自治会について

週末はご近所回って自治会費の徴収をしていた。自治会費!?、そうなのである、4月からなんと自治会の班長さんなどというもののお鉢が回ってきたのだ。
しかし、自治会ってなんだよと。ようは戦時下、大政翼賛会の末端組織である町内会、隣組だろ。民衆支配の末端装置の一つの成れの果てなんだろう。敗戦後、進駐軍によって廃止された制度が、おそらく逆コースの過程で<自治>会という名称変更で復活した、まあそういう歴史的経緯のものだろうと。
さらにいえば、「自治体事務の委任(下請け)で広報紙を町内会等が配布したり」とまあこのへんはウィキペディアの受け売りである。
町内会 - Wikipedia
とまあ、もう端から否定的な立場である。まあある種のご近所付き合いの一環なんだろうが。それでこの間、やれ総会だの、班長会議などにも出たが、役員の口から出るのは、みな一様に「なりたくてなっているのではない」だの、「他にやる方がいないので」、「じゃんけんで負けてしかたなく」だのと、マイナスな発言のオンパレードである。それならみんなでやめちゃえばいいじゃんとも思わないでもない。
そもそも自治会だの町内会だのは任意の団体で法人格ももたない。親睦会的な性格とご近所付き合い部分がまず最初にあり、そこに所謂身近な生活面での様々な約束事的な部分、まさしく住民自治の側面も加味されていたりと、とにかく性格付けがきちんとされていない部分もあるわけだ。
そして班長会議とかの流れを見ていて思ったことはたった一つ。この組織は仕事をする組織になっていない。そのへんが親睦会的なところでもあるのだろうが。例えば連絡についても原則、ペーパーによる回覧だの、電話連絡が中心である。回覧板だの、どこかで滞ったらそれでお終いではないかい。さらに電話連絡だのは、早朝、深夜は生活への侵害だろうとも思うし、必ずつながるとも限らない。
ここ10年ぐらいのコミュニケーションの進歩は画期的なものがある。その最たるものがインターネット利用であり、その一環としてのメールである。なぜそれを利用しないか。必ず出るのがお年寄りなど情報弱者がいるからと。
お年寄りは回覧板だって見たり、隣家に回すのも大変だろうに。そういう方々には別の情報提供手段が必要であり、それを自治会、町内会の末端に行わせるのはちょっと違うのではないかとも思う。
そんなこともあり、一度メール利用のことを言ってみたのだが、役付けの方の回答は、「基本電話対応で大丈夫、私や○○さんなどは、夜でもばんばん電話してもらってもかまいません」と。仕事もあるので、連絡が8〜9時過ぎになることもありえる。そんな時間に親しくもない方に電話連絡したくないからこその提案なのにとも思ったが、もうこれは何を言っても伝わらないなと思った。
それで思ったこと、この組織は仕事をするところではないなということ。以前、マンションに住んでいたときに管理組合の役員を経験した。あれは確実に仕事だったと思う。あれは区分所有法というきちんとした法規に則った活動だったし、実際世帯数で700以上という大型のマンションだったので、管理費など扱う金額も軽く億を超えていた。
また、集まった理事のけっこう仕事面でできる人が沢山いた。ソニーやホンダでばりばりやっている人とかもいたから、ある部分異業種交流会みたいな側面もあったかな。例えばメーリングリストを利用した意見交換だの、メールに議事録添付して回覧するなんてこともあのときにコツをつかんだ記憶がある。かれこを12〜13年前の話ではあるが。
それに引き換え今回の自治会についていえば、これはもうまったく業務的ではない。情報伝達も仲の良い隣近所(例えば子どもが同級生だとかのそういう繋がり)だとスムーズにいくのだが、私のように昼間仕事をしているところだと当然のごとくスポイルされていく。結局ね、主婦の井戸端みたいな形の延長上にあるんじゃないかと思わないでもない。これはちょっと私には難しいのかなとも思う。
たぶんに自治会とかの主体を形成しているのは、明らかに主婦のお母さんたちであり、あるいは定年組のお父さんたちのようにも見受けられる。まあ違っていたらごめんなさいだけど。
そう思って考えると、この組織によく似たものがもう一つあったような。そうだ、PTAもそうだ。あれもまたある種の親睦会であり、学校事務の下請け機関でもありということになるよね。なんかよく似ているような気もするな。どちらもボスみたいな存在がいたり、接待という名の女性への差別的なお茶組係り的業務を強要したりとか。
いろいろと愚痴、これは愚痴だなまさしく、を並べ立てているが、とにかく1年間我慢して大人しく、粛々と与えられるお仕事(主に回覧板を回すこととか)をこなしていくしかないのである。しかしだよ、日中は会社行って、小さな会社とはいえ管理職として偉そうに実務ならぬ雑務に勤しんでいてさ、家に帰えれば家事やって、妻の介護とかもやって、そのうえでこういう中途半端な面倒ごとまで背負わされるというのも、なんつうかあまりに理不尽なことと、まあ愚痴の一つも言いたくもなると。まあようはそういうこと、愚痴です。