遅い食事の後、どこへ行くかとなる。時間は3時くらい。さすがにこの時間からいろは坂を上る根性もないし、とにかく宿の夕食は6時からである。至近といえば一番至近なのは坂を下りてすぐに小杉放菴記念日光美術館がある。ざっとネットでググってみると、「大観とその時代 光ミュージアム名品展」をやっているという。
光ミュージアムは岐阜にある美術館で、浮世絵、日本画の膨大なコレクションがある。以前、高崎市タワー美術館で光ミュージアム所蔵の肉筆浮世絵展を観に行ったが、その質、量に驚いた。今回は「横山大観とその時代」と銘打っているので、日本美術院に集った画家のものが数多く観ることができそう。ということですぐに駐車場に戻り行ってみることにする。東照宮の駐車場から日光美術館は坂を下ってすぐなので、それこそ数分で着く。美術館の駐車場は東照宮などへの観光にも利用されているのだが、美術館利用だとたしか1時間くらいは無料だっただろうか。
時間も3時過ぎだったので駐車場もガラガラの状態。まあウィークデイだし。
展示内容は光ミュージアム所蔵品42点、そのなかで横山大観が11点、小杉放菴が5点、菱田春草2点、川合玉堂2点、あとは有名どころが1点ずつ。その内容がというと、橋本雅邦、木村武山、下村観山、小林古径、前田青邨、小川芋銭、安田靫彦、冨田溪仙、堅山南風、川端龍子、奥村土牛、竹内栖鳳、上村松園、鏑木清方、伊東深水、田中以知庵、磯田長秋、福田平八郎、平福百穂など。他に日光美術館所蔵の小杉放菴作品が7点。
これだけの充実した展示内容でありながら、館内は私と妻の二人以外誰もいない貸し切り状態。まあウィークデイの遅い午後とはいえ、こんな贅沢な時間を過ごせるのは。なにか申し訳ないような感じもしてくる。