西洋美術館ープラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光

 久々、西洋美術館へ行く。特別展は「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」。
日本スペイン外交関係樹立150周年記念 プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光|過去の展覧会|国立西洋美術館
プラド美術館展

 自分のストライクゾーンは19世紀から20世紀にかけての主にフランス絵画。ようは印象派中心で、ルネサンス期やその後のバロック、古典主義といったところは割とスルーみたいな部分もあるにはある。ただし半端ない画力、構図、構成力、ようは絵のうまさという点で、一般的にオールドマスターと呼ばれる名作の数々には、絵をいろいろと観れば観るほど、その良さがわかってくるようなところもある。
 今回のプラド美術館展、特にベラスケスや同時代のスペインの画家、ジュゼッペ・ド・リベーラたムリーリョといった巨匠達の作品には普通に感銘を受ける。
 まずベラスケスについていえば、基礎知識が乏しいのだが、フェリペ四世の寵愛を受けた宮廷画家。時代的にはバロック期の画家で写実性と劇的な構成力を持っている。同じバロック期のカラヴァッジョやリューベンスの影響を受けつつ、独自な構成、光と影の部分を見事に描いているかなと思ったりもする。
 マネはスペイン絵画を取り入れたという話を聞く。「笛を吹く少年」などにそれが顕著というのだが、今回ベラスケスの絵を観て、マネの特徴ともいうべき黒の表現はまさしくベラスケスの影響なのかなと思ったりもした。
<ベラスケス「メニッポス」>

 この老人がまとうマントの黒はまさにマネのそれだ。ややグレーがかった表現は光を受けた黒である。これは定説の一つなのか、あるいは自分の単なる勘違いか。
<ベラスケス「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」>

 劇的な要素の高い作品。馬の胴体が膨らんでいるのは、本作が戸口の上に掛けられていたため、鑑賞者が低い位置から見ることを考慮されているためという。本当だろうか、ベラスケスは屋外で馬をスケッチするようなことは多分なかったのではないかと思ったりもする。
 そういえばダ・ヴィンチの描く馬ももっと後のドラクロアの描く馬も割と太めだったような気がする。ひょっとしたらだが、痩せてスマートな馬というのは近代になって、それこそ競馬とかが盛んになってから改良されて出てきたのではないかと思ったりもする。そう思うとドガが描いた競馬場での馬は確かにスマートではある。
 その他ではこの2枚が割と気に入った。
<グイド・レー二「使徒大ヤコブ」>

<ムリーリョ「小鳥のいる聖家族」>

 ムリーリョの描く女性の表情はいつも優しい。
 その後はいつもの常設展に行く。数点の模様替えがあった模様。新館の特設展示では「マーグ画廊と20世紀の画家たち―美術雑誌『デリエール・ル・ミロワール』を中心に」をやっていて、マティスやボナール、ブラックらの素描やリトグラフが観れた。これはもう一度ゆっくりみたい。