国立で遊ぶ

 久々、友人と国立で昼飲みしてきた。

 国立に来たのは多分、10数年ぶりくらいになるのだろうか。もう記憶に残っていないくらい前だと思う。確か増田書店のぞいてジャズのライブを聴いたんだと思う。渋サ知らずにいた小森慶子が出ていたような記憶がある。

 ということで、国立はあんまり縁のない場所。一緒に行った友人から聞いたけど、国立という地名というか駅名は、単純に国分寺と立川の間にあるということでついた名前らしい。もっと国家的プロジェクトみたいなものがあったのかと密かに思っていたのだが。

 駅周辺からの街並みは基本的に直線道路とそれに直角の道で区画されている。昭和初期に西武の堤康二郎が大学を誘致して、最初から学園都市として開発したということらしい。最初に千代田区にあった東京商科大学(現一橋大学)を招致してそこから街づくりが始まったのだとか。

国立市 - Wikipedia

 その東京商科大学があった一帯が一ツ橋地区ということで、今は小学館や岩波、有斐閣なんかがあるあたりだ。出版業界にいると小学館グループは一ツ橋と称されて講談社系は音羽とかいわれたている。まあ岩波とかも一部では符丁として「一ツ橋はさあ」とか言ったりもしないでもない。ついでにいえば、移転した東京商科大学の建物を岩波茂雄が購入して岩波本社として使っていたというのは、岩波にいた人に聞いたことがある。蔦のからまる由緒正しい建物だったらしい。

 というようなウンチクも特になく、まあせっかく国立に来たということで物見遊山で一橋大学をちょっと見学する。正門入ってすぐ右手にあるのが国登録有形文化財である兼松講堂。ここは中に入れなさそうなので外から眺めさせていただく。

 それから図書館の方に行ってみる。

 兼松講堂、この図書館ともにロマネスク式建築で、アーチ型の窓やコリント式円柱が使用されている。内部も見事に交差ヴォールトのドーム型天井。まあこのへんは最近、西欧美術史をお勉強したので、全部受け売りではあるのだが。

 その後は国立の住宅地を10分くらい歩いて目当ての店へ。ここは友人が予約してくれていたのだが、なんでも地元の酒屋が始めたブルワリュー併設のレストランなんだと。友人は時々奥さんと一緒にランチをされているとか。ディープ埼玉に住む人間からすると、けっこう敷居が高い。まあアルコールが入ってしまえば基本、どこでも同じスタンスで飲んだくれるだけではあるけど。

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 隣接するブリュワリーにはこんなオブジェも。

 最初に4種類のビールを選んで飲み比べることができるビアフライトというのを試してみる。まあなんていうんだろう、昔よく流行った地ビールという感じ。普通のビールっぽいのもあれば、果実酒っぽいのとかも。最近、家では缶チューハイばっかりなんで、たまにビール飲むとけっこうホップの味というのを実感すること多いのだが、今回も「おっ、ビール」みたいな感じで舌が反応する。まあ、こういうのは最初だけで、飲み進めると結局ただのビールっていう感じになる。

 ウィークデイの昼時だったので、お客さんはというと圧倒的にマダムというか、キレイでオシャレな女性客が多い。そこにおっさん二人で飲んだくれようとしてるので、ちょっと場違い感あるが、まあ知ったこっちゃない。

 友人とは半年ぶりくらいに会ったので、近況やら最近観た映画のことや、音楽、本などといつものようにバカ話を続ける。気がつくと3時過ぎくらいで、客も自分らだけになる。

 まあお互い年も年ということで、昼酒だけで切り上げて、駅に戻る途中に古本屋に寄って適当に物色。お互い500円の本を1冊ずつ購入して駅で別れた。

 こういう昼酒もたまにはいいものだとは思った。建築とか美術館行ったりして、その後でダラダラと酒を飲む。老後のジイさんの正道はこれかもしれないな。