近代美術館の常設展、近くの北の丸公園や千鳥ヶ淵の桜に呼応する企画として、花をモチーフにした絵を多数展示している。
この時期にだけ展示している川合玉堂の「行く春」を楽しみにしている。いつもの4階ハイライトの部屋に行くと、ない。そこには安田靫彦の「黄瀬川の陣」がある。まあこれも名作なんだが、この時期ここには「行く春」がないと。
監視員に聞いてみると3階の日本画の間にあるという。そこでハイライトの間の代表的な名画をするっと周遊し、さらに隣の間を観てからから階下に降りる。日本画の間にはありました。
しばらく少し遠めの柱にもたれるようにして座りこんでボーっと眺めていた。なんかこのまま死んでいいくらいの気分である。秩父長瀞峡を描いた作品だが、日本の四季、散る桜にゆっくりと過ぎていく春の雰囲気がよく描かれている。
ある意味、日本画で最も好きな作品の一つ。ゆったりとした時間、こういう絵の中に入り込んでしまったら、どんな気分だろうとも思う。この絵を眺め、ぼーっとして眠りについたらどんな夢をみるか。
この日本画の間には、美術館の春まつりよろしく花の絵が多数展示されている。