ディズニーシーで遊ぶ (6月21日)

 

 多分、12月くらいだったか、子どもを千葉に送るついでにイクスピアリに寄ったときに、もうディズニー的なものにはときめなかないみたいなことを思った。

 正直、もうジイさんなのでディズニーのテーマパークになんて行こうとも思わない。最後に行ったのは2019年、妻と子どもと三人でアンバサダーに泊まったのが最後だったか。もっとも翌年の2020年、コロナが大流行する寸前に家族でアナハイムのディズニーに行ったなんてこともあった。帰ってきて一週間だか10日後くらいにはカリフォルニアはロックダウンしてディズニーランドも閉鎖された。

 それ以来、ディズニーテーマパークはまったくのご無沙汰である。子どもが勤めて家を出てからはなおさらのごとく足が遠のいた。自分はもうそれでいいとは思っていたが、妻はことあるごとにディズニーに行きたいを連発していていた。でも、自分一人で車椅子を押して、あの混雑する夢の国を歩いて回るのは想像するだけでもうんざりしてしまう。

 なので、妻がディズニーに行きたいと口にするたびに、来世で行こうと答えて、妻をがっかりさせている。

 妻は子どもにもラインとかでそれとなく、ディズニーに一緒に行こうと誘っているみたいだった。そして先週、子どもからディズニーのチケットを結婚記念日のお祝いにプレゼントすると言ってきた。妻は大喜びである。

 しかし6月は自分の誕生日、父の日、そして結婚記念日と、一人っ子の子どもにとってはたいへんな物入りである。

 ディズニー行きは当然子どもも一緒で三人で行くことになった。無類のディズニー好きなので自分が行かないという選択肢はないらしい。まあ当たり前だ。そして自分と子どもの二人でないと、さすがに園内での妻の面倒は難しいから、これは当然といえば当然である。

 

 子どもがディズニー好きになったのは多分自分の育て方にあったからだろう。0歳児の頃からディズニークラシックのアニメを見せて育てた。とにかく隙あらばディズニーである。最初は『ピーターパン』、『眠れる森の美女』あたりだったか。そして『白雪姫』、『シンデレラ』、『ダンボ』、『ファンタジア』、『101匹ワンちゃん~』などなど。とにかくクラシック・ディズニーオンパレードである。

 極めつけは妻が病気になった後だったが、たしか小学5年生のときに家族三人でアナハイムのディズニーランドへの旅行を実行した。病気で車椅子になった妻に普通の生活をさせる、海外旅行だって無理じゃないと、まあそういうことでやってみた。まあ旅行中でもあまり移動のない、一か所滞在ということで思案して、ディズニーランドが一番いいかとそんなことだったように記憶している。

 これで子どものディズニー好きに拍車がかかったみたいだ。最終的に大学も芸術専攻して、卒論がディズニー音楽とかそっち系だったりとか諸々あった。個人的にはその卒論は作文じゃないかと冷やかしたりもしたが。

 

 それではディズニーに関して自分は冷ややかかというと実はそうでもない。もともとテレビで放映されていた「ディズニーランド」をかかさず見ていたクチである。たしかあれは日テレでプロレスとかそのへんと隔週交代で放映されていた。

 そして戦後にリヴァイバルで上映されたディズニークラシックのアニメ映画も親が連れていってくれた。ある意味、ディズニー的なもの、戦後の豊かなアメリカ文化で人格形成されたようなものだ。小学校に上がる前は横浜山下町に住んでいて、本牧など周囲には米軍関係者も多数住んでいた。

 子どもにクラシック・ディズニーのアニメを見せたのも多分自分がそういう出自だったからかもしれない。

 とはいえ、昨今のディズニーテーマパークの混雑ぶり、あの喧噪には正直ついていけない部分もあった。2009年に訪れたアナハイムのディズニーランドはとにかく空いていたし、人気アトラクションでもせいぜい30分待つかどうかだった。なんというかゆったりとした雰囲気だった。多分、その頃の本場ディズニーというのは、アメリカのティーンエージャーの間ではダサイもの、クールじゃないものの象徴みたいなところだったのかもしれない。中西部のお上りさんが観光で訪れるようなところだ。

 でも、2020年に訪れたときは状況が違っていた。ウィークデイなのにメチャ混み状態で、人気アトラクションは90分待ちなど当たり前だった。密かに、本場ディズニーのTDL化みたいなことを思ったものだ。まああれはディズニー本社の不断のマーケティングピクサーやマーベル買収などによるメディアミックの成果なんだろうとも思ったりもした。

 

 そういうのはまあいいとして、とりあえずディズニーシーである。ウィークデイとはいえけっこうな込み具合。トイ・ストーリー・マニアやタワー・オブ・テラー、センター・オブ・ジ・アースなどの人気アトラクションは60分以上の待つなどなど。それでもソアリンは60分待って乗ったり、インディ・ジョーンズは30分くらいで乗れた。

 ソアリンは日本では初めてだったけど、アメリカですでに2度乗っている。まああれはなかなか楽しめた。

 なかなか抽選でも外れてばかりで、もう10年近く見ていないビッグバンド・ビートも今回は抽選当たった。でもね、バンドの生演奏はなくなっていて、ミッキーやミニーとタップダンサーによるダンスだけ、歌も演奏もテープだかなんだかになっていた。子どもによるとコロナで一時期中止されていて復活してからはずっと生演奏はなくなっているのだとか。

 結局、コロナを理由にしてバンドをリストラしてしまったんだろうなと思ったりもする。ビングバンド・ビートはビッグ・バンド・ジャズバンドの生演奏が聴けるというのがウリだったのだが、多分バンド演奏なくてもミッキーとミニーが踊っていればそれでヨシということになったのだろう。まあディズニーテーマパークに訪れる客のニーズはそんなものかもしれない。

 

 まあ昔みたいにガツガツとアトラクションをこなすみたいなこともないので、とりあえず5~6くらい乗ったり観たり。最後のショー「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」も一応観ることができた。膝立ちでけっこう足がしんどかったけれど。ちなみにあの手のショーは、「ファンタズミック」はけっこう面白かったけど、それ以外はだいたい似たり寄ったりかなと思ったり。まあこれは個人の感想です。

 以下、イメージショット風に。

 

 

 さすがにチケットをプレゼントしてもらったので、飲食は全部親が出した。まあ当たり前といえば当たり前。しかしなんでも高いよね、ここは。

 

 

 

 ウィークデイでも人出はけっこう凄かったし、マスクしている人は本当に少数だった。自分も最初はしてたけど、途中でやめてしまった。やっぱり郷に入れば郷に従うみたいなことか。

 お客さんはもちろん日本の人が多いのだろうけど、当然のように外国人も沢山来ていた。まあ東洋系だと日本なんだか、中国、台湾、韓国なんだかはよく判りません。東南アジア系も沢山いたし、もちろん欧米系の方々も。

 閉園間際にお土産物をとショップに入るも、あまりの混雑にびっくり(さすがに入ってすぐにマスクをした)。結局なにも買わずに出てきた。こういうのは以前から何度も経験しているのに、まったく学習してないんだな。

 とりあえず妻は大満足な一日。また秋に行きたいとか言ってる。

 でもね、もうディズニーは当分いいかなと思うし、子どもにあまり無理もさせたくない。できれば何年かに一度、子どもと三人で来ることができればいいと思っている。その先では、子どもの家族と一緒とか。まあそれがどのくらい先のことかは判らない。

 でも、久々家族三人で過ごせてとても良かったし、小さな幸福を享受したような気になっている。