武道館で開かれたノラ・ジョーンズのライブに行って来た。
NORAH JONES - ノラ・ジョーンズ日本公式サイト (閲覧2022年10月19日)
5年ぶりのライブツアーで6公演、武道館では3回の公演が組まれている。
10月11日 札幌文化芸術劇場
10月13日 ゼビオアリーナ先代
10月14日 日本武道館
10月16日 日本武道館
10月17日 大阪城ホール
10月18日 日本武道館
武道館で3回、大阪城ホール1回、これだけのキャパで集客できるというのは、ノラ・ジョーンズ人気あるんだね。自分はというと、それほど良く知っている訳ではないか。CD棚あさってみたら、案の定デビュー盤しかなかった。なぜか2枚あったのはご愛敬。
確かこのデビュー盤出た時に、ブルーノートから凄い新人が出たきたとかって騒がれたんだったか。おまけにラビ・シャンカールの娘だとかその辺の情報もあったりして。
どうでもいいことだけど、誰かのブログか何かに出ていたのだが、子どもにノラ・ジョーンズを説明するのに、ラビ・シャンカールの娘だってことから始めたら、ラビ・シャンカールって誰だって話になって、ビートルズに影響を与えたとか、ジョージ・ハリソンにシタール教えたとか、バングラデッシュ・コンサートに出てたとかなんとか、どんどん泥沼にハマルっていう話があって、けっこう面白かった。まあ若い子にラビ・シャンカールなんて言っても誰も知らんわという話だ
ちなみにCDをiTunesに取り込むときにジャンルを確認すると、ノラ・ジョーンズはジャズではなくPOPジャンルがデフォルトみたい。改めて聴いてみると彼女の曲で厳密な意味で4ビートって少ない。そういう意味ではポップスやオルタナ系が正しいのかもしれないし、ジャンルレスとしてもいいのかも。
彼女の経歴とかを見ると、父親ラビ・シャンカールといっても、3歳のときに離婚していて、母親が故郷のテキサスで彼女を育てたという。彼女の音楽趣向はジャズというよりもカントリーやソウルみたいなところで形成されたのだとか。いわれてみればけっこうカントリーぽい曲調あるなとは思ったりもする。ペダルスチールが割と頻度高く取り入れられていたりとかも。
あとノラ・ジョーンズというと、なぜか映画「TED」に本人役でカメオ出演していて、確かTEDの元カノっていうとんでもない役柄演じていた。確かライブで曲も披露していたような。まあこのへんもどうでもいい話だ。
今回のライブは、数ヶ月前に友人が「ノラ・ジョーンズ行きますか」ってメールして来たので、「いいよ」と返してみたいな感じです。友人はデビュー以来、けっこうきちんと追っかけているようだけど、自分はデビューアルバムで基本止まっている感じ。
なのでライブ前日にあわてて情報を集めると、なんと今回のツアーは彼女のデビュー20周年記念みたいな色合いもあるのだとか。ノラ・ジョーンズは43歳だから23歳でデビュー、自分はというと40代半ばみたいな頃。なんか遠い目をしてしまうな。
自分の中ではなんとなくダイアン・リーブスとかカサンドラ・ウィルソンとかそのへんが新生ブルーノートから出てきて、なんか若い子出て来たなみたいに思ったりしたのが80年代。もっともこの二人はほぼ自分と同じ世代なんだけど。なのでノラ・ジョーンズは2000年になって出てきたという点でいえば、なんかこう自分の娘みたいな感覚があったりもする。まあ20代すぐに結婚でもしていたら、そういう年齢の子どもがいてもけっしておかしくないのだと思うと、微妙な気分ではある。そういうものだ。
なかなかライブにたどりつかないな。もう一つ事前情報的に見たのがこのウドーのサイトにあるライブ・レポート。デビュー20周年ということでデビュー・アルバムから4曲も選曲されているのだとか。
NORAH JONES - ウドー音楽事務所 (閲覧2022年10月19日)
だいたいこのレポートでライブの雰囲気はつかめた。
6時に九段下駅に着き武道館に入ったのは15分くらいか。少しすると仕事終わりの友人と落ち合う。そして30分になると会場明るい中でオープニング・アクトとしてロドリゴ・アマランテが登場。ギター弾き語り(1曲だけピアノ)で7~8曲歌った。ボサノバ系の人でなんとなく遠目から聴いていると、そうだな昔のピエール・バルーみたいな雰囲気がある。
