熱海城 (11月18日)

 湯河原美術館を後にして宿のある伊東を目指して海沿いの道を走る。

 熱海に近づくと道の両側の山というか崖的な斜面が目に入ってくる。特に海沿いの急な斜面には木々生い茂っており、所々に別荘や保養施設が点在している。昔、岩波茂雄の別荘で、その後時代劇作家佐伯泰英が買いとって改修し維持管理をしている惜櫟荘を見に行ったことがある。

 案内してくれた人のいうがままに車2台で狭い道を進んでいったのだが、急な斜面のではカーブで一度止まろうものなら、進めなくなるような急こう配だった。自分の車はアクセル踏み過ぎて道路にタイヤの跡をつけるは、もう1台は途中で切り替えせず立ち往生するわでえらいことになった。岩波茂雄もまたえらいところに別荘建てたものだと正直驚いたものだ。

 運転をしていた自分は、道路のやばさで早く普通の道に戻りたいとばかり思っていた。惜櫟荘は道路からさらに奥の方にあるらしいのだが、いちおう道路に車を止めてうろうろしていたら、ちょうど佐伯泰英が車で出かけようと出て来たところだった。案内してくれた人は顔なじみらしく挨拶を交わしていた。佐伯氏が乗っていたのは割と地味なプリウスだったとか、なんかどうでもいいことを覚えている。

 7月の土石流による災害のこともあるが、さながら熱海はすべて坂の中という感じだ。まあちょっと変な表現だけどまあいいか。あくまで雰囲気の問題。

 135号線を南下して熱海の中心部、海沿いのお宮の松あたりを通ると正面の山の方に城らしきものが見えてくる。ちょうど最近行った岐阜城とか姫路城の話をしていたところなので、妻にほら熱海城が見えるよと言うと、すかさず「行きたい、行きたい」という返事。これもテレビでやっていたらしく当然のごとく知っていた。

 すぐにナビを入れると135号沿いから左逸れてからくねくねと山に登っていくらしい。

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熱海のオススメスポット 熱海で遊ぶなら|熱海城

熱海城 - Wikipedia

 ウィキペディアにもあるとおり熱海城は歴史的な遺構でもなんでもなく、ただの観光施設。見晴らしのいい展望施設をお城的に作ってみましたというもの。しかもロープウェイまで作ってしまったという感じ。お城の隣にはトリックアートが併設されているのと、ちょっと下ったところには温泉観光地には必ずある例の秘宝館なんていうのもある。そもそもに熱海城の中にもそれ的なニーズとして3階に春画・浮世絵展なる展示施設があり、北斎歌麿国芳など著名な絵師の春画の複製が展示してある(ここは18禁コーナー)。

 6Fのパノラマ展望天守閣から下に降りていくと5F江戸体験コーナー、4F江戸のなぞ絵・あそび絵、3F春画・浮世絵展、2F日本城郭資料館、1Fゲームセンターなどとなっている。日本城郭資料館なんかも各地の有名な城郭の模型と簡単な説明があるだけだったり。それっぽくなっているけれど、全部割とチープな観光施設的で併設のトリックアートも含めてまあ観光地のゆる~い感じが満載である。

 まあ熱海だしこんなものでしょうか。いちおう展望天守閣からの景色はそこそこにキレイではあったけれど。

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