大学へ行く

 ちょっとした事情があり出身校というか、母校に行くことになった。

 その前に行ったのはいつだろうかと、この雑記の記録をみるとどうも2017年に行っているらしい。5年前のことだ。どういう理由で行ったのか特に書いていないが、多分同窓会の地区支部の立ち上げみたいなことだったんじゃないか。役員決め、ちょっとした懇親会などがあり二次会はということになったのだが、早々に引き上げた。それから大学周辺をぶらぶらしたあと、多分父の生まれた場所のあたりに行き、それから野毛の方に行った。昔良く通ったジャズ喫茶に寄ったんだったか。

 学校に行った理由はというと、ある通信教育制の大学を受講しようかとどうか思案中だ。すでに願書とかも取り寄せているのだが、一応大卒だと3年次編入ができるということらしい。ただし卒業証明書と成績証明書が必要になる。ということでまあ発行してもらうことにした訳。

 しかし大学卒業したのっていつのことだ。ええと、確か1980年・・・・・・。おそよ42年前のことだ。あるのかそんな記録。

 一応、大学HPには卒業生のための証明書発行についてもきちんと載っている。卒業証明書は即日発行、成績証明書は発行まで一週間くらいかかる場合があるとか。自分の場合だと間違いなくそのくらいかかりそうな気がする。頭の中で巡らした想像イメージだと、倉庫の奥から書類箱に入った中から年次、学部、学科ごとに束になった書類から引っ張り出してコピーして。担当の職員がかび臭いなあとかぶつぶつ言いながらみたいな図である。

 まあそういう昭和時代のイメージは置いといて、多分PDFかマイクロフィルムにしてあるものを検索して印刷という風ではなかろうかと、まあこれも適当な想像である。

 一応、朝一番で電話をしてみると、卒業証明、成績証明も発行可能であること、地方であれば郵送も出来るとのことだった。念のため「ええと、卒業年次が1980年なんですが」と聞いてみると、スラスラ答えてくれていた女性が口ごもって、「少々お待ちください」と。ちょっとしてから「大丈夫です。いらっしゃっていただければ卒業証明書はすぐに発行します」と。

 大学はまあ5年前からするとさほど変わってはいない。ただし付近の建物が軒並み変わっているような気がしないでもない。大学の建物もかなり増殖しているようで、42年以上前には15号館くらいまでだったのが、今では30号館以上ある様子だ。

 目指す教務課は以前の建物とは別のところにある。そこで所定の請求用紙に記入して印紙をはって提出。窓口の担当者からは「5分程度で発行できるのでロビーでお待ちください。お持ちします。」とのこと。「成績証明も即日発行ですか」と聞くと。すぐに発行という。

 ロビーで待っていると担当者が書類を持ってきてくれた。卒業証明書は昭和55年3月25日。成績証明書もざっと見てみると、専門科目はけっこう「優」が多くて笑えた。政治学関係、商法、民法関係などなど。ほとんど勉強した記憶もないのだが、まあたいした大学でもないからなあという感慨。

 証明書をもらってからは、かっての溜まり場だった部室棟をちょっと通って早々に後にした。なんていうのだろう、建物も新しくなっているし、42年前とはほとんど変わっているけど、どこそこで内ゲバがあったとか、知人が自裁したとか、ろくでもない記憶が蘇ってくる。もっと楽しいことも沢山あったのに、それまで忘れていたようなつまらないことが思い出される。まあ出身校なんて今更来るものではないなと思ったりもした。