もともとはロックをやっていた人で1976年46歳。もうベテランなんだな。Youtubeで検索すると、彼がやっていたロス・エルマノス(LOS HERMANOS)の演奏もけっこうヒットする。たまたま今年の6月のノラ・ジョーンズのライブのオープニング・アクトの映像があった。曲順もだいたいこんな感じだったか。
7時10分くらいにロドリゴ・アマランテのアクトが終了。20分の休憩を挟んで7時30分ジャストからいよいよノラ・ジョーンズが登場。まずはバンドの三人が出てきて演奏を始めそこにノラが登場する。事前に調べたセットリストと同じで「Just a Little Bit」から。最初、ステージ中央で歌う。基本カルテットで彼女はピアノかギターを弾きながら歌うのだが、立って身体を揺らしながら歌うのは珍しいらしい。もっともワンコーラス終わると彼女は定位置のピアノに戻って演奏を続ける。
オープニングのこの1曲で一気に惹きこむようだ。メンバーはドラムがブライアン・ブレイド、ベースはクリス・モリッシー、ギターがダン・アイード。ベースのモリッシーはウッドベースとエレクトリック・ベースを持ち替え、ギターのアイードは何曲かペダル・スティール・ギターを弾く。
しかし武道館という大きな器でカルテットだけで観客を魅了する演奏、ノラ・ジョーンズのヴォーカルとピアノはもちろん、バンドメンバーの技量も秀逸だ。ドラムのブライアン・ブレイドは52歳、2000年代からウェイン・ショーター、チック・コリアらとも共演している人で有名らしい。的確なドラミングは秀逸だが、それ以外のメンバーも負けず劣らず。個人的にはベースとバック・ヴォーカルもこなすクリス・モリッシーのベースはけっこう好感もてた。
4人だけでの演奏でも心地よさと程よい緊張感もあって、曲調の似た曲が続いてもダレることがない。友人とはこのキャパで4人だけでもたせるのは、やっぱり半端ない技量だねと話す。友人曰く、技術も進歩しているねとも。席から見下ろすと左下のところにあるPAセットを指さしてみる。
曲は16日の武道館、17日の大阪城ホールとも微妙に違っている。ラストに持ってきたのは「Come away with me」、「Nightingale」の2曲。そしてアンコールは「Don't know why」。このへんはデビュー20周年を意識しつつデビューアルバムからの選曲。ある意味彼女の代名詞のような曲。
<セットリスト>
Just a little bit
I'm alive
What am I to You?
Sunrise
Something is calling You
It was You
Little Broken Hearts
Rosie's Lullaby
Say no more
Tragedy
Happy Pills
Carry on
Falling
Say goodbye
Come away with me
Nightingale(アンコール)
Don't know whyノラジョーンズ 来日 ライブ 2022 全公演 セトリ【JAPAN TOUR】 | ライブ&コンサート (閲覧2022年10月19日)
ライブは定刻の9時で終了。ツアー最後なのでアンコール2曲いくかと思ったけど、「Don't know why」だけで終了。考えてみれば16日武道館、17日大阪城ホールとこなしての三日目だけに、まあそういうものかと思った。
ライブ後は飯田橋方面に流れて、九段の沖縄料理屋で軽く飲んだ。店も10時半オーダーストップ、11時閉店。友人も翌日仕事だというので泡盛1杯だけにする。頼む時に、飲み方はと聞かれたので当然コップにストレートでと。「昔は、ソーダ割を頼むと怒られた」と昔話を披露。ママさんも「昔は35度と43度しかなかったね」と答える。この店は60年、還暦を迎えたとか。自分らが通ったのも40数年前のこと。時は流れる。
いい音楽といい酒でほろ酔い気分で帰ることに。
そういえば、地下鉄飯田橋の駅内でライブ中に飲むように買った酒やナッツがカバンの中に入っていた。とても飲みながらライブ聴くっていう雰囲気ではなかったので、そのままになっていた。