東照宮から駐車場に戻るときに、せっかくだからとここにも寄った。
日光東照宮ホームページ|日光東照宮美術館 (閲覧:2023年1月10日)
この美術館は一昨年の大晦日に初めていった。
東照宮の旧社務所を美術館にしたもので、入り口で靴を脱ぎ階段を登ったところに入り口がある。中は畳みの広い部屋と板張りの廊下を。部屋の中にある障屏画を見て回る。実際に使われている障屏画を間近にで観ることができるところが、他の美術館にはない独特の趣がある。ただし靴下を履いているとはいえ、真冬に畳や板張りの廊下を歩くのはちとしんどい。これは前回も感じてそんなことを書いている。さらに各部屋には暖房もない。
部屋と廊下を歩き、二階に上がってまた降りてと、ちょっと迷路みたいな雰囲気である。こういう古い大きな屋敷を美術館にしているのは、埼玉の川島にある遠山記念館もこんな感じだったか。あそこは二階には行けないようになっていたけど。
展示されている障屏画は、目玉が横山大観、荒井寛方、中村岳陵、堅山南風など。大観の<朝暘之図>は、大観らしい朝日を描いた8面の屏風絵。多分裏表なのだが、裏側は観ることができない。二階の古い応接間に展示してあり、やや薄暗いのであまりよく見えない。照明が欲しいところではある。
荒井寛方、中村岳陵は画力があり、素晴らしい屏風絵だ。前回も感じたことだが、中村岳陵というと東近美の《気球揚がる》などモダンな作風を思い出すのだが、ここにある作品はオーソドックスな日本画。うまく結びつかない感じ。
中村岳陵の作品をまとまって観たことがない。調べると2008年あたりに横須賀美術館で回顧展が行われているが、それ以来開かれていないようだ。どこかでやらないかと思うのだが。モダンな雰囲気の美人画、風俗画風のものも多いようなので、そこそこ人気がでるかもしれない。菊池契月、中村大三郎、丹羽阿樹子、太田聴雨あたりと組ませてモダン美人画展などあればと思うのだが。