四万温泉周遊

 木曜はカミさんのデイケアが休みの日。仕事をしている時には昼休みに二人で近所のファミレスやイタメシ屋でランチをすることが多かった。仕事をやめてからはなんとなくお出かけみたいなことが多くなっている。その分、土日のお出かけは少し減ってきているかもしれない。

 まあウィークデイの方がどこへ行っても人は少ないし、もともと美術館など人出が少ないところに行くことが多いのだけど、今回どこに行きたいかというと四万温泉という答えが返ってくる。なぜに日帰りで温泉かと聞くと、四万湖がキレイだとか四万温泉に『千と千尋の神隠し』のモデルになった温泉旅館があるとかいう。あとで良く聞くとテレビで仕入れたネタらしい。それもあのサンドイッチマンがやっている『バスサンド』だとか。

 パソコンのナビで調べるとだいたい2時間くらいで行ける距離だという。ディープ埼玉と群馬は近いのである。この前も高崎の美術館に行った時も1時間足らずで着いたくらいだ。まあ2時間くらいならウィークデイで道路も混んでいないしということで出かけることにする。

 まずは関越道を渋川伊香保ICで降り一般道で国道353線で四万温泉まで一本道である。途中の中之条ではこんな看板を見て妙に懐かしい思いになったりもする。

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 そう、昔は本屋さんがレコードも一緒に置いているなんていうのは普通にあった。当然取次もレコードを扱っていた。最初に勤めた書店が取引していたのはトーハンだったけど、レコードとかも納品していたような記憶がある。しかし東芝レコードという名称がレトロというか。もうずいぶん前から東芝といえばEMIなんだけど、この看板はいつ頃設置したのものなんだろう。

 353線を登っていくとまずは中之条ダムに着く。ここがダム湖になっていて四万湖ということらしい。かなり湖面はキレイでカミさんが仕入れた話だと四万ブルーというのだとか。ダムには歩道があって湖岸まで行くことが出来る。

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 さらに353号を登っていくと一応このへんの観光名所だという甌穴というのがある。川の流れで石が循環して川底の岩を削って穴状になるのだとか。何万年という気の遠くなるような歳月によって生まれるものなのだとか。

甌穴 | 四万温泉協会

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 ここは急な階段を降りていくので、車椅子は入り口に置いてカミさんは手摺につかまってゆっくり降りる。一番したまで降りても岩場はまったく歩けないので手ごろな岩に腰かけて遠目から見るだけ。自分だけあちこち見て回った。多分、健常な一般の人だとせいぜい15分から30分くらいあれば下まで降りて見物して戻ってこれるのだけど、まあうちの場合だとゆうに1時間近くかかる。人が少なかったのも幸いだが、しかし来ている人たちがみんなうちのようなリタイア中高年っぽい人たちばっかりである。

 それから四万温泉郷に入る。狭い温泉街を車で行くが結局大きな田村という旅館の前でユーターンして公営の駐車場に車を止め車椅子で戻るような感じ。『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルになったという積善館は入り口の橋のところまで行くことができる。もっとも『千と千尋の』モデルとしては渋温泉の金具屋など幾つかそういう宿があるので、こういうのは言ったもん勝ちみたいなところもあるかもしれない。

四万温泉 積善館(せきぜんかん)【公式】|群馬県の温泉旅館

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 ウィークデイということもあって温泉街も閑散としている。スマートボール場なんかもあるのだが、みんな店が閉まっている。土日とかには営業しているのだろうか、コロナで店自体が閉まっているとかもしれない。

 その後は353号線の終着の奥四万湖へ。国道353号線群馬県の桐生から新潟の柏崎に至る一般国道ということだが、奥四万湖から新潟側までは不通となっている。狭い山道さえもどうもないようで、まあここは一大トンネルでも掘らないと開通はあり得ない。

 湖の周囲は車の一方通行で所々はけっこう広くなっている。一周して四万川ダムを通るルートになっている。時間もやや遅めだったのであまり人もいない。静かで美しい湖。湖岸から撮った写真はなんとか浮世絵の風景画っぽい構図。

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