようで、これはその第一回作品ともいえる。彼はスーパーボウル制覇7回、スーパーボウルMVP5回という、フットボール界のレジェンド、超スーパースター。まあ今風に例えていえば、大谷翔平と山本由伸を足してイチローで割ったような選手というところか。
トム・ブレイディ - Wikipedia (閲覧:2023年12月1日)
そのブレイディのファンとして今回の映画でハチャメチャな活躍をするこちらもレジェンド女優たちもすごい。
リリー・トムリン(84歳)
リリー・トムリン - Wikipedia (閲覧:2023年12月1日)
ジェーン・フォンダ(85歳)
ジェーン・フォンダ - Wikipedia (閲覧:2023年12月1日)
リタ・モレノ(91歳) (閲覧:2023年12月1日)
サリー・フィールド(77歳) (閲覧:2023年12月1日)
アカデミー賞主演女優賞2回受賞しているのがジェーン・フォンダとサリー・フィールド、助演女優賞受賞がリタ・モレノ。リリー・トムリンは『ナッシュビル』で助演女優賞ノミネートだが、この人はもともと女優というよりもコメディエンヌの人。まあいずれも錚々たるキャリアの大女優。この4人をが同じスクリーンにおさまっていること自体が、80年代あたりだったらちょっと考えられないところ。
おそらくトム・ブレイディの映画界デビューみたいな企画モノなので、4人とも出演OKしたのではないかと適当に想像する。
映画的にはどうか。まあ突っ込みどころは満載かもしれないが、4人の名女優がハチャメチャしてくれるだけで楽しい。そういう映画だと思う。そこにスーパー・スターのトム・ブレイディが出ているのだから。アメリカでの興行収入も4000万ドルを超えているということでヒット作といえる。日本だとアメリカンフットボールの人気は今ひとつだし、往年の名女優目当てというのも正直どうか。まあネット配信がせいぜいだろう。
今どきの映画ファンからすると4人の大女優はどんな感じか。さすがに80超えとなると、ジェーン・フォンダ、誰それみたいな感じだろうか。逆にリタ・モレノは90超えでもスピルバーグがリメイクした『ウェスト・サイド・ストーリー』に出ているということで、知ってる、知ってるみたいな感じかもしれない。
しかし4人とも若い。リタ・モレノも90超えでスローなダンスをこなすところなども見事だし素敵である。往年のミュージカル女優健在というところか。そしてジェーン・フォンダは85歳には見えないプロポーション、この人80年代にワークアウトとかで身体鍛えていたけど、いまだに節制しているんだろうか。なんかもう後期高齢者のアイドルみたいな感じがする。
そして意外だったのは、サリー・フィールド。最初なんとなく彼女かな、でも違うかなと思いつつ観ていたのだが、やはり彼女でした。80超えメンバーに入るには少々若いかと思いきや、役柄でも唯一70代という設定で、「私、まだ70代」というセリフもあった。しかしこの人も変わらないというか。確か1989年に『マグノリアの花たち』でジュリア・ロバーツの母親役を演じたときには、老け役挑戦みたいに思ったりもした。実際には21歳上だからそれなりの必然性はあったけど。
そのサリー・フィールドがジェーン・フォンダやリリー・トムリンと肩を並べるというのもなんとなく面白いというか。70年代だったら、どこか小娘然としていて、ジェーン・フォンダあたりからすると貫禄が違うみたいな雰囲気もあったかもしれないけど。
まあみんないい感じで歳をとっていて、80超えというのはさすがにキャリア的にどうかと思ったりする部分もあるが、先進国はどこも超高齢化社会でもある。元気な80代、90代がまだまだ活躍するというのが当たり前になっていくのかもしれない。
とりあえず『80 For Brady』は個人的に楽しめる映画だった。
MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
https://www.netflix.com/jp/title/81724703?source=35
(閲覧:2023年12月1日)
多分、Netflixで観た。というか最近はアマプラで観たのかNetflixで観たのか、あまり意識していないというか、観終わったそばから忘れていることが多い。
小さな広告会社のオフィスを舞台に、同じ一週間が繰り返される。じょじょにタイムループしていることに気づく社員が増えていく。でも上司はそれに気づかない。社員たちは上司にそれを理解させればタイムループから抜け出せるのではないかと悪戦苦闘する。
広告会社らしく会議と称して上司に対して、自分たちが何度も同じことを繰り返していることを説明するためのプレゼンを行う、パワポを駆使して。上司はなかなか理解できないが、じょじょにプレゼンの効果はあがっていく。当たり前だ、プレゼンはもう5回目だ・・・・・・。タイムループなどあり得ないという上司に対して、数字を示す。仕事の効率が飛躍的に上がっています。当たり前だ、毎週同じことをやっているのだ。
仕事は基本ルーチンだ。毎日、毎週、同じことの繰り返し。それをタイムループさせるというのは、まあありきたりの発想だが、それを広告会社の仕事ということに落とし込んだところが面白い。けっこう笑える映画だとは思った。
MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない - Wikipedia
(閲覧:2023年12月1日)
監督は竹林亮、当然知らない人。これまでに『14歳の栞』という作品を1本撮っているとか。そして俳優陣もマキタスポーツ以外はまったく知らない人ばかり。まあこちらが最近の映画に疎いというのもあるけど、普通に無名の役者陣だと思う。多分、劇団所属の人たちだろうか。普通にいい演技していると思う。
そして主演の円井わん。この人も初めて知る。美人ではない。普通にどこにでもいそうな若い女性。その分、映画にリアリティがある。でも演技はしっかりしているし、様々な顔を持っていそう。基本、性格俳優として脇を固めるタイプだけど、このリアリティはけっこうバケそうな気もする。プロフィールをみるとうちの子どもとほとんど同い年。どんどんと新しい才能が出てくるということか。
円井わん - Wikipedia (閲覧:2023年12月1日)
映画は破綻なく観ることができた。多少、中盤から後半にかけてダレ場もあったかもしれない。上司のかっての夢—未完に終わったマンガを完成させるためにオフィスの全員がマンガ制作に勤しむ—、これってもう少しひねりがあっても良かったかなと思わないでもない。まあいいか。
とりあえず無名の監督、無名の役者陣(多分)の低予算映画に分類されるのだろうが、オフィスという小さな空間を舞台にするという設定で逆手にとった感じ。けっこうお勧めというか、1時間22分面白おかしい時を過ごせる